僕が初めてこの食べ物の名を目にしたのは手塚治虫の『アドルフに告ぐ』ででしたから、戦前からある食べ物ということになります(読み返してみると正確には「一銭定食」と書かれていました)。
懐に入れたまま忘れていたという描写がありますので当時は紙などに包んで携行できるスタイルだったようです。
一銭洋食は水で溶いた小麦粉にネギなどの具材を加えて鉄板で焼いたものでソースをかけて出来上がりとなります。
誕生したのは大正時代のようですが、当時はソースをかければなんでも洋食と呼ばれていたようです。
いわばお好み焼きのご先祖様的食べ物ですが、誕生したのは関西というのは言われなくてもなんとなく想像が付いちゃいますね^^;
京都の祇園には今でも壹錢洋食なるお店がありましてこれを食べることができます。
但し、具材はかなり豪華になっていて牛すじの煮たやつなど肉系も入っています。
お値段はさすがに一銭ではなくて(って、払える硬貨を持っている人がいないし)680円だそうですが、如何にもジャンクな濃い味で結構美味しいのです。
外国人観光客にも人気の料理の一つみたいですね。以前、京都に行った時は残念ながら寄る暇がなかったので家に帰ってから自作してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- キャベツ:2~3枚
- 好みの具材:こんにゃく、ネギ、桜海老、天かすなど
- 卵:1個
- お好み焼きソース:適宜
- マヨネーズ:適宜
- 削り粉:適宜
- 青のり:適宜
[生地パート]
- 水:60g(60cc)
- 薄力粉:27g(大匙3)
- 片栗粉:9g(大匙1)
【作り方】
- キャベツは千切りにします。こんにゃくは下茹でして7mm角程度の乱切りにします。[生地パート]をボウルに合わせてよく混ぜておきます。
- フライパンにサラダ油少々(分量外)を入れて強火にかけ緩んだらキッチンペーパーで薄く伸ばします。火を中火にして[生地パート]を流しいれお玉で薄く伸ばします。
- 2.にキャベツと好みの具材を均等に敷き詰めます。中央に卵を割り入れます。
- 生地が焼けてほぼ乾いてきたら生地を半分に畳んでヘラでぎゅっと押しつけ生地を上下でくっつけます(この際、卵も潰れて全体に広がります)。
- 4.に蓋をして2分ほど焼けばできあがり。お皿に盛ってソース、マヨネーズ、削り粉、青のりをお好み焼きの要領でかけて戴きます。
【一口メモ】
- 生地はお好み焼きに比べてかなり薄目でもんじゃ焼きかクレープに近いです。片栗粉を入れているのでもちもちした食感なのが楽しいです。
- 原価は安いわりに腹持ちは良いあたり、大正時代の関西人の心意気を感じます。
- お肉系を入れなければカロリーもあまり高くならないと思うので夜食に戴くのもありかも。