献立の呪いを祓う

献立の呪いを祓う① ~料理のレパートリーを増やそう②~

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さて、自分では頑張らずにあくまで他力本願で料理のレパートリーを増やすテクニックの続きを書きます。

前回は検索エンジンでネットの情報を検索する際のコツやテクニックをいろいろご紹介しました。けど、ネットの情報って玉石混交で検索したレシピがあなたにとって「良いレシピ」である保証なんてどこにもないんですよね。

特にアマチュアの方の投稿は当たり外れが激しく、残念なレシピになると材料表に書かれている材料が手順のどこにも書かれていなかったり、逆に材料表にない調味料がいきなり登場するものまであります。

あなたのレパートリーをより良いレシピで揃えるにはやはりプロに教わるに越したことはないと僕は思うのです。

「え、そんなこと言われても料理人に知り合いとかいないし」

って、あなたは思うかも知れません。でも大丈夫。20世紀ならいざしらず、21世紀の情報化社会なら簡単にプロの献立をいくらでも手に入れることができるのです。

今回のブログのテーマはずばりこれ。「料理のレパートリーをプロに教わる」です。

テクニック2:プロに教わる

外食をした時にあなたがすべきこと(身につけたい習慣)

外食をした時、料理の写真を撮ってインスタグラムなどのSNSにアップしたことはありませんか?

そういう時はせっかくですから、お店の人に断ってメニューの写真も撮っておきましょう(撮影禁止のお店もありますからお断りしてから撮るのがマナーです)。

お店のメニューは料理のプロが組んだ献立の塊です。特にコース料理や定食は複数の料理を組み合わせるアイデアの宝庫です。

撮影したメニューの写真をスマホにストックしていけば献立づくりを助けてくれる強力なデータベースになります。

加えて、あなたがSNSにアップした料理の写真はプロの手による盛り付けのお手本です。出来上がった夕飯をお皿に盛る際にはぜひ参考にして下さい。

ここで1つ注意。「献立の呪いを祓う ~序章~」の「2.献立づくりの原理・原則(献立作りを楽しくする秘訣)」で僕はこんなことを書きました。

☆その料理を作れるかどうかはあまり考えない

お店のメニューを見て「こんな料理、わたしには作れないよ」とあなたは萎縮してしまうかもしれません。

けど、大丈夫。あなたが作るのはお店で出す料理じゃありません。たかだか、今夜の夕飯です。「……のようなもの」で構わないじゃないですか。

家族にこれは何かと訊かれたら、胸を張って「××(お店の名前)風にアレンジしてみたの」と答えましょう。

ネットを使ってプロに教わる

次に、『テクニック2:プロに教わる』の応用編を紹介します。

あなたは普段、めったに外食などしなくて、なかなかメニューの写真を撮る機会もないかもしれません。

けど、あなたの代わりに誰かが撮影してくれたメニューの写真がネットには氾濫しています。

そう、グルメサイトを検索すれば良いのです。

代表的なグルメサイト


ぐるなび

株式会社ぐるなび(英称:GURUNAVI, INC.)が運営する飲食店の情報を集めたウェブサイト。“日本発、世界へ”を基本方針に、日本の食文化を発信することを理念としています。利用者からの情報を主軸においたCGM(消費者生成メディア)であるほかのグルメサイトと異なり、「飲食店の販売促進支援」を事業の柱として明確に位置づけています。

食べログ

カカクコムグループが運営するグルメサイト。コンセプトは「ランキングと口コミで探せるグルメサイト」。ユーザーの口コミも含めた全国のレストラン情報が掲載されています。

ホットペッパー

ホットペッパー(Hot Pepper)は、リクルートの子会社であるリクルートライフスタイルが発行している月刊の無料クーポンマガジンです。で、この雑誌とほぼ同内容の情報をパソコンや携帯電話から利用可能なのがWEBサービス「HOT PEPPER グルメ」なのです。

Retty

Facebookと連動した実名制の口コミが特徴のグルメサイト。誰が発信した口コミかがわかるので信頼度が高いのがウリ(食通で有名な芸能人がイチオシしてたりしたら「間違いないかも」と思いますよね)。口コミ内容はポジティブな内容のものが多く、点数評価でないのも特徴。


 

おいしいと評判の店、いつか行ってみたい店、友達が自慢げにインスタに写真をアップしていた店、次々に検索してみましょう。

そして、美味しそうな料理を見つけたらメモしておきましょう。このメモも献立づくりを助けてくれる強力なデータベースになります。

グルメサイトにはその店のメニューが付きものです。たとえお店がメニュー情報を提供していなくてもその店のお客になった人がお品書きの写真を投稿してくれているのが常です。

