関東に越してきた頃は物珍しくてたいした用もないのに近所のスーパーや個人商店を巡り歩いていました。
お店を覗いて回ると関西では当たり前にあったものがなかったり、見たこともない品物が売られていたりしてなかなか面白かったです。
その中でも、一番違うなぁと思ったのは鮮魚でしょうか。
関東は圧倒的にマグロが前面に押し出されている気がします。
反面、サメが並んでいたり(東北が近いからかな)、暑い季節に筋子を売っていたりして驚きました。
そんなある日、こんなのを見かけてさすが江戸前!!とか、思っちゃいました。
コハダは光り物の代表選手ですから寿司屋にあるのは当たり前と思っていたのですが普通に売っているとは。しかも、6尾105円って物流経費すら出ない気がするのですが^^;
ほとんど無思考で手を伸ばしちゃいましたよ^^
で、帰って捌いてみるとかなり強い磯の香がしました。釣り上げて間がない活きの良さを感じたと当時のレシピメモには書いてあります。
ということで、今日はこのコハダを例にとって魚を酢〆する際のコツを解説したいと思います。
魚の酢〆で押さえるべき3つのコツ
コハダなどの魚を酢〆する際に押さえるべきポイントは3つあります。
酢〆に使う酢は冷蔵庫で冷やしておく(ボトルごと冷蔵庫に入れておけばOK)
気温の高い夏場は特にそうですが生ぬるい酢で〆ると臭みの原因になります。
酢に漬け過ぎない。
30分くらいが適当です。酢に漬け過ぎると色が悪くなります。
漬け終わったら酢切りをして穴開きバットかざるに並べて冷蔵庫で冷やす。
魚の身は酢を含んでいてしばらくするとにじみ出てきます。皿など底に穴の空いていない器に並べると器ににじみ出た酢が溜まって酢〆を継続するのと同じ状況になってしまいます(要は漬け過ぎになっちゃいます)。
なので底に穴の開いた器に並べてにじみ出た酢を速やかにしたたり落としてしまうのです。
では、コハダの酢〆のレシピを使って酢〆の手順を解説します。
コハダの酢〆
【材料】
-調理時間:105分-
- コハダ:1パック
- 米酢又は穀物酢:適宜
- 塩:適宜
【作り方】
- コハダは包丁の刃先を使って鱗を取ります。
- 1.を腹開きしワタを取って頭を落します。次に中骨の下に包丁を差し込んでそのまますき取ります。
- 身の両端の黒い部分(がん腹と呼ばれるアバラの部分です)を落せば捌きは完了。
- 3.を身の方を上にしてバットに並べ塩を振ります。夏場は1時間、冬場は30分このまま置きます。酢をボトルごと冷蔵庫に入れて冷やし始めます。
- 4.の塩を洗い落としたら小鉢に少量酢を張ってコハダをくぐらせるようにして酢洗いします。すぐにざるに揚げて酢を切ります。
- 小振りの鉢にコハダの身を上にして重ねていきます。最後の一尾だけは皮を上にします。こんな感じ。
これに冷蔵庫で冷やした酢を注ぎます。器ごと冷蔵庫に入れ30分本漬けします。 ※漬け過ぎると色が悪くなったり味が落ちるのであくまでこれくらいの時間。 - 6.を2~3枚ずつ手の平に挟んで優しく力を入れて酢を切ります。穴開きのバットかざるに揚げて受け皿に載せ冷蔵庫で冷やせばできあがり。 ※コハダからにじみ出た酢を再度吸うと色落ちや味を悪くする原因となります。必ず常に酢が切れるようにして冷蔵してください。
【一口メモ】
- スーパーの鮮魚おつまみコーナー(?)でイカの塩辛とかと並んでいるのをよく見かけますが実は自作しても言うほど難しくはないことを知りました。
- そのままでも美味しいですが山葵を付けるのもオススメですよ。