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買い出しの呪いを祓う

買い出しの呪いを祓う⑤ ~計画性で決まる 食材買い出しのコツ③~

買い出しの呪いを払う──食材の買い出しなんてだいきらいっ!! というあなたの呪い(苦手意識)を祓うこのシリーズもいよいよ最終回……と思ったのですが、またまた長くなっちゃった。

書き出すと止まらないのは困ったもんです。ということで、次回こそ最終回、買い出しから帰ってからのポイントと総まとめ編を書きます。

で、今回はより実践的な買い出しテクニックやコツを解説していきたいと思います。

週末の買い出し、3000円の大冒険。

果たして3000円で1週間分の食材は買えるのか???

1つの例とはいえ、前回のブログで僕はこんなことを書きました。

「1週間の食費予算が4000円ならば週末は3000円だけ持って買い出しに行きましょう。そしたら平日に何か買い物が必要になってもまだ1000円残っています」

けど、書いた本人もほんとに3000円で1週間暮らしていけるのかちょっと懐疑的(をいをい)。なので、買い出しのシミュレーションしてみようと思います。

ちょうどこのブログを書き始めた日は土曜日で買い出しから帰ってきたばかり。レシートの手持ちがありますのでこれを食材や調味料の価格資料にしましょう。

ちなみに、今日の出費は4655円(お酒を除く)。あと少し買い足りないもの(1000円弱)がありますがこれでおおよそ娘と2人1週間暮らします。ターゲットの3000円に対して約1.5倍で2人分──なんか1人暮らしを前提にすればイケる気がしてきました。

では、参ります。

前提条件

まずは買い出しシミュレーションの前提条件を決めます。

  • 家族構成:1人暮らし
  • 1週間の予算:3000円
  • 家の中の在庫:醤油、酒、塩、砂糖など一般的な調味料はほぼ揃っている。野菜類もある程度は冷蔵庫にある。ただし買い足しが必要なものもある
  • 外食の予定:今週の外食の予定はなし。夕飯は買ってきた食材で自炊する。
  • ご近所のお店状況:駅前に大型スーパーあり。同じく駅前に個人経営の鮮魚店、青果店あり。安さがウリの量販店あり。

買い出し戦略/戦術

前提条件に基づいて買い出しの戦略を考えます。今日の買い出しで行うべきことは……

  • まず、肉や魚など主菜の主食材となるアイテムをそろえる必要がある。
  • 調味料、野菜で不足しているものも買い足す必要がある。
  • お肉はスーパーで特売のチラシを参考にしながら購入することとする
  • 魚は鮮魚店に目玉商品がないかチェック、野菜は同じく青果店を覗く
  • 調味料は量販店をチェックしてスーパーの値段と比較

といったところでしょうか。これに基づいて戦術(具体的な行動計画)を練ってみましょう。

予算の用途を明確にするため1000円札を3枚に分けてそれぞれにざっくりと役割を付与する

  • 最初の1000円札で牛、豚、鶏の肉類を購入する。
  • 2枚めの1000円札で魚1品と野菜を購入する。
  • 3枚めの1000円札で調味料を購入し、残額で不足分を補う。
  • 予め組んでおいた献立に合わせて肉、魚、野菜はチョイス。魚は傷みやすいので月曜のおかず、あとお肉と野菜で火曜日以降かな。
  • お店を周る順序はスーパー→鮮魚店、青果店→量販店とする。ただし先行するお店で掘り出し物があればそこで購入して後続の店をパスすること

要注意!! 予算1000円と値札の罠

ここで注意事項を1つ。当たり前のことなのですけどね。1000円札を持って買い出しに行っても僕らは1000円のものを買うことができません。商品を買える上限は925円くらいです。そう消費税がかかっちゃうのですよ。

これを書いているのは2019年の8月ですから消費税は8%で上の計算になるのですが、10%になったら買えるのは909円までになっちゃうなぁ。

で、スーパーの値札は外税(税別)で表記されているのでカゴの中の食材の値段を暗算して1000円弱だったら間違いなく予算オーバーになっちゃいますので気をつけましょう。

ではいざ戦場(=お店)へ。

最初の1000円

さて、スーパーにやってきましたよ。

買うのは1人暮らしの食材ですから狙い目は少量パックです。ここで今日のレシートで単価をチェック。

鶏もも肉:100g/98円

豚ももスライス:100g/110円

うっ、豚肉が思ったより高かった。鶏もも肉はグラム売りではなく1枚で売っているのでできるだけ小さいやつ250gくらいのやつを。豚肉は180gの少量パックを。ここまでで443円。あと482円。

