「昭和の主婦の料理スキルはイマドキの主婦よりずっと高かった」
そんな意見をネットで見かけることがあります。
確かに、スーパーマーケットがまだ普及していなかった時代、魚屋で魚を1尾まるごと買ってきて自分で捌く主婦はいくらもいました。

出汁の素なんて便利なものはなかったので、昆布やかつお節から出汁を引く技術にも長けていました。
何より、調味料を正確に計る道具がまだまだ普及していなかった時代に、目分量で調理しても一口食べれば「あ、お母さんの味だ」と家族に言わせる料理が作れた──つまり、料理の再現力が高かった。

それらを勘案すれば「料理スキルが高かった」という意見に反対する人はあまりいないでしょう。
けど、顧みてイマドキの主婦は昭和の主婦に比べて料理スキルが劣っているかと言うと……
僕は「待った」をかけたくなります。
だって料理スキルを評価する指標はひとつだけとは限らないと思いますから。

昭和の主婦の料理スキルの高さは「基礎力(ゼロから料理を作るスキル)」という指標に基づくものだと思います。
冷食や中食、便利な調味料がなかった時代に、素材から料理を作り上げる技能に彼女たちは長けていました。
けれど、「応用力、合理性」といった指標は圧倒的に現代の主婦の方が長けていると思うのです。
現代の主婦の武器は情報です。
ネットなどを通して、昭和の頃の何十倍、何百倍の数のレシピに触れることができます。

それらの中から自分が欲しいものを取捨選択して今夜の夕飯の献立に応用する力は、昭和の主婦を凌駕します。
また、共働きが当たり前の彼女たちにとって時間は何より貴重なリソース。
最新の調理器具や調味料、時には中食、冷食も駆使して時短を図る合理性も侮れません。

ゆっくり丁寧に──けれど料理にたっぷり時間をかけていた昭和の主婦。
彼女たちが、たった数分でパパっと皿を並べてしまうイマドキの夕ごしらえの様子を見たら、目を丸くすることでしょう。
つまり、便利な道具や調味料、できあいのお惣菜の乏しかった昭和の時代は、ゼロから料理を作ることを要求されたので基礎力が鍛えられた。
仕事に追われて時間というリソースが乏しくなった現代は、応用力や合理性が鍛えられるようになった──
時代背景に合わせて求められるスキルが変遷しただけで、どちらの時代の主婦の方が料理上手かなんてことは一概に言えないんじゃないかな、というのが僕の意見です。

とはいえ、基礎力、応用力、合理性のすべてに長けた主婦がいるとすれば、それは最強と言えるでしょう。
たとえば、時短を旨とするイマドキの主婦の強力な味方のひとつは「中食」──できあいのお惣菜を買って帰ることです。
調理時間ゼロの中食は究極の時短アイテムといえます。
反面、中食は割高になりがちというデメリットもあります。

ならば、時間に余裕がある日は家にある材料でゼロから料理を作って家計を助けるのが合理的! スーパーのお惣菜の定番と言えるこんな料理の作り方は、知っておいて損はないと思うのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- ささみ:2本
- スライスチーズ:1枚
- 薄力粉:適宜
- 卵:1個
- パン粉:適宜
- 揚げ油:適宜
- キャベツ:1枚
- [調味料パート]
- コンソメスープの素、塩、ブラックペッパー:少々
【作り方】
- 揚げ油を180度に温めます。温まったら一旦火を切っておきます。 ※先に揚げ油を温めて、スタンバイしておけば工程2.以降の準備が整った時、すぐに揚げ始められます。
- 1.をやっている間に卵をよく溶きます。キャベツを1分半水に浸けて水気をよくふき取ります。 ※キャベツを切る前に水に浸けておくことでえぐみを抜くことができます。
- ささみの筋を取って、観音開きにします。スライスチーズを4等分して2枚ずつささみに載せます。これをくるくる巻いて、[調味料パート]→卵液→パン粉の順にまぶします。
- 3.が終わった時点で揚げ油の温度が下がっていたら再度火にかけて180度に温めます。これに3.を加えて3分揚げます(途中、1分半でひっくり返します)。揚げあがったらよく油を切ります。
- 4.と並行してキャベツを千切りにします。
- 4.を半分に斜め切りしてお皿に盛り付けます。これにキャベツを添えればできあがり。
【一口メモ】
- スーパーのお惣菜売り場で見かけそうですが、自分で作ればめちゃ安上がりです。しかも好みの味付けにできちゃうので自作するのがおすすめのお惣菜です。
- [調味料パート]にコンソメスープの素を少し加えることで風味がぐっと複雑になります。あと、カレー粉、粉山椒など好みのスパイスをプラスすればテイストが変わってまた楽しいですよ。
- 味付けは下味だけでも十分付いていますが、物足りない方はお好みでソースやケチャップなどかけてください。ただ、スライスチーズ自体も相応に塩分を含んでいますので塩分過多になりがち。かけ過ぎには注意しましょう。

