目次
イントロ
◼️発端
Aさんには大好物の料理があってそれを食卓に載せる度に幸せな気分になります。
ある日、Aさんはこの料理の素晴らしさを世界中の人に知ってもらいたいと考えます。
そこで彼女は料理のレシピを書いてインターネットのレシピ投稿サイトに投稿しました。
◼️出会い
Bさんは夕飯の献立を考えていました。
レシピ投稿サイトを検索していてふとAさんが投稿したレシピが目に留まります。
「お、これ美味しそうじゃん」、そう感じたBさんはレシピに沿って夕飯を作り始めます。
◼️悲しい結末
1時間後──。「レシピ通りに作ったのになんで美味しくないの?」
できあがった料理を一口食べてBさんは涙目になっておりました……
インターネットが普及してレシピの投稿サイトが乱立する現代、見知らぬ誰かの自慢料理のレシピが簡単に手に入るようになりました。
そして、レシピの書き手の食卓にだけ上っていた料理は世界のあちこちで食卓を賑わせるようになりました。
反面、
「レシピ通りに作ったのになぜ?」
って、叫びたくなるくらい悲しい出来栄えの料理ができてしまう悲劇も案外頻繁に起きているようです。
なぜ、このような悲劇は起きてしまうのでしょうか。
って、もったいぶるほどのことでもないですね。
少し考えればわかることですが悲劇の元は1つしかありません。
そう、レシピです。
この悲劇を簡潔にまとめるとこうなります。
『Aさんが書いたレシピというバトンを受け取ったBさんが調理してみたら美味しくなかった』
つまりバトンの受け渡しで何か行き違いが生じたと考えるのが妥当です。
この物語の登場人物はAさんとBさんの2人しかいません。
なので、行き違いの原因を突き詰めてみると実はたった3つのパターンしかないことに思い至ります。
- Aさんが書いたレシピに不備があった。
- Bさんがレシピを読み間違えていた。
- レシピは正しく伝わっていたけれどAさんの味の好みがBさんの舌に合わなかった。
このブログでは人から人にレシピを手渡す時にハマり易いミスや思い違いを読み解いてレシピを書く時の注意、誰かが書いたレシピを読む時の注意について解説していきたいと思います。
[美味しくない理由1]レシピに不備がある場合
レシピ通りに作っているはずなのに美味しくない──そうなっちゃう原因でまず考えられるのはAさんが書いたレシピになんらかの不備があることです。
ちょっと、イマドキのレシピ事情を振り返ってみましょうか。
僕が料理を覚え始めた大学生の頃は1980年代でした。
その頃はもちろんネットもなければレシピサイトもなく、レシピを手に入れたければ人から直接教わるか、本屋に行って料理本を買ってくるくらいしか手立てがありませんでした。
あるいは新聞の生活欄に掲載されるレシピをスクラップするなんて方法もありましたね。
僕はわりとマメな方なので気になったレシピは切り抜いて取っておいて……30年以上経った今でも持っていたりします^^;
ともあれ、ちまたに出回っているレシピはプロの先生によって書かれたものばかりでアマチュアのレシピに触れることはまずありませんでした。
プロの先生が出版社を通して出している料理本ならご本人も本職ですし、校閲さんのチェックも入るのでそこに書かれている情報に誤りがあるなんてことはまずありません。レシピ通りに作ればまずそこそこに美味しい料理が作れていました。
けど、今では料理投稿サイトなどにアマチュアの方が気軽にレシピを投稿できる時代です。
アマチュアとはいえ料理達者な方はたくさんいらっしゃいますし、今まで世に出ていなかった秘伝のレシピやよそのご家庭の自慢料理に触れることができるようになったのは福音と言えます。
けど反面、アマチュアの方が投稿されているレシピはピンキリで、説明がわかりづらかったり、表現があいまいだったりするものも多々あります。
更に書き漏らしがあったり書き誤りがあるものさえあります。
ありがちなレシピのミス
レシピを書くときにもっとも起こりやすいミスには以下のようなものが挙げられます。
- 材料表に書き忘れや書き誤りがある。
- 材料表に書かれた食材、調味料が作り方のどこにも出てこない^^;
- 作り方に抜け漏れがある。作り方の記述に誤りがある。
- そうでなくても、作り方が手順通りになっていない。あるいは段取りの悪い手順になっている。
こういったレシピを参考にしてレシピ通りに料理を作ろうと思ってもぜったいに途中で「ん?」となって、手が止まってしまいます。
「もしかして、このレシピ間違ってなくね?」と思っても後の祭り。作り始めた料理はなんとかして仕上げるしかありません。
なので、新しいレシピを使う際には予め一通り目を通してそもそもレシピに不備がないかチェックすることをおすすめします。
ネットなどで手に入れたレシピをチェックする代表的なポイントを以下にまとめてみましたので参考にしてください。
ここだけは押さえておきたいレシピのチェックポイント
材料表がわかり易く書かれているか?