牛肉は焼き肉にするならハラミが安くて美味しいのですが、汎用性を重視してミンチをチョイス。今日は買っていないけど安ければ100g198円くらいかな。200gのパックで残額86円。

おっ、解凍さんまが2尾で198円。これは……、買っちゃえ。ちょっと足が出ちゃいましたが鮮魚店をスルーすることにします。(注:解凍さんま2尾で198円は実話です。今日買ってきて冷蔵庫のチルドに収まっています

【ちょいテク】値引き暗算の極意

[問題その1]

298円のパックに30%引きの札が貼られています。値引き後の価格を暗算で計算せよ。

答えは208円~209円。はい、暗算で計算しました。

この暗算は298円✕0.7を計算しようとしちゃダメなんですよ。298円はあと2円足すと300円なのです。

なので、300円✕0.7より1、2円少ないと考えましょう。ほら暗算できたでしょ。

[問題その2]

264円のパックに20%引きの札が貼られています。値引き後の価格を暗算で計算せよ。

答えは211円くらい。はい、暗算で計算しました。

この暗算も264円✕0.8を計算しようとしたらすっごくめんどくさいのです。けどね、値引き札に書いてあるでしょ。「20%引き」って。本来、この計算は掛け算じゃなくて引き算すべきなのです。

つまり264円の10%は26.4円20%なら約53円。だから、264円ー53円=211円と暗算すれば良いのです。

ちょっとした豆知識ですが、カゴの中の合計額が今いくらくらいだろうというのを計算する時にとても役に立ちます。

【ちょいテク】レジ待ちの極意

あなたはレジの行列に並ぶのが好きですか?

って、愚問ですよね。僕だってキライです。長蛇の列を見るとうんざりしますし、早く自分の順番が来ないかなと思ってしまいます。

けどね、このレジ待ちの間に2つのことをやっておくと自分の順番が回ってきた時にスムースにスルーできるのです。

1つ目はかごの中の合計額の概算を暗算しておくこと。といっても千の位だけでOKです。

合計が2千円台になりそうか3千円台になりそうかだけ押さえておいて、それより1枚多い千円札を用意しましょう。札入れからその枚数分のお札を少しはみ出させる感じ。

店員さんがレジを打ち終わった時は用意したお札をすっと出すだけですぐに精算に入ってもらえます

2つ目は小銭入れの中から(あれば)5円玉を1枚、あとありったけの1円玉(MAX4枚)を出して手に握っておきましょう。

僕らはおつりの小銭を減らすためにしばしば1円玉を出して相殺してもらうことがあります。

出す1円玉のパターンは1~4枚のいずれか。なので4枚握っておけばどのパターンにもすぐ対応できます。更に5円玉を持っていれば買い値の端数が6円~9円の時にもぴったりの額を出してスムースにおつりから小銭を減らすことができるのです。

妙にイライラしながら順番を待っていて、いざ自分の順番が回ってきてからあたふたと財布の中身を確認しだしたらかっこ悪いですよね。

後ろの人にだって迷惑です。レジで待っている間は他にすることもありませんから、お金を払う準備をしておきましょう。

さて、1軒目の買い物が終わった次点で買い物額は1120円。ちょっと足が出ましたが鮮魚店はスルーするということで八百屋さんに向かいましょう。

2枚めの1000円

このブログを書き始める前の買い出しで、駅前の八百屋さんに行ってきました。この店は中央青果市場から直接仕入れてきているらしく。中間マージンが入っていないのでとにかく安いのです。以前、1房30円のバナナを見たときは目が点になりました。

とはいえ今年は長梅雨に酷暑が響いたのか野菜がとにかく高い!! ちょっとレシートを見てみましょうか。金額は外税(税別)です。

食材名分量値段
しいたけ6本95円
ピーマン6個75円
10個150円
かぼちゃ497g139円
にんじん3本115円
きゅうり3本115円
みょうが3本95円
大葉10枚45円
枝豆314g130円
徳用ミニトマト15個くらい135円
合計1094円
合計(税込み)1181円

あと、なぜかサラダ菜をおまけしてくれました。たぶん、盆休み(この店の盆休みは長い)を前にして在庫がだぶついていると察しました。こういうところも個人商店ならではの特典ですね。

表を見ればわかるように八百屋さんの商品の特徴は「種類が多い」、「単価が200円以下のものが多い(モノによっては100円以下)」です。なので、献立を意識しながら使いまわしの利くものを数点選べば1000円以下に抑えるのはわりと簡単です。

