数ある古畑任三郎シリーズの中でも明石家さんま演ずる弁護士回がけっこう好きです。
犯人が陥落するヒントは、かなり前から目の前にぶら下がっていたのにラスト、古畑任三郎が指摘するまで気づきもしなかった衝撃のラストも良かったな。
ドラマの冒頭でさんまが少し視力の良くない検察側の証人を遣り込めるシーンが印象的でした。
「あの机の上にあるものを順番に言ってみてください」
ボールペンだのメモ用紙だの言い当てる証人が「おしぼり」と言ったところでさんまが食いつきます。
「おしぼり? あれが……おしぼり。はぁ、そうでっか」
もったいを付けながらさんまは《それ》を取り上げます。
「これ、バナナなんです。あなた、まさか法廷にバナナなんかあるはずないと思わはったんでしょ。だからこんな立派なバナナをおしぼりだと言った」
さんまは裁判長の方を向き直ってこう言います。
「裁判長。私が証明したかったのは2つ。人は思い込みをする生き物やということ。そして、このおばはんの証言はアテにならんということ。以上です」
犯人の強かさを印象付ける名シーンでしたね。
このエピソードが示すように人は先入観で物を見る生き物です。
グラタンに白いソースがかかっていれば10人が10人、小麦粉とバターで作ったホワイトソースだと考えるでしょう。
けど、一口食べてみてください。
「なんじゃこりゃ」というのでは? このとろみ、この粘り──馴染みのあるでんぷん質の風味。
これ……もしかしてお餅? とびっくりすること請け合いです。
【材料】(2人分)
-調理時間:8分-
- 餅:1個
- 牛乳:300g(カップ1.5)
- コンソメスープの素(顆粒):4g
- ホワイトペッパー:少々
- お好みのスパイス:クローブ(パウダー)、ナツメグ、シナモンなど
【作り方】
- お餅を薄くスライスして更に細かく刻みます。
- 小鍋に全ての材料を合わせて中火にかけひと煮立ちさせます(吹きこぼれ注意)。火を弱火にして泡立て器でかき混ぜながら餅が溶けてとろみが付くまで5分ほど煮込めばできあがり。
【一口メモ】
- お餅を使っているので日本人には馴染みやすいソースだと思います。特にご飯を使うドリアなどのグラタン料理におススメです。
- 小麦とバターにじっくり火を通してから牛乳で伸ばす本家ホワイトソースと違い、材料を全部合わせて後は5分ほど混ぜ続けるだけ。意外とお手軽に作れるのも嬉しいところ。
- 腹持ちが良いのもこのソースの身上。残業必至な日のランチにもおススメです。
- 牛乳を豆乳に替えれば植物性の素材オンリーのソースにすることもできます。バターや牛乳を使う本家ホワイトソースとは真逆のヘルシーさ。けど、食べた時の満足感は負けていませんよ。