次のようなことがないかチェックしましょう。
何人分の料理かが書かれているか。
意外に書かれていないレシピをよく見かけますが、すごく困ります。
材料の記述が曖昧でないか。
材料が「鶏肉」とか「たけのこ」と言った風にあいまいに書かれていないか?
(前者は部位がわかりません。後者は生の筍なのか市販の茹でたけのこのことを指しているのかがわかりません)
分量が具体的に書かれているか。
適宜、適量、少々が多用されているレシピは読み手が経験と想像力で補う必要があるので良いレシピとは言えません。
材料の順番が調理工程と合っているか?
材料の記載が具体的であっても作り方の順番と合っていないと非常に読みづらいです。
例えば、下味に使う調味料が最後に書かれていると読み落としかねませんし、逆に仕上げに使う調味料が冒頭に書かれているとなんでここに書くかなぁって思いますよね。
また、食材と調味料は分けてまとめ書きされるのが一般的ですがこれを混ぜちゃうと読みづらさはひとしおになります。
材料表の記載に過不足はないか
作り方の中に出てくる食材、調味料が材料表になかったり材料表に書かれた食材、調味料が作り方のどこにも出てこなかったりするのはあきらかにレシピの瑕疵です。
「そんなことあるの?」と思うかもしれませんが、レシピの投稿サイトは書籍と違って第三者の校閲を受けているわけではないので案外あるのです。
僕も1度ならずそんなレシピを見た経験があります。
分量は適切か
たとえば投稿者さんが4人前のレシピを2人前の分量に焼き直して投稿した時などによく起きる現象です。
一部の調味料の分量を1/2し忘れていると発生します。そう……、
あからさまに調味料が多すぎる!!
これを信じて料理を作るととんでもなく濃い味の料理になっちゃいます(あたりまえ^^;)。
あなたがこれを回避するにはレシピから味を想像するスキルが必要になります。
このスキルは才能でもなんでもありません。単なる経験です。
以前、似た料理を作ったときの調味料の配合と比較して「この醤油多すぎなくね?」と推し量るのです。
調理工程が手順通りに書かれているか
例えば
- お肉を一口大に切ってサラダ油を入れたフライパンに投入し、中火で肉の色が変わるまで炒めます。
- ここに細切りにした玉ねぎ、微塵切りにした生姜、小口切りにした青ネギを加えて玉ねぎがしんなりするまで炒めます。
と書かれたレシピがあったとします。
もしあなたがレシピを先読みせずにレシピ通りに調理を進めたとしたら2..の工程でフリーズしませか?