あと、肉と違って魚屋さん、八百屋さんは値動きが激しいです。同じ商品でも日によって何十円も差があります。ですので、何度も通って底値を把握し、「これは買い!!」という値段のボーダーラインを見極められるようにしましょう。

このシミュレーションでは汎用的な野菜に的を絞ってみょうが、大葉、枝豆を見送ることにします。合計額は890円(税込み)。

1軒目のスーパーと合わせてここまでで2010円の支出です。

【ちょいテク】野菜の賢い使い方

お肉は惣菜の主役──主食材となり得るアイテムです。けど、ステーキや焼き肉のような肉単体の料理に使うと1人前で150g~200g。4人家族なら600g~800gという恐ろしい量が必要になります。これでは家計が破綻しちゃいますよね。

野菜は主役にもなりますが脇役に徹することもできます。役者でいえば個性派俳優とか怪優なんて呼ばれる存在なのです。

なので献立を立てる時は「肉の一人芝居」ではなく脇役盛りだくさんのにぎやかなお芝居を考えましょう。

和食なら肉じゃが、筑前煮、豚汁。中華なら八宝菜、酢豚。洋食ならポトフ、カスレ(フランスの肉と野菜のトマト煮)、パエリアなどさながら群像劇のようににぎやかな料理をチョイスします。

これなら家計のコントロールも利きやすく(1点や2点食材を抜いても仕上がりに大きな影響はありませんから)、栄養価も多種類摂れる夕飯になります。

最後の1000円

さて、八百屋さんを出て格安量販店にやってきました。ここでの狙いは在庫が切れかけているオイスターソースと強力粉。

手持ちのメモにはスーパーの食品棚でチェックした「オイスターソース 255g 290円」という情報が書かれています(これもリアル実話でそのようにメモをしました)。

ちなみに僕の近所にある格安量販店は業務スーパー。安いだけじゃなく専門性の高い食材や道具が売られているのでお気に入りです。

で、中華調味料の棚をチェック。「オイスターソース 300g 125円」これは即買いです。あと、食パン用の強力粉が切れかかっているので、1kg 158円の袋をかごに投入。

合計額は305円(税込み)となりました。

これにて買い物終了。支出は2315円。やればできるじゃん。ま、これだけだとあまりにも潤いがないとあなたが思うならあとは予算の範囲内でお菓子を買うなりアイスを買うなりしてください(って、遠足のおやつ気分だな^^;)。

結論として

  • お店の特徴を活かして賢く使い分ける
  • 買い出しリストに載っていないものは買わない

を守れば予算内に収めることはそれほど難しいことではありません。

【ちょいテク】買い物記録のススメ

僕は「これは安い!!」と思った商品はメモを採るようにしています。メモする情報は以下の通り

  • 商品名(+製造元)
  • 分量
  • 買ったお店
  • 値段

こんな感じ。

この情報を整理分類してスマホからも参照できるようにしています。

で、お店で「安い!!」と思った商品に出会った時はいきなりかごに入れるのではなくこの情報にアクセスして本当に他店より安いかどうかを比較するようにしています。買うかどうかの判断はその結果次第。

見方によっては結構ヤらしい生活習慣ですが、文字通り生活がかかっていることです。シティーサバイバルの知恵と割り切っています。

めんどくさそうに見えて記録を残すのは大した手間ではありません。

そして一度残した情報はずっと活用できるのでオススメの習慣です。

究極の対決「まとめ買い」vs「都度買い」徹底研究。

週末などに「まとめ買い」するのが得か? 日々、思い立った時にお店に寄って買い物をする「都度買い」が得かがネットではしばしば論争になります。

果たしてどっちの方がお得で賢い買い方なのか?

僕なりの結論を最初に書いちゃいましょう。

  • どちらの買い方にしろメリットもあればデメリットもある。
  • あなたの性格やライフスタイルによってはそのメリットが全然役に立たなかったり、逆にデメリットが全然気にならない場合もある。
  • 2つの買い方の特徴を理解した上で、あなたのライフスタイルに合わせて賢く使い分けるのが吉

ネットでみかける意見って自分の「押し」がいかに買い出しを合理的かつ経済的にしてくれるか、対して「押し」じゃない方がいかにダメダメかを語る人が多い気がします。

僕に言わせれば「世の中良い事づくしのものなんてあるはずがない。あるというのならそれは胡散臭いと眉につばを付けるべき」じゃないのかな。

では2つの買い方のメリット/デメリットを洗い出してみましょうか。

まとめ買いのメリット/デメリット

僕もそうですが、平日は仕事で夜遅い人の買い物スタイルはどうしても週末のまとめ買いになりますよね。週に何度もお店に足を運ぶ必要がなく、僕みたいな怠け者にはぴったりの買い物スタイルと言えます。

では、まとめ買いにはどんなメリット/デメリットがあるでしょうか?

