目次
計画に沿って食材の買い出しをする
食材の買い出しに出かける
さて、いよいよ食材の買い出しに出かけます。
出かける際のコツや注意点を書きますね。
- 空腹時に出かけないこと
できれば、お昼ごはんを食べた後などお腹を満たしてから出かけましょう。食欲というのは基本的な人間の欲求の1つでそれを抑えることはとても困難です。ましてや空腹時ならなおのこと。
そんな状態で食料がずらりと並んだお店に入ったら……
高確率でこうなっちゃいます。いらないものを衝動買しないためにもお腹を満たしてから出かけましょう。
家計を豊かにしてくれる8割ライフについて
腹八分目という言葉がありますがこれは支出に関しても当てはまると僕は思っています。つまり家計が10あるのであれば8で生活をまかなう感覚で支出をコントロールすると余裕のある生活が送れるのです。
例えばあなたの1ヶ月の食費予算が2万円だとします。なら、あなたはその8割(1万6千円)で生活するよう心がけて残りの2割(4千円)は何かあったときのために取っておくべきです。
この何かあったときのために取っておくお金のことをプロジェクト管理の用語ではコンテンジェンシー予備と言います。要はへそくりですね。
傘が壊れる、お皿が割れる、うっかり食材をダメにして買い直すハメになる、毎月毎月なにがしか思わぬ出費はあるものです。そういった時、追加のお金を銀行からおろすのではなくコンテンジェンシー予備から捻出すると自然に家計は楽になっていきます。
要はこの8割の予算が「身の丈にあった生活費」だと思えば良いのです。
2万円まるまる使い切る感覚で買い物していると不思議なことに給料日前にカツカツになったり赤字が出たりするものなのです。
さて、1ヶ月はざっと4週間ですからあなたが1週間で使えるお金はこの例では4千円ということになります。
あなたの買い出しスタイルが週末にまとめ買いする派であれば、更にその8割(3200円)の予算で週末の買い出しを済ませるべきです。キリ良く週末の予算は3000円としておきましょうか。こうすると平日に何か買い物がしたくなってもまだ使って良いお金が1000円残っていることになります。
ということで、週末に買い出しに行くときにはお財布から一旦お金を全部出して千円札を3枚だけお財布に入れて出かけましょう。
こうするともっと買い物がしたくても財布には3千円しか入っていないので抑止が利いて無駄な買い物が減るのです。
あ、「3000円ぽっちで1週間暮らせるわけないよ!!」というツッコミはなしですよ。あくまで計算しやすい例として挙げているだけであなたの1ヶ月の食費予算が4万円ならこの倍で考えてください。
ちなみに僕は単身赴任でひとり暮ししていた時は1か月を25000円で食費と日用雑貨を賄っていました(お酒と外食は別勘定で自分の小遣いからでした)。
大事なことは予算を決めてその8割を使う感覚で生活をするということです。あればあるだけ使ってしまうというライフスタイルを改めると自然と経済的な余裕が出てきます。
僕らは小学生の頃には当たり前にこれができていたハズなのです。たいていの子供はお小遣いをふんだんにもらっていたりしません。なので、「今日は駄菓子屋に行くべきじゃない」といったコントロールをあなたもやっていたのではないでしょうか。
それが社会人になって手持ちのお金の額が小学生の頃とは文字通り桁違いになったらなんだか使っちゃうんですよね。けど、家計のやりくりは実は小学生のお小遣いの管理と何も変わっていないのです。
なので、家計のやりくりに困ったときには小学校の頃の自分を思い出すとヒントをもらえるかもですよ。
予算をオーバーしない買い物ライフのコツ
とは言っても、お金は持っていると使いたくなるのが人情です。
なので、予算オーバーしないためにするべき3つのステップについて解説しておきますね。
ステップ1:1ヶ月分の予算は給料日直後に全額おろして、あとは銀行に寄り付かない。
これは家計のやりくりを解説したブログによく書かれているテクニックです。一旦、生活費をおろしたらそれ以上、銀行に預金なんてなかったと思い込んで暮らしていくのです。泣いても笑ってもこの封筒に入っているお金で1ヶ月暮らしていくのだ!! と、腹をくくりましょう。
