2010年代前半くらいからブームが始まった「異世界転生もの」と呼ばれるライトノベルのジャンルがあります。
ざっくり言うと何らかの理由、きっかけで現代人(主に日本人)が中世ヨーロッパ風の異世界に行ってしまって活躍するお話です。
1979年に映画化された「戦国自衛隊」は自衛隊の一個小隊がまるごと戦国時代にタイムスリップして現代武器を使って無双する話でしたが行く先が過去ではなく異世界に変わったものと考えるとイメージし易いでしょうか。
異世界転生もののストーリーはいくつかの類型に分けられますがその中でも現代で習得した知識、技能を使って無双する戦国自衛隊パターンのお話は王道中の王道で人気があります。
曰く……
- 街の洋食屋の店主が出す料理に異世界人が驚嘆しつつ舌つづみを打つお話
- 世界トップクラスの外科医が転生先の小さな医院でメスを振るうお話
- 料亭で修行を積んだ店主が開業した居酒屋が異世界に繋がって王侯貴族までが常連になる店になり上がっていくお話
- 軍事オタクが第二次世界大戦のヨーロッパ風世界に転生して百戦百勝の将校に成り上がるお話
などなど変わり種では錦糸町にあるキャバクラが店ごと異世界に転移してヒロインのキャバ嬢がそっちの世界でナンバー1を目指すなんてお話まであったりします。
ホントなんでもありだなw
文化レベル的には数百年くらい前の人々が現代人なら誰もが知っている知識や技能に驚愕するのを読者はワクワクにやにやしながら眺めるというのがストーリーの肝なのですがふと冷静になって考えるのです。
「この主人公たちって現代で暮らしている時からめっちゃ有能じゃね?」
例えば転生したのがただの一般人だった場合、目の前にけが人がいたとしても傷ひとつ治せません。
知識としてそういう病気があることは知っていても治療の仕方も薬の作り方も何一つわかりません。
同様にただの一般人は毎日のように外食していたとしても飲食店の厨房に立ってその料理を作れと言われたら……
無理ゲーですね。
そう──異世界で生き抜くための一芸をたいていの人は何も持っていないのです。
とはいえたいていの人は死ぬまでに異世界に転生することはまずないので(てか絶対ないので)慌てて外科手術の勉強をしたり料亭の門をたたく必要はないのですが実は異世界転生と似た状況に放り込まれることなら実際にあります。
たとえばキャンプ。
火の起こし方、限られた材料と機材ならではの料理のテクニック、夜の過ごし方などなど。
知識として知っているかどうかはもちろんできればやったことがあるかどうかでキャンプライフの快適さには大きな差が生まれます。
あるいは入社した会社の営業車が古くてミッション車しかなかったなんて場合、オートマ限定の免許だと自転車で営業する羽目になるかもしれません(ってなるかなぁw)。
とまれ何ごとも一歩一歩。
たとえば麻婆豆腐の素がなくても麻婆豆腐が作れるようにてんぷら粉がなくても天ぷらが揚げられるように。
自分にできる技能をひとつずつ増やしていくことは意義あることだと思うのです。
【材料】(この量で揚げ種10~12個くらい揚げられます)
-調理時間:3分(粉を冷蔵庫で冷やす時間は含めていません)-
- 薄力粉:36g(大匙4)
- 片栗粉:9g(大匙1)
- マヨネーズ:4g(小匙1)
- 水:60g(60ml)
【作り方】
- 薄力粉と片栗粉を合わせて冷蔵庫で冷やしておきます。同様に別の器に水を入れて冷蔵庫で冷やしておきます。
- ボウルにマヨネーズと冷水を合わせて菜箸を突っ込んでよく混ぜます。これに1.を加えてさっくり混ぜればできあがり。粉を加えたら混ぜ過ぎないように少しダマが残るぐらいで止めてください。
- てんぷら粉を合わせたら速やかに揚げ種を浸けて揚げて始めてください。時間が経つと衣が重くなっていきます。
【一口メモ】
- さっくりした軽い衣に仕上がって市販のてんぷら粉とそん色ありません。わざわざてんぷら粉を買ってこなくても家にある粉で作れちゃうんだなぁと改めて思いました。
- 「あれ、卵を使わないの?」と言われそうですがちゃんと使っています。マヨネーズの主成分は卵と油(あと酢と塩)なのでこの配合でちゃんと卵入りの衣になるのです。
- 材料を冷やすのは衣にグルテンを多く作りすぎないようにするためです。グルテンは薄力粉に含まれるタンパク質の一種で温度を下げるとできにくくなる性質があります。グルテンは水と混ざると粘り気を出します。すると衣が重くなり、サクッと仕上がらない原因となるため、できるだけ粘り気を出さないように気を配る必要があるのです。
- 同じ理由で粉を合わせて時間が経過すると衣の中のグルテンの量が増えてしまいます。段取りとしては先に揚げ種の下ごしらえを済ませて天ぷら油を温めてから粉を合わせてください。粉を合わせたら即揚げ種を投入して揚げ始めるとさっくり仕上がります。