特に定食コース料理は要チェック!! それはプロの料理人が組んだガチンコの献立です。メインディッシュ、副菜、汁物、サラダ──どう組み合わせればお客が満足するかを考え抜いた情報のかたまりなのです。

しかも料理の写真付き。作る前からどんな仕上がりになるのかひと目で分かります。

それをそっくりそのまま、真似しちゃえ。ほら、夕飯の献立がいっちょあがり

メニューと合わせてチェックしたいのがお値段。飲食店の原価はおよそ30%くらいと考えておけば間違いありません。つまり、その料理の値段に0.3を掛ければ自分が作る場合の材料費がざっくりわかるのです。

ちなみに当たり前の話ですがグルメサイトは日本の専売特許ではありません。海外にもグルメサイトはもちろんあって、利用人口は日本のグルメサイトと桁が違います。一番有名どころはインドに拠点を置くZOMATOでしょうか。

「ええ、わたし英語は苦手だよ」なんて言わずに一度覗いてみてくださいな。見たこともない料理との出会いがあるかもですよ。

テクニック3:名作に教わる

映画、ドラマ、アニメなどを観ていると食事のシーンなどが出てきて「あ、これ食べてみたい」と思う時がありませんか?

そう思ったら、一瞬再生を止めてスマホにメモを録って下さい。小説を読んでいて美味しそうな料理が出てきた時もちょっと読書をストップしてメモ。

メモを録る内容は次のとおりです。

(映画やアニメ、小説の)作品名』、『(そのカットの)開始からの経過時間(小説ならページ数)』、『料理の名前や特徴

これだけの情報があれば後日、その料理を観たくなった時にすぐ観ることができると思います。

映像作品の料理や食事のシーンはただなんとなく料理を出してみたということはあり得ません。

多くのスタッフが寄ってたかって議論して、そのシーンにふさわしい料理(=献立)を組み立てているのです。

特にそのビジュアルは映像のプロたちがフードコーディネーターとタッグを組んで練り上げた渾身の盛り付けになっています。

これをお手本にしない手はないじゃありませんか。

美味しそうな料理が出てくる映画/アニメ/ドラマ/小説

僕がおすすめする美味しそうな料理が出てくる作品を挙げてみたいと思います。

といっても、チョイスが少し変わっているかも。その作品を選んだ基準は映画や小説のクォリティーに関係なくあくまでも献立作りのヒントが貰えるかどうか。こんな基準で選んだランキングってそうそうないですよ。では、どうぞ

献立に役立つ名作(映画編)

木曜組曲
概要:4年前に謎の薬物死を遂げた女流作家。彼女の死を偲んで5人の女性が1年に1度彼女の館に集まります。けれど、今年は謎の花束が届いたことで何やら不穏な空気が流れていました。やがて、彼女たちは女流作家の死の真相を推理し始めます──不審な死を遂げた女流作家を浅丘ルリ子が、5人の女声を鈴木京香、原田美枝子、富田靖子、西田尚美、加藤登紀子というなんとも個性的で華やかなキャストが彩りを添えています。そして何より魅力的なのは謎解き──ではなく、彼女たちが作る美味しそうな料理。もう、全編料理を作って食べているだけな気がする不思議な作品です。

オススメポイント:これでもか、これでもかと美味しそうな料理が目の前で作られてそれを5人の美女たちが旺盛な食欲に任せてもりもり食べてます。調理の工程がきちんと描写されていることも高ポイント。そして、DVD特典でなんと作中に出てきた料理のレシピが付いているのです。ミステリーはどこへ行ったと言いたくなりますが、献立のヒントをもらうにはおすすめの一作です。

かもめ食堂
概要:フィンランドの首都ヘルシンキ。その街角に新しい食堂がオープンしました。
店のオーナーはキリッとした顔立ちの日本人女性。彼女の意気込みとは裏腹に店は閑古鳥が鳴きっぱなし。そこに日本に興味を持つ青年が来店します。ところが彼の目的はガッチャマンの歌を教えてほしいというもので……
さまざまな人との出会いを経て食堂が繁盛店に成長していくサクセスストーリーです。
映画自体も素敵ですが店で出される料理がまた魅力的。最初はフィンランドの街の人がきみ悪がったおにぎり。店の繁盛のきっかけとなったシナモンロール。豚の生姜焼き、とんかつ、若鶏の唐揚げなどの定食。日本人にとってはありきたりなものばかりなのに、遠い国の人達が物珍しそうに食べているのを見ていると無性に食べたくなってくるから不思議です。