ステップ2:予算を生活費とコンテンジェンシー予備に分けて別の封筒にしまっておく。
おろしたお金をひとまとめにしておくとついつい使ってしまいがちです。封筒を16000円(生活費)と4000円(コンティンジェンシー予備)で別々に分けて、できればコンテンジェンシー予備の方にはでっかく「へそくり」なんて書いておきましょう。
で、封筒をしまっておく場所も分けて、コンテンジェンシー予備の封筒は手の届きにくいところ(取り出すのがめんどくさいところ)にしまっておくと更に効果的です。
ステップ3:生活費を更に4等分してクリップで別々に留めておく。
1ヶ月分の生活費は更に4等分してクリップで別々に留めてから封筒にしまいましょう。で、1週毎にクリップを外してお財布に入れて買い物に行きます。
予算オーバーしないための3つのステップをご紹介しましたがどのステップにも共通する意図(企み)があります。それは……
自分に禁忌感を植え付ける。
ということです。平たく言うとそれをすると後ろめたく感じるように自分にトラップを仕掛けているわけです。
たいしたことないように見えて小さなクリップ1つがあなたの袖を引っ張って無駄遣いするのを引き止めてくれることだってあるんですよ。
予算内で買い物ができたら
頑張ってやりくりして3000円でお釣りが返ってくる買い物ができたら、そのお釣りは翌週の予算に積むのではなくコンテンジェンシー予備(へそくり)の封筒にしまいましょう。
「ええっ、今週は頑張ったんだから、来週はちょっと贅沢したって良いじゃん」と思うかもしれません。けどね、一度贅沢をしちゃうとそのまた翌週から3000円生活に戻るのは思っている以上に大変なんですよ。
毎週毎週、決まった金額内で暮らす習慣をつけること(経済観念を自分に植え付けること)が大事なのです。
で、月末までにコンテンジェンシー予備(4000円)+アルファのお金を残すことができたらこれは家計とは別の口座に預けちゃいましょう。
1ヶ月に4000円プラスアルファとはいえ、1年で48000円以上の貯金ができます。それで家族と旅行に行くのも良し。恋人と美味しいものでも食べに行くのも良し。それこそ自分へのご褒美として使って良いんじゃないかな。
自分へのご褒美はせいぜい年に1、2回。それが、ご褒美のありがたみをアップさせるコツなのです。
その他、上手な買い出しのための心得について
お店選びについて
食材や調味料を買うお店はスタイルによって大きく以下の6つに分類されます(2019年現在の話です。これからもっと多様化するかも)。まずはあなたの町や通勤定期で行ける圏内にどんなスタイルのお店があるかを調べて、できるだけ幅広い「行きつけの店」を開拓しましょう。
その上で、お店のスタイルごとの特徴を理解して賢く使い分けるのが上手な買い出しのコツです。
スタイル | 特徴 |
スーパーマーケット | 商品の幅が広く1店でほぼ全ての買い物を終えることができる。商品をグロスで仕入れるので値下げが利きやすく特に特売品は魅力的。反面、肉などはパック売りが中心のため分量があなたの希望と合わない場合がある。 |
専門店 | 輸入食材専門店、製菓材料専門店などその店でしか手に入らないニッチな食材、調味料が売られていることが最大の魅力。反面、値引率は低く定価に近い値段で売られていることが多い。なので、スーパーなどでも売っている汎用的な商品はスーパーのほうが値段が安い場合が多い。 |
個人商店 | 鮮魚店、精肉店、青果店など品揃えはスーパーに劣る場合もあるが、独自の仕入れパイプを持ちスーパーに負けない安価で売られていることも往々にしてある。また、店主は商品に対する専門知識が豊富で目利きは確かな場合が多く、鮮度が重要視される食材の品質では他店の追随を許さない場合も多い。あなたのコミュニケーション力を存分に発揮して店主と仲良くなっておくと思わぬ「おまけ」が手に入ることもあるかも。 |
格安量販店 | 業務スーパー、ドンキホーテ、コストコなど価格の安さをウリにしたお店。業務スーパーのように他店で売られていない専門性の高い食材、調味料をそろえて差別化を図っているお店もある。価格は安いけど量も多く買っても、もてあます可能性あり。日持ちのするものに絞ってまとめ買いするのに向いている。 |
