戦後、安価なブロイラーが出回るまで鶏肉は他のお肉同様高級食材でそれを使ったお惣菜はご馳走の部類でした。
なので飼育方法や飼料などについて悪く言われる一面はあるにせよブロイラーは肉料理を身近に引き寄せた立役者であったことは間違いありません。
身近になった分、頻繁に鶏肉を扱うようになって部位によってクセが違うことも知られ料理に向き不向きがあることも知られるようになりました。
例えば脂身の多いもも肉はたっぷりの油で揚げる唐揚げなどに向いています。
肝は苦味があって苦手な人も多いですが濃いめの甘辛な味付けに負けない強い風味を持っているので煮付けに向いています。
そして淡白な風味の胸肉はクセがない分、幅広い料理に使える部位です。
蒸して野菜と合わせればサラダになりますし、煮物にも向いています。
本来、もも肉の真骨頂である揚げ物も低カロリーさがダイエットが気になる人達にウケていたりします。
そんなオールラウンダーな胸肉にも弱点はあります。
それは火を通し過ぎると身がぱさつくこと。
なのでレンチンで火を通すなんていう火力調整の利かない調理法はオススメしません。
胸肉の調理ではいかに柔らかく火を通すかで仕上がりに雲泥の差が出てしまうのです。
その対策はいくつかありますがひとつは低温で火を通すこと。
炊飯器の保温モードを使って約70度の低温で時間をかけて火を通せば身はしっとりと仕上がります。
他にも火を通す時間を短めにすること。
沸騰させた湯に放り込んで3分ほど弱火で煮込み、あとは火を止めて余熱でじんわりと芯まで火を通す。
このやり方でも身はぱさつきにくいです。
それ以外にも……例えばこんな方法があるのです。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 鶏むね肉:1枚(約300g)
- 片栗粉:18g(大匙2)
- 青梗菜:2株
[調味料パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- オイスターソース:18g(大匙1)
- 酢:15g(大匙1)
- 砂糖:9g(大匙1)
- ごま油:4g(小匙1)
- 水:150g(カップ3/4)
- おろしにんにく:ひとかけ分
【作り方】
- 鶏肉は半分に切り更に5、6等分のそぎ切りにします。これに片栗粉をまぶしてよぶんな粉ははたき落としておきます。青梗菜は根本を落として葉と茎に切り分け茎は更に4つ割りにします。
- フライパンに[調味料パート]を入れて強火でひと煮立ちさせます。これに青梗菜の茎を加えて1分煮ます。
- 2.に鶏肉を重ならないように並べ上から青梗菜の葉をかぶせて弱火で2分煮ます。フライパンの中身をざっくりとひっくり返して煮汁を絡ませればできあがり。
【一口メモ】
- 定番の中華の味付けですが定番だからこそ飽きがこない味でもあります。何よりじんわり蒸し焼きにされた鶏肉の身がしっとりとしているので食感の良い一皿です。
- 調理のポイントは青梗菜の葉で蒸し焼きにして弱めの火力で鶏肉にじんわり火を通すこと。身がぱさつかずしっとりと仕上がります。
- 具材は他にもあり合せの野菜や茸などを加えてください。栄養価の高い皿へとグレードアップしますよ。
- 鶏肉の代わりに白身魚やシーフードミックスを使っても美味しく作れます。