おススメポイント:物語の舞台になるのはヘルシンキンに開業した日本の定食屋さん。なので、出てくる料理はどれも即夕飯のおかずに使えるものばかり。「今夜の夕飯はどうしよっかな」と悩んでいる時にちら見すれば「その手があったか」と膝を打つこと必至です。そしてそれを物珍しそうな顔で食べているフィンランドの人たちを見るとなんだかこっちも食べたくなるというのは人情……というか人の性ですね。

献立に役立つ名作(ドラマ編)

深夜食堂
概要:その店は新宿の路地裏にある。えいぎ時間は深夜0時から朝6時頃まで、決まったメニューは豚汁定食だけ。あとは客の注文に応じてできるものならなんでも作るってのが店主の営業方針だ。深夜だけ開く食堂を舞台に癖のある客たちと彼らが注文する訳ありの料理が生み出すドラマが魅力的な作品です。原作はコミックス、ドラマは小林さんが主人公の店主役で本当に深夜に放送されていました。

オススメポイント:毎回、料理一品がテーマになっていて、その料理が猫まんまやタコさんウインナーなど身近なものばかり。しかも20分ドラマなのでさっと観る事ができます。献立作りに行き詰まった時に観れば何かヒントがもらえるかもしれませんよ。

宮廷女官チャングムの誓い
概要:時代は16世紀。朝鮮王朝で渦巻いた謀略の犠牲となった母の遺志を継いで女官となったチャングムは無実の罪を着せられて奴婢の身分に落とされる。が、天賦の才と不屈の精神で医女となって宮廷に返り咲き、やがては国王の主治医となるサクセスストーリー。特に前半の宮廷での料理勝負は熱い展開が繰り広げられ日本の韓国時代劇ブームの火付けとなりました。ストーリーの相似性から「韓国版おしん」なんて呼ばれたりもしましたね。中には詳らかに歴史を紐解いて史実と違うと指弾した人もいたみたいですがそれは野暮というもの。水戸黄門を観て「史実と違う」っていうのと同じようなもので、全ては視聴率の高さがどれだけこの物語が多くの人の心を掴み、愛されたかを物語っていると思います。

オススメポイント:宮廷料理勝負で出された料理は今でも応用の効くアイデアの宝庫です。というか、現代の我々が楽しめるように料理のプロが知恵を絞って台本に注ぎ込んだのでしょうね。そして料理勝負の勝因はどれも「食べる人の体を気遣った」こと。後にチャングムが医女となる伏線ではあるのですが、料理を作る際に一番大切な心得だと思います。

献立に役立つ名作(アニメ編)

食戟のソーマ
概要:4歳の頃から実家の定食屋で料理人の修行に明け暮れる幸平創真の夢は父を超える料理人になって店を継ぐこと。ところが中学卒業を控えたある日、彼はその父に料理学校への編入試験を受けるよう命じられる。その学園は世界中からトップシェフを目指す若き料理人たちが集うモンスタースクールだった。
食戟(しょくげき)と呼ばれる料理による決闘が作品のウリで少年誌らしい熱いバトルが魅力で。また、勝負の決着に少年誌にありがちな根性頼みの力技や異能力は微塵も介入せず、あくまで真っ当な料理理論に基づいて決するところも高評価。
原作は週刊少年ジャンプに連載されているコミックス。アニメ化もされています。

オススメポイント:小中学生が主要読者層の少年誌連載作品ということで、出てくる料理はどれも子供たちが大好きで、イメージしやすい皿のアレンジばかり。たとえば、オムライス、カレー料理、親子丼、麻婆豆腐などなど。ただ、アレンジされた料理は大人が見ても「食べたい」と思わずにはいられない仕上がりです。特に育ち盛りの子供がいるご家庭では必見かな。同じものは作れなくても今夜の夕飯のヒントがきっともらえると思います。

異世界食堂
概要:週に一度、土曜の日になるとその店の扉は異世界と繋がる。やって来る客は騎士や魔法使い、獣人、ドワーフ、妖精など。出される料理はメンチカツ、エビフライ、カレーライスにロースカツなど僕らにとってはありふれた洋食屋のメニューだけど異世界の住人にとっては見たこともないご馳走に映るらしい。
原作はライトノベルですが、2017年にアニメ化されました。毎回テーマになる料理がきまってそれにまつわるドラマが展開されるのですが料理の描写がどれも美味しそうで深夜にアニメを観ているとお腹が鳴って困りました(^^;

