僕が生まれ育った国「日本」の良いところはいろいろありますが一つは四季がはっきりしているところ。
季節の移ろいを感じられることだと思っています。
春が過ぎれば夏が来て──
と書くと昭和の歌謡曲かニューミュージックじみて聞こえますが秋が過ぎ、冬が過ぎてまた春が来ることで僕らは1年が経ったんだと実感することができます。
実は40代の頃にちょっと大きな病気をしまして長期の入院生活を余儀なくされた時期がありました。
で、その頃病室の窓から庭に咲く桜を眺めながらしみじみこんなことを考えました。
『今日、明日にどうこうということは多分ないけれど来年の春に僕が生きているかどうかはいささか心もとない。となれば僕が今見ている桜は見納めになるかもしれない』
そんな風に考えると何の変哲もないソメイヨシノの花が特別なものに思えてきたのです。
幸い医学の進歩は素晴らしいもので病気は完治して2024年4月22日には還暦を迎えるまでになりました。
けど今でも桜を見る度に「これが最後かもしれない」という想いが脳裏をよぎるのがクセになっちゃっています。
病気のおかげで季節をめでる楽しみ方を覚えたのですから入院生活も悪いことばかりではなかったなと振り返って思います。
なんか湿っぽい話を書いてしまいましたが何が言いたかったかと言うとせっかく四季折々を楽しめる国に生まれたのだから思いっきり四季を楽しまなくちゃ損だと言うことです。
なので僕は日々の食事でもできるだけ旬のものを──今の季節でしか楽しめないものを夕飯の献立に盛り込むようにしています。
冷凍技術の進歩で1年中出回っているような気もしますがホタルイカの旬は春。
特に産卵直前の身の張っている4月前後が美味しいとされます。
甘酸っぱいつゆに浸した小さな海の幸を食しながら今年も春を満喫させていただきました。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- ボイルホタルイカ:100g
- すし酢:15g(大匙1)
- 鷹の爪:半本
- 生姜:スライス2枚
- 乾燥わかめ:ひとつまみ
【作り方】
- 鷹の爪はキッチンバサミで小口切りにします。生姜は針生姜にします。乾燥わかめは水(分量外)に浸けて戻し、ざるに揚げて水気をよく切ります。
- 全ての材料を器に合わせればできあがり。
【一口メモ】
- ホタルイカは辛子酢味噌で戴くのが定番ですが甘酸っぱいつゆの風味はちょっと新鮮でした。おかずにもなりますがこれはやはりお酒が欲しくなりますね。
- 市販のすし酢はとても使い勝手の良い万能調味料です。こんな風に食材を漬け込めば酢漬けを手軽に作ることができます。それ以外に野菜などの炒め物に使っても美味。炒め物にする際は小口切りにした鷹の爪を加えてピリ辛にするのがおススメです。
- そのままでも美味しいですが時間に余裕があればできれば冷蔵庫で冷やしてから戴いてください。より酸味が感じられて楽しいですよ。
- スーパーでホタルイカを買うと辛子酢味噌が付いていることがよくありますがこの料理を使っちゃうと残ってしまいます。それを野菜や魚介のドレッシングとして流用するともう1品作ることができますよ。