僕の友人にも何人か猫舌の人がいます。
お店で熱々のシチューとかが出てきてもひとりだけおあずけを食らったみたいにじっと料理が冷めるのを待っている……
うーん、気の毒ですねぇ。
ようやく食べられる温度になっても冷めた料理しか食べられない……
うーん、ますます気の毒ですねぇ。
けどね、僕も最近知ったのですが、実は「猫舌」という体質があるわけじゃないらしいのです。
熱い料理を熱いと感じる度合いに個人差はたいしてなくて猫舌の人の舌が人一倍温度に敏感なわけじゃないらしい。
じゃあ、猫舌の人とそうでない人で何が違うかと言うと料理の食べ方(味わい方)の差なのだそうです。
なので食べ方を変えれば猫舌は克服することができます。
今日はその猫舌克服方について解説しますね。
消えた味覚分布地図について
話はいきなり脱線します。
僕が小学生の頃、「味覚分布地図」というのを習った記憶があります。
舌は場所によって感じる味覚が異なるという考え方に基づくマップで、たとえば甘みは舌先で感じる。塩辛さは舌先の両脇、酸味はその奥の両脇、苦味は舌の奥の方で感じるといった風に教わりました。
ところが、今の小学校では「味覚分布地図」を教えることはないそうです。なぜなら、この学説は誤りであることが判明したから^^;
味は舌にある『味蕾(みらい)』というセンサーで感じ取るのですが、この味蕾はオールマイティーで甘みも塩辛さも酸味も苦味も感じ取れるのだそうです。
味蕾は舌の全領域に分布しているのでどの味も舌のどこででも感じ取ることができるのです。
猫舌を克服する方法
味覚は味蕾で感じ取るという話をしました。
では、熱いというのは舌の何で感じ取っているのでしょう?
答えは温点。温点とは人が温かい(熱い)と感じる感覚点(センサー)です。逆に冷たいと感じる感覚点は冷点、痛いと感じる感覚点は痛点と呼ばれます。
温点は人の全身に分布していて舌の上にも存在します。特に舌先に集中しているらしく、熱い料理を口に入れる際に舌先を当ててしまう人は
「あちちっ」
と飛び上がるわけです。これが猫舌の正体です。
なので、舌先を料理に当てないように食事する練習すれば猫舌は克服できます。
- たとえばマグカップからコーヒーを口に入れる場合、意識して舌先を下の歯の裏に当てて流れ込んでくるコーヒーに触れないようにして、心持ち口の奥に流し込むようにする。
- 皿からスプーンでシチューなどを掬って飲む場合も意識して口の奥の方にさじを入れるようにする。
- 更に金属のスプーンは奥に入れる前に舌先に当たると熱いので木のスプーンを使う。
こんな工夫をすれば猫舌を自認する人でも難なく熱い料理を食べることができます。
ちなみに世の中には猫舌の人向けの食器というものも存在していたりします。
このスプーンは『リゾットスプーン』と呼ばれるもので名前の通りリゾットなどを食べるのに使います。
このスプーンは猫舌の人でも熱々のリゾットが食べられる工夫がされています。
- 材質が木製で熱を伝えにくく不用意に舌先にスプーンの裏側が当たっても熱くない。
- 形状が細長く口の奥に差し込みやすくなっている。
- さじのサイズが小さめで一度に掬える量が少ないため短時間で料理を適度に冷ますことができる。
まずはこういった道具からアプローチするのもありかもしれません。
僕はこのスプーンをLOFTで買いましたがもちろんネットでお取り寄せもできますよ。
長年培った食事の癖なので簡単には改善できないかもですが、舌先に料理を当てないというのを意識していれば知らず知らずのうちに改善していくと思います。
ぜひ、お試しあれ。