我が家では1週間のうち1度も鶏料理が出てこないことがないくらい鶏肉の消費量が激しいです。
なにより安くて美味しい。そして、汎用性が高く和洋中いろいろな料理に使える。サラダに入れたって豪華。言うことなしなのです。
言うことなしなのですが……困りごとがひとつ。
皮を持て余してしまうことが多い。
鶏むね肉の料理はあっさりした風味にしたくて皮を外すことが多いのです。
で、気がつくとまな板の上に鶏皮が残っている。
そして僕は途方に暮れる。
なんて、懐メロのタイトルが思わず口をついてしまう。
今日はそんな持て余し者扱いされがちな鶏肉を使った料理などを紹介したいと思います。
そして鶏皮で途方に暮れる
鶏皮料理 その1-焼く-
まずは料理とも言えない料理のご紹介。
フライパンに鶏皮を入れます。油は敷きません。鶏皮から大量に脂が出ますから。
これに軽く塩を振って弱火で20分以上かけてカリカリになるまで焼くだけ。
※大量の脂が出てきますのでこまめにキッチンペーパーで吸って取り除いてください。
技術はなにも要りません。必要なのはただただ根気だけ。
暇はかかりますがカリッカリの鶏皮にキンキンに冷えたビールを口にすれば一気に報われた気分になれますよ。
ちなみにこの料理、理想を言うと七輪などで炙って作ると脂がきれいに落ちて更に美味しくなります。
いつかそうやって炙った鶏皮を食べてみたい──マンション暮らしの僕のささやかな夢です。
あ、余談ですが冒頭に油と脂を書き分けて書いていますが、その違いは何かというと油は植物性の油脂。脂は動物性の油脂を指します。
鶏皮料理 その2-茹でる-
これは我が家の定番鶏皮料理です。
例えば、棒々鶏やよだれ鶏などで鶏むね肉を茹でる時、一緒に胸肉から外した鶏皮も茹でちゃいます。
で、粗熱を取ったら細切りにしてポン酢をまぶして刻みネギを散らせばできあがり。
福岡の屋台などで人気の「鶏皮ポン酢」です。冷蔵庫でよく冷やしてから食べてくださいな。
けど、作るたびに思うのです。これって、お店で出す料理か? って、いうくらい簡単ですよ。
鶏皮料理 その3-煮込む-
いや、どれもおつまみじゃん。もっと、料理らしい料理はないの?
と、言われそうですね。では、お次は鶏皮を使った煮込みといきましょう。
これは広島県呉市の名物料理。呉の居酒屋に入るとお品書きに必ずと言っていいほど並んでいるのだそうです。
お店によっては鶏皮味噌炊きという名前で呼ばれているところもあります。
料理としては単純で鶏の皮を味噌で味つけした出汁でコトコトコトコト煮込んだもの。
モツ煮の鶏皮版と思えばだいたい合っている気がします。
結構な量の鶏皮を消費できます。外した鶏皮を冷凍保存してストックしておき、何枚か溜まってから作ってみてください。
鶏皮味噌煮の作り方
【材料】(2人分)
-調理時間:90分-
- 鶏皮:200g
- 刻み葱:適宜
- こんにゃく:半丁
[出汁汁パート]
- 鶏がらスープの素:小匙1/2
- 昆布出汁:300cc
[調味料パート]
- 白味噌:18g(大匙1)
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 砂糖:3g(小匙1)
【作り方】
- 小鍋に湯を沸かし鶏皮を入れて5分下茹でします。湯を捨てて沸かし直し、また5分下茹でします。これを3回繰り返します。こんにゃくも同様に下茹でしてアクを抜きます。
- 1.の鶏皮を食べ易い大きさに切ります。こんにゃくを食べ易い大きさに手でちぎります。
- 2.と[出汁汁パート]を鍋に合わせて弱火で15分煮ます。
- 3.に[調味料パート]を加えて落し蓋をし時々水を差しながら1時間コトコト煮ます。水分が減ってとろみが付けばできあがり。小鉢に盛って刻み葱を散らします。
鶏皮料理 その4-がっつり使う-
確かに美味しそうだけどどれも鶏皮が添え物というかついでっぽい印象。
もっと鶏皮が「主役」を張っている料理はないの? という方のためにとっておきのレシピをご紹介しましょう。
ただし、これを作るとなると胸肉から外した鶏皮くらいじゃ分量が全然足りません。
僕はこの料理を作るためにわざわざ鶏皮を買ってきちゃいましたよ。ま、そこまでやっちゃうと明らかに今日のブログのテーマに反するのですが^^;
僕がこの料理を始めてみたのは桜の季節。駅前から伸びる川沿いにきれいな桜並木があるのですが、そこの屋台で売られていたのです。
けど、お値段を見るとお高い。
こういうものは雰囲気込みで楽しむものだとわかっていても……お高い。
で、意地になって近所のスーパーを回って鶏皮を買ってまで作りました。なんだかなぁ。
鶏皮餃子の作り方
【材料】(4人分)
-調理時間:20分-
- 鶏皮:8枚
[餡パート]
- 豚ミンチ:150g
- 大葉:2枚
- 生姜:ひとかけ
- にんにく:ひとかけ
- 塩:1g
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 片栗粉:6g(小匙2)
【作り方】
- [餡パート]の大葉、生姜、にんにくはみじん切りにして残りの材料とボウルに合わせ練るようにしてよく混ぜます。
- 鶏皮を広げて[餡パート]の1/8を載せ巻き取るようにして包み込んでいきます。鶏皮は弾力がありますので引っ張るようにしながら包むとしっかりくるめます。包み込んだら餃子のように形を整えます。こんな感じ
- よく熱したフライパンに2.を巻き終わりを下にして並べていきます。しっかり焼き色が付いたらフライパンと接する面を変えていき全体に焼き色を付けます。 ※脂が大量に出ますのでフライパンを傾けてキッチンペーパーで吸い取りましょう。
- 3.に熱湯50cc(分量外)を入れて蓋をし蒸し焼きにします。水が沸騰する音がほとんどしなくなったら蓋を取り水気がなくなるまで焼けばできあがり。
まとめ
実は今までにもいくつか鶏皮料理をこのブログに投稿しています。最後にそれもご紹介しておきますね。
- 鶏酢もつ(これは鶏皮ポン酢の発展形です)
- プアマンズ・北京ダック(鶏皮を使ったなんちゃって北京ダック。ちょっとリッチな気分に浸れますよ)
- 春餅(チュンピン)(北京ダックを包む皮のレシピです)
とかく脂っこくて敬遠されがちな鶏皮ですが調理法を選べばカリッカリの焼き物や冷菜、煮物、餃子にだって化けます。
ある時は脂を削ぎ落とし、ある時はその脂を逆手に取ってボリューミーな料理に変身させる。
鶏皮の可能性はまだまだあると思うのです。
また、お勉強したら新しい鶏皮料理をご紹介することもあるかも。
とりあえず、今日はここまで。それでは良い鶏皮ライフを。