コンビニエンスストア | 徒歩圏内にオープンしていること深夜でも開いていることが一番の魅力。熱でダウン中など遠出をしたくない時には非常に助かるお店。また、近年惣菜等のラインナップに力を入れているお店が多く、味は専門店に劣らないものも多々ある。反面、値引率は低くほぼ定価で売られているので日常的に使うと経済的ではない。応急的な買い物に使うのがオススメ。 |
ドラッグストア | 最近は食料品や飲料の品揃えに力を入れ総合力で勝負するお店が増えている。1店舗で化粧品、ベビー用品から食料まで買えるので子育て中のお母さんなどにはありがたい存在。深夜までやっているお店も多く徒歩圏内にあるとコンビニ同様の利便性がある。価格もスーパーと遜色のないものも多く、コンビニを脅かす存在になりつつある。反面、食料は完成品または半製品(冷凍食品など)が多く食材、調味料、惣菜などの品揃えはスーパーに劣る。 |
買い出しに使うバッグについて
自動車で買い物に出かける場合は気にする必要がないのですが、徒歩や自転車で買い出しに行く場合は買った食材や調味料を持ち帰るためのアイテム選びは重要になります。僕的にはこれがオススメ。
そう、リュックサックです。背中に背負うスタイルなので腰に負担がかかりにくくお米を買ってもらくらくと運べます。また、両手が塞がらないのもポイント高し。自転車で買い出しに行くときは特にありがたいツールです。
収容量はできれば30リットル以上の大きなものを選ぶのがコツ。「ウソっ」ってくらいモノが入りますよ。ちなみに、僕は奥さんにプレゼントしてもらったAdidasのリュックを10年以上愛用しています。丈夫で長持ちなのが気に入っています。
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あと、上級編のワザを1つご紹介。リュックのポケットにはこれを1つ入れておきましょう。
スーパーのビニール袋(大)を三角に折りたたんだものです。予想以上に買い込んでしまってリュックのキャパをオーバーしてもこれが1つあれば大丈夫。また、自転車で買い物に行った時、買ったものはリュックに入り切るけど重たい場合はこの袋に半分分けて前かごに入れると重量のバランスが良くなって自転車を漕ぐときの安定感が増します。
お店で買い物中に気をつけること
さて、あなたはお店に着きました。
店先で、買い出しリストを見直して、このお店で買うべきものを再確認しましょう。
で、リストにあるものをカゴに入れたらさっさと精算を済ませてお店を出る──これが基本です。
僕の買い物スタイルは本当にこの通りで家族に呆れられています(^^;
「ええっ、味気ない。せっかく来たんだからもっと見て回ろうよ」
と、あなたが思うのならご随意に。下手に僕の真似をしても変なストレスがたまるだけですので^_^
とまれ、買い物中のコツを解説していきましょう。
買い出しの適量について
まずは買い出しの適量について。1度に買う食材にはその人の身の丈にあった適量というものがあります。
適量の基本的な目安は1回で使い切れる量です。
あなたが1人暮らしでお肉を買うなら120〜150gのパック。2人家族なら200〜300gのパックが適量です。
もっとたくさん買って冷凍しておけばいいじゃん」とあなたは思うかもしれません。けどね、冷凍庫の中身って忘れられがちなんですよ。で、ついつい冷凍庫にあるものをまた買ってしまったりします。
つまり、食材の在庫管理が甘くなるのでおススメしません。それに食材の買い出しの周期は長くてもせいぜい1週間。
なら、今週は1回で使い切れる分を買って来週欲しければ新しいのを買う方が1週間前の冷凍肉を使うよりいいじゃないですか。
値札の読み方について
次に値札の読み方に気をつけましょう。
スーパーのお肉や魚のパックには2つの値段が印刷された値札が貼られています。
100g ××円と書かれた単価と
それに食材の重さを掛けた売価です。
例えば、こんなお肉のパックがあったらどちらを選ぶでしょう。
a)100g 98円。500g入り490円。
b)100g 128円。200g入り。256円。
一見a)は倍以上入っていて単価が安い分、お得な気がするかもしれません。でもちょっと待って。500gのお肉は結構な量です。あなたは何人でそれを食べますか?