メリット
  • 家にストックがあるので仕事で疲れている中、わざわざ平日にこまめに買い物に行く必要がない
  • 天気の悪い日に買い物に行く必要もない
  • 特売の時にまとめ買いすれば生活費を節約できる
  • 自宅から離れたところにあるお店に行く場合、往復回数を減らせて楽。自動車で行くなら燃料費を節約できる
  • 週に何度も買い物に行かなくて良いので時間を節約できる
デメリット
  • 比較的食材をグロスで買うことが多いのでレパートリーが少ないと似た料理が続くことになる
  • 買う量を多めにしがちで食品ロスが生じ易い
  • しばらく買い物に来ないと考えてつい余計なものまで買ってしまう
  • 価格が変動し易い魚や野菜などは値段が高いタイミングで買ってしまうことがある
  • 毎日買い物に来るわけではないのでタイムセールなど抜き打ちの特売チャンスを逃し易い
  • 一度に買う量が多く、長く冷蔵庫で保存することになるので食材の鮮度が落ち易い

都度買いのメリット/デメリット

必要なものを必要なだけ都度買うというスタイルは食品ロスが少なく合理的な買い出しスタイルだと思います。

で、都度買いのメリット/デメリットですが、実はまとめ買いの裏返しなんですよね。

メリット
  • その都度必要なものだけ買うので食材のロスが少ない
  • 頻繁にお店に通っているので日によって価格が変動する食材を安いタイミングで買うことができる
  • 食材の消費サイクルが短く鮮度の良い食材を使った料理が楽しめる
  • 頻繁にお店に通うので適度な運動になる
デメリット
  • 必要最低限のものしか買わないので献立が決まっていないと何を買っていいかわからなくなる(とりあえずいろいろ買って使い回すというのに向かない)
  • 食材のストックが少ないので天気が悪くても買い物に行かないといけないことがある
  • 自宅から離れたお店に行く場合、何度も往復するのが負担になる。自動車で行くなら燃料費がかさむ
  • 頻繁に買い出しに行くのでトータルで買い物にかける時間は長くなる
  • 無駄遣いや衝動買いをしがちな人は都度よけいなものを買ってしまう。自分を管理できる人でないと向かない

対決の行方

ということで、「まとめ買い」vs「都度買い」の特徴からメリット/デメリットをリストアップしてみました。

で、結論を整理するとこんな感じかなと思います。

  • あなたが衝動買いや無駄遣いをしがちであればまとめ買いの方がオススメ。買い物に行く頻度が多い都度買いは不必要な出費がかさみ易いです。1週間で買い物に行く回数を絞ってコントロールしましょう。
  • 逆にあなたがマメな性格で自分を管理できる人であれば必要なものを必要なだけ都度買う買い物スタイルもありかな。
  • 基本的には買い出しスタイルをまとめ買いの方向に倒して買い出しにかける時間を短くしましょう。
  • 特に日持ちのする食材や調味料は週末などにまとめ買いするのがおすすめ。家にストックが少ないと体調が悪かったり天気が悪くても買い出しに行かなければならなくなるかも。あるいは、買い物がおっくうで無駄な外食をしてしまうかもしれません。
  • ただし、鮮度が命の魚や日持ちのしない野菜などは都度必要なだけ買って鮮度が落ちないうちにいただきましょう。

パート3のまとめ

■予算オーバーしないように買い物をするコツは2つあります。

  • スーパー、個人商店、量販店などお店の特徴を活かして賢く使い分ける
  • 買い出しリストに載っていないものは原則、買わない安くても買わない

■「まとめ買い」と「都度買い」を比較すると……

  • どちらが優れた買い出しスタイルというわけではなくメリットもあればデメリットもある
  • 両方の特徴を理解してあなたの性格やライフスタイルに合わせて賢く使い分けましょう。

【次回予告】

次回は「買い出しの呪いを祓う④」(今度こそ最終回)をお届けします。

予定している内容は

  • 買い出しから帰ったらすぐにやるべきこと
  • 買い出しの呪いを祓う② 総まとめ

です。 また、お付き合いくださいな。

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