僕は食の細い子供でずいぶんと母を手こずらせていた記憶があります。
放っておくとまるでご飯を食べようとしないのですから。
そこで母は僕にご飯を食べさせるべくいろいろと工夫を凝らしたり僕の好物を探ったりしていたみたい──ホントありがとうご
ざいました。
その模索の中でどうやらこの子は白いご飯は好まないが味が付いたご飯は気に入って食べるらしいということに母も当の僕も気づきました。
そこで缶詰のお魚フレークを混ぜ込んでみたり、ふりかけを振ってみたりという作戦に出る母。
すりおろしたとろろをご飯にかけて醤油を回しがけるとろろご飯も僕の好物でした。
ちなみに我が家でとろろをすりおろす時はおろし金など使いません。でかいすり鉢に山芋を突っ込んで一気にすりおろすのです。
なにせ実家は7人家族。まどろっこしいことはやってられなかったのでしょう。
長じてこのとろろご飯は「山かけ」と呼ぶんだよであるとか、マグロのぶつ切りを一緒に載せると旨いとか、仙台では麦飯でこれを作って焼いた牛タンと一緒に食べるのが定番だとか、山芋ご飯にまつわるいろいろなことを覚えました。
それでも僕はとろろのかかったご飯はシンプルにとろろだけかかったやつが良いなぁとか思っちゃうのです。
子供の頃の刷り込みは偉大だな。
【材料】(1人分)
-調理時間:3分-
- ご飯:1膳分
- 山芋:4cmくらい
- 濃口醤油:適宜
【作り方】
- 山芋は皮を剥いてすりおろします。
- ご飯をお茶碗にもりすりおろした山芋をたっぷりかけ、その上から醤油をお好みの量回しがければできあがり。がっとよくかき混ぜて戴きましょう。
【一口メモ】
- なんか懐かしい味です。けど、美味しいだけじゃなくてこれ栄養満点なんだよ。
- 近頃は卵かけご飯専用醤油というものが売られています。醤油の代わりに使うと風味がぐんとグレードアップしますよ。あるいは納豆のタレをかけても美味しいです。
- お好みで青のりや鰹節、胡麻などを振っても美味しいですよ。