「ちょ、待てよ。野菜を切ってないよ~」
「あ、あ、野菜を切ってる間に肉がどんどん硬くなってくよ~」
レシピの書き手が調理の手順を意識して書いていれば1番最初に肉と野菜を切る工程を書いていたでしょう。
そうすればこの悲劇は起きなかったはずなのです。
以上、これだけは押さえておきたいレシピのチェックポイントをご紹介しました。
そもそもレシピが間違っていたらどう頑張っても美味しい料理は作れません。
ネットのレシピを活用するときは少なくともこの5つのチェックポイントを使って予めチェックするようにしましょう。
「レシピの書き方」について
ここまでレシピの受け取り手の視点でレシピにありがちな不備について書いてきましたが視点をひっくり返せばこれらのチェックポイントはレシピを書く際のルールに他なりません。
厳しい言い方に聞こえるかもですが、あなたがネットにレシピを投稿するということはとりも直さず、そのレシピに責任を持つということです。
そのレシピを選んで調理してくれた人に「美味しい」と言わせる義務を負います。
ですから、あなたがレシピ投稿サイトにレシピを投稿する際には少なくともこの5つのポイントは必ずチェックしてください。
ただ、ここに挙げたチェックポイントはレシピのミスあるあるのごくごく代表的なものです。
レシピを書く際に気をつけるべきことを本格的にまとめようと思うと本が1冊書けちゃいます。
なので、できれば一度きちんとレシピの書き方を勉強することをお勧めします。
レシピの書き方を勉強するのにうってつけの本があるので紹介しておきますね。
レシピ校閲者の会 編纂。その名も
「おいしさを伝えるレシピの書き方Handbook」
です。
この本を編纂したのは出版社で普段、レシピブックの校閲をされている方々。いわばレシピチェックのプロです。
彼らは一般書籍の校閲技術だけでなく料理そのものや調理の表現に関する造詣も深く《レシピはかく書かれるべし》ということに一家言ある人たちばかりです。
そんな人たちが寄ってたかって作り上げたのがこの1冊。
まず、悪いレシピの例の添削(赤ペンで真っ赤になっています)から始まって
材料表の表記はこう統一しなさいだとか(近頃はccではなくmlと書くのが主流だなんて僕はこの本で始めて知りました)、
火加減の共通認識(例えば中火は鍋に炎の先が掛かるか掛からないかくらいの火加減。レシピの中で火加減が特に記載されていない場合は中火を指すのがお約束(これも初めて知った))、
主要食材の旬から料理を美味しそうに撮影するテクニックに至るまで、およそレシピを書くためのノウハウが全て網羅されているバイブルと呼ぶに相応しい1冊です。
僕も持っていますが、ときおり思い出したように読み返します。
目から鱗の知識にたくさん出逢いましたし、今まで何となくで書いていた曖昧なレシピの記述に統一感ができてスッキリしました。
一家に一冊ぜひどうぞ。
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[美味しくない理由2]レシピを読み間違えている場合
レシピ通りに作っているはずなのに美味しく作れない──そうなっちゃう原因で2番目に考えられるのはBさんがレシピに書かれた情報を正しく読みとれていない、つまり読み間違えているケースです。
では、どこをBさんは読み間違えたのでしょう?
一般的なレシピには「材料表」と「調理工程(作り方)」という2つの情報が載っています。
「材料表」について
材料表には料理に使う食材と調味料の配合が書かれています。
調味料については汎用的な尺度(グラム、ml、大匙、小匙など)を使った数字で書かれていますので素直に読みさえすれば間違えようがありません。
たまに自己流のアレンジを加えて数字を変えちゃう人もいるみたいですがそれは読み間違え以前の話ですね^^;
調味料に比べて注意が必要なのは食材です。
なぜなら食材には個体差があるからです。
例えば「豚もも肉:200g」と書いてくれていれば間違いようがありませんが「鶏もも肉:1枚」と書かれていたらどうでしょう。
一般に鶏もも肉1枚は200〜300gです。
これに対してレシピ通り醤油:大匙1(18g)を使ったら、鶏肉200gでは濃い目の味付けになりますし、300gならそれよりかなり薄い味付けになります。
これが「レシピ通りに作ったのに美味しくない」原因の1つなのです。
つまりAさんが調理した時に使った鶏肉1枚が何グラムだったかを明確に書いてくれていないために情報が正確に伝わらなくなっているわけです。
この状況に対する対処ですが料理に不慣れなうちはこのレシピを諦めて他のレシピを探すのが無難です。
どうしてもそのレシピにこだわりがあって作りたいのであれば調味料をレシピの2/3程度使って調理し、味を見ながら追い足して調整しましょう。
ただ、例えばオーブン焼きのように調味料の追い足しが難しい場合もあってこのやり方も万能ではありません。
その場合は腹をくくってトライ&エラー。納得いく味になるまで試作するしかありません。
料理に慣れてくれば似た料理から類推して鶏肉の重さに対して調味料がどれくらい必要かは自然とわかるようになってきます。