おススメポイント:登場する料理はどれもありふれた洋食のメニューばかり。凝った料理は出てきません。「夕飯のおかずが何も思いつかない」という時にアニメを再生すると「あ、今日はこれにしよう」という一皿が見つかるかもです。原則、2話構成の30分アニメですので15分で1話視聴できるクイックさもポイント高いです。

献立に役立つ名作(小説編)

香菜里屋シリーズ
概要:三軒茶屋の路地裏に一軒のビアバーがある。店の名は『香菜里屋』。店主の工藤が出す料理は「ビアバーで出すにはもったいない」と客たちが評する逸品ばかり。
店にはしばしば謎や悩みを抱えた客が訪れるが工藤はささいな手がかりから見事にそれを解き明かして見せるのだった。いわゆる安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)物のミステリーなのですが、謎解きがどうでもよくなってしまうほどの皿、皿、皿の数々。作者、北森鴻(きたもりこう)の絶妙な描写も相まって「こっちにもよこせ」と何度本に向かって心の中で叫んだことか。空腹時に読むには体に毒な小説です。
第1作目『花の下にて春死なむ』が第52回日本推理作家協会賞短編及び連作短編集部門を受賞するなどミステリーとしても一級品。残念ながら作者が鬼籍に入られたため新作は望めなくなりましたが以下の4冊(いずれも短編連作集)が既刊として楽しめます。

  • 花の下にて春死なむ
  • 桜宵
  • 螢坂
  • 香菜里屋を知っていますか

仄暗いバーの片隅で極上のビールと料理を楽しみたくなったらお手にとってみてください。

オススメポイント:正確に数えたことはないのですが、1冊あたり十数品以上の料理が紹介されます。厳密なレシピではありませんが使われている食材、調味料、調理手順の描写もかなり詳しく書かれているものもあり、新しいレパートリーを増やすヒントを何度も頂きました。

みをつくし料理帖
概要:享和2年(1802年)に起きた淀川の水害で孤児となった澪(みお)は天満一兆庵と呼ばれる老舗料理屋の主人に拾われ料理人として修行を積む。後に江戸に移った彼女は数寄な運命に翻弄され艱難辛苦を受けながら料理の才と芯の強さで跳ね返し精進を重ねる。彼女の勤め先の「つるや」は彼女の料理を愛する人々の支持を得て、やがて江戸で押しも押されぬ料理屋へと成長していく。
ドラマにもなった髙田郁(たかだかおる)の人情時代小説です。コミックスにもなりました。
本編は全10巻(全て短編連作)ですが、「みをつくし献立帖」というレシピ本(なんと江戸料理なのに写真入り^^)と後日談を描いた「花だより」が既刊です。澪を取り巻く人々の物語も気になるところですが、物語を彩る江戸料理の数々がまた魅力的。決して絢爛豪華な料理は出てこないのですが、いずれも工夫を凝らした料理屋の逸品。明らかに庶民のまかない料理とは一線を画する貫禄を感じます。

オススメポイント:時代背景は江戸後期の文化が開花した文化文政年間。当時既にあった調味料や調理法が正確に吟味され、かなり克明に描写されています。和食の基礎を学びたいときには特にオススメのシリーズ。たかが時代小説とはあなどらず真摯に向き合えば得るものは多くあると思います。巻末に作中の料理のレシピが付いているのもポイント高し。NHKのドラマでも、最後に料理番組風にレシピ紹介のコーナーがありました。

まとめ

  • どうせレパートリーを増やすならプロが持っている情報を集めるに越したことはなし。
  • 外食した時はレパートリーを増やすチャンス。お店の人にお断りをして料理の写真だけじゃなくメニューの写真を撮っておきましょう。
  • めったに外食をすることがなくても大丈夫。レシピサイトを使えば有名店の献立情報も簡単に手に入ります。
  • 映画やドラマを観ていて美味しそうな料理を見かけたらちょっと再生をストップ。そのシーンの情報を控えて後日探せるようにしましょう。
  • 控える情報は『作品名』、『(そのカットの)開始からの経過時間』、『料理の名前や特徴』があれば十分です。

以上、今回のブログのまとめでした。

【次回予告】

献立の呪いを祓う② ~レパートリーの整理をしよう~」 を投稿します。お楽しみに。

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