あなたが4人家族ならa)もありかなと思います。けど、2人家族ならb)をおススメします。先に書いたように1度で使いきれないから。
あなたが1人暮らしなら僕は全力でa)を買うのを止めます。お肉を4つに小分けして週に1つずつ使うとしたら最後の小分けを使うのは3週間以上先になります。
いくら冷凍しているとはいえ、味が落ちていると思いませんか。
ジャンボパックは少なくとも1〜2暮らしの人にとってはお買い得じゃありません。a)とb)をこんな風に見直してみて下さい。
a)のパックを買うと財布から490円出ていく
b)のパックを買うと財布から256円出ていく
どっちのパックが、あなたの今週の予算から出ていく支出が少ないかは一目瞭然です。あなたの家族構成が少人数の場合は単価に惑わされず、売価を見て買うのが賢い買い出しのコツです。
魅力的な商品に出会ってしまったら
それでもお店の中を回っているうちに、どうにも魅力的な商品に出会うことが往々にしてあります。
本日限り! 期間限定!! 年間最安値!!!
なんて煽り文句を見ると「どうせいるんだから買っとくか」と思いたくなりますよね。
こういった時はこう対処することにしています。
ステップ1:華麗にスルーする
一番良いのは見なかったことにして通り過ぎてしまうこと。そんな商品なんて始めからなかったんだと自分に言い聞かせることです。
ステップ2:定番化できるか吟味する
せっかくスルーしたのに、忘れようと努力したのに。まるで磁石に惹き寄せられる砂鉄のようにまたその商品の前に来てしまった……。ここまでくると恋煩いですね。なら、その商品が我が家の定番になりうるかどうか吟味してみましょう。
モノが醤油や砂糖など明らかに使い切ってしまう自信のあるものなら買っちゃえ!! あとで、家に帰って「なんであの時買わなかったんだろう」と一生(どんだけ!?)後悔し続けるより精神衛生上マシです。
けど、モノが聞いたこともないソースだったり、食べたことのない食材だったらちょっと立ち止まって!!
本当に「それ」を使いきれるかどうか、「それ」を使い切ってパッケージをゴミ箱に捨てている自分をイメージしてみましょう。
そして基本的には買うのを止めときましょう。
ステップ3:それでも欲しくなったら
再びスルーしたはずなのに、また「それ」のある棚に戻ってきてしまった……。もはや、かなり重症の恋煩いです。重態と言っても過言ではないかも。
こうなったら仕方ない、勢いで買っちゃえ……。……、……、……。
いえ、まだまだダメです。「それ」をどう調理するのか。何の料理に使うのか。何回で使い切れるのか。使い切るまでにどれくらいの期間がかかるのか。きっちりシミュレーションしましょう。そして、間違いなく使い切れると確信できるまで吟味しましょう。
で、使い切れると確信できたら最後に値札を見てお財布に見合うか確かめましょう。こういった買い物は値段は最後です。それ以前に本当に使いこなせるのか、無駄にしない自信があるのかを確かめるほうが先。
例えば僕は以前、クスクスを買ったことがあります。クスクスは北アフリカなどで食べられる小麦粉から作られる粒状の食べ物です。確かに一度は正調の料理に使ったのですが、その後使い所がなく数年間、ずっと棚に放置されていたことがあります。
これは買った人にとってもクスクスにとっても不幸なことですよね。
パート2のまとめ
今回は立てた計画にそって実際に買い出しに行く際のコツやテクニックについて解説しました。
ちょっと、エッセンスをまとめておきましょう。
- 食材の買い出しは食事の後に出かける。けっして、空腹時に出かけてはいけない。
- 生活費の8割で暮らすことを心がける
- 生活費が予算オーバーしない3つのステップを踏む
- お店のスタイル毎の特徴、メリット/デメリットを理解して賢く使い分ける
- 徒歩や自転車での買い出しアイテムにはリュックがオススメ
- 家族構成に合った買い出しの適量分だけ買うことを心がける
- あなたの家族構成が少人数なら値札は単価ではなく売価を見て買うようにする
- 魅力的な商品に出会っても買う予定がなければスルーする。それでもどうしても欲しくなったら「それ」を使いきれるかどうかきちんと脳内でシミュレーションしてから買うかどうかを決める
【次回予告】
次回は「買い出しの呪いを祓う③」をお届けします。
予定している内容は
- 週末の買い出し、3000円の大冒険。果たして3000円で1週間分の食材は買えるのか???
- 究極の対決「まとめ買い」vs「都度買い」徹底研究。
- 買い出しの呪いを祓う まとめ
などです。