同様に個体差の問題で情報が正確に伝わらないメジャーな食材としてじゃがいもが挙げられます。
じゃがいもは中サイズと小サイズでは重さに大きな差が出ます。
あなたがレシピを書く場合はぜひ、じゃがいも(中):1個とか、じゃがいも(小):2個といった風にサイズがわかるように書くよう心がけてください。
更にちなみに卵もサイズがSSからLLまで6等級に分類されます。
主に製菓の話になりますが、レシピで特に卵のサイズが記載されていない場合はMサイズ(正味約50g)を指します。覚えておきましょう。
「調理工程(作り方)」について
材料表に比べて調理工程の記述は結構くせ者です。
僕は本業がシステムエンジニアで年がら年中、作業手順書を作ったり人の作った手順書のレビューをしているので痛いほど分かるのですが、作業の手順や人の動作をわかりやすくかつ漏れなく文章で表現するのって結構訓練がいるのです。
よくよく読めばそう読めなくもないけどなんでこう書くかなぁ。という手順書をいやというほど見てきました。逆に新人の頃はよく叱られました^^;
「もしかしたら、わたしがレシピを読み間違えてる?」
と疑ったら、もう一度きちんとレシピの、特に調理工程を読み直してみましょう。
その際は、調理工程の4W1Hを押さえながら頭の中で実際の動作をイメージしつつ読むのがオススメです。
What:
何を(どの食材を、どの調味料を……)
When:
いつ(どのタイミングで、何分間かけて……)
Where:
どこで(ボウルの中で、鍋の中で、冷蔵庫に入れて……)
Who:
誰が(わたしが手作業で、電子レンジで、圧力鍋で……)
How:
どのようにして(力強く、そっと優しく……)
調理の各工程では必ずこれら5つの要件が明確になっている必要があります。
家庭料理のレシピで書かれた工程はせいぜい数工程が一般的。1工程ずつ読み返してもたいした手間ではありません。
で、もし不明確な(または書かれていない)要件があれば想像力を働かせて足りない要件を補ってから体を動かしましょう。
その際に想像力の助けになるのは5W1Hの最後の「W」。Why=「理由」です。
「なぜ、強火なのか?(⇒短時間で一気に火を通すため、素材の表面に焼き色を付けるため)」、「なぜ、下茹でをする必要があるのか?(⇒アクを抜くため、)」、「なぜ、隠し包丁を入れるのか?(⇒味しみを良くするため)」
レシピに書かれた要件には必ず理由があります。慣れないうちはわからなくても経験を重ねればその理由は自然とわかるようになります。
それがわかれば、たとえ火加減が明確に書かれていないレシピであったとしても「ここは弱火でないとおかしい」と読み取ることができるようになります。
料理動画のススメ
あと、近頃は動画付きのレシピも多数出回っています。
料理動画の場合、実際に手を動かすところを目で見て正確に調理工程(作り方)を理解することがてきますのでオススメです。
[美味しくない理由3]味の好みが合わない場合
Aさんの書いたレシピに特段の不備はない。
Bさんも正しくレシピを読み解いて調理をした。
つまりレシピというバトンは正確に手渡された──それでも、Bさんが食べてみると味がイマイチに感じる。そういうことも実際にはあります。
これって、どういうことでしょう?
そう、Aさんの味の好みとBさんの味の好みが違っているのです。
そして、これこそが「レシピ通りに作っても美味しくない」原因の本命なんじゃないかなと僕は思っています。
ファストフードやコンビニ惣菜の普及で近頃はずいぶん希薄になった印象がありますが、僕が子供の頃は地方によって歴然と味の好みに差がありました。
たとえば僕は神戸生まれの神戸育ち。生粋の関西人です。
もはやネタとしか思えない話題ですけど「関東のうどんのつゆは真っ黒やねんで。あんなだだ辛いもんが食えるかいな」なんて悪口が関西人の間では定番の関東ディスりでした。
関東人は濃い味を好み、関西人は薄味を好む。
仮にこの説が十分汎用的だとしましょう。
関東人のAさんが書いたレシピを読んで関西人のBさんがその料理を作ったら結果は火を見るより明らかです。
「うわっ、なんやこの辛さは。なんちゅうもんを食わすねん」
とBさんは毒づくでしょう。
逆にBさんが書いたレシピを読んでAさんが読んで作ったら、
「なに、これ。全然味がしないじゃん」
という羽目になります。
けどね、それぞれのレシピの作者であるAさん、Bさんにとってその味は「美味しい」と感じる味なのです。
誰かが書いたレシピを使って調理をする時、僕らがまず一番にしないといけないのはそのレシピの作者の出身地を知ることだと僕は思います。
もっと正確に言えばその作者が子供の頃に食べた料理を作ってくれた人(一般的にはお母さん)の出身地を知るのが大切になのです。
そして、その土地の味の好みを知ってあなたの好みに補正をすれば上に書いたような悲劇は未然に防げるはずなのです。
けれど、ネットの投稿サイトは言うに及ばず、本屋さんで売られている料理本の作者のプロフィール欄を見てもまずそんな情報は書いてくれていません。
ならばどうすれば良いか?
答えはひとつ。レシピとはそういうものだと考えて、腹をくくるしかないのです。
■真理■
レシピはしょせん参考資料。そのとおりに作ってもおいしいとは限らない!!
身も蓋もない結論になっちゃいましたが、それが現実だから仕方ありません。
味の好みがわかり合えている近しい人が書いたレシピならいざしらず、どこの誰とも知らない人の書いたレシピはそもそもそこに書かれた情報を疑ってかかるくらいでちょうど良いのです。
まとめ
「レシピ通りに作ったはずなのに美味しくない!!」
あなたがそう感じることがある原因の正体について解説しました。最後に要点をまとめておきますね。
美味しくない原因は3つに分類される
美味しくない原因として次の3つが考えられます。
- レシピに不備がある場合。
- レシピを読み間違えている場合。
- レシピは正しく伝わっているけれどレシピの書き手と読み手で味の好みが違っている場合。
レシピに不備がないかチェックするポイント
レシピを手に入れたら調理を始める前にそのレシピに不備がないか机上でチェックしましょう。
代表的なチェックポイントは以下の5つです。
- 材料表がわかり易く書かれているか?
- 材料の順番が調理工程と合っているか?
- 材料表の記載に過不足はないか
- 分量は適切か
- 調理工程が手順通りに書かれているか
逆にレシピを書く側の立場になった時に留意しておくべき要点をまとめた参考書をご紹介しました。
念の為、もう一度書いておきますね。
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レシピを読み間違えないようにするために注意すること
材料表について
材料表の中でも特に食材は個体差があります。
汎用的な単位(一般には重さ(グラム))で書かれていない(1個、1本、1枚など)食材には注意をしましょう。
調理工程(作り方)について
調理工程を読むときは4W1H(What、When、Where、Who、How)を押さえながら頭の中で実際の動作をイメージしつつ読みましょう。
もし、4W1Hが書かれていない、あるいは不明確な場合は、残りのW(Why)=「理由」を手がかりにして想像力を働かせて要件を補ってから調理にかかりましょう。
レシピの作者と読者で味の好みに差があること
味の好みは人それぞれ。レシピの書き手が美味しいと感じる料理をあなたが美味しいと感じるとは限りません。
誰かが書いたレシピを使うときにはそのことをわきまえて以下を肝に銘じましょう。
- レシピ通りに作ることとレシピを鵜呑みにすることは似て非なるものと心得ましょう。
- レシピ通りに作ることを心がけながらレシピを疑うことがたいせつです。
次回予告
今回の解説では「レシピ通りに作れ」と言われながら「(その)レシピを疑え」と言われたりしてあなたは混乱してしまったんじゃないでしょうか^^;
「じゃあ、いったい何を信じたら良いの?」
あなたはそう考えているかもしれません。
その答えは「舌」。美味しい料理を作るためにあなたが信じて良いものはあなたの「舌」だけなのです。
だって、その料理を食べるのはほかならぬ、あなたなんですから。
次回は調味料の足し算と引き算の解説をしつつ味見について解説していきたいと思います。
あと、この節のテーマはあくまでも「味付けの呪いを解く」ですので、美味しくない理由も味付けに特化して解説しました。
あなたは既にお気づきかもしれませんね。
いくら味付けがレシピ通り正しく行われていても、下ごしらえ、食材のカット、火入れ、仕上げなど調理の仕方が間違っていれば料理は美味しくできません。
それについては、いずれまた後の章で解説していきたいと思います。
では、また。