以前、視聴者参加型のバラエティ番組で「あなたのIQ計ります」みたいなのをやっていました。
番組内で次々に出題される問題を解いていき最後に答え合わせをすれば自分のIQが分かるといった趣向の番組だったと思います。
この種のバラエティのお約束で「〇〇代表」みたいなチームがスタジオに集結していましたっけ。
「現役東大生」軍団なんてのはいかにもなのですが「巨乳グラビアアイドル」軍団というのはちょっと笑った。
え?
何??
おっぱいが大きい女子はIQが低いだろうって決めてかかってる?
その先入観はいかがなものか。
ま、単なるネタで彼女たちもそれでギャラをもらって仕事しているのですから目くじら立てるようなことではないのですが……
人って見た目や名前の印象から勝手な先入観を持つもんだよなぁと思った覚えがあります(ちなみに巨乳軍団のIQはけっこう高かったw)。
料理の世界でも勝手な先入観を持たれちゃっている皿がちょくちょくあります。
例えば「スパゲティ・アラビアータ」。
名前の響きからか、アラビア風のパスタなんじゃないかと勘違いされている向きもありますがアラビアは全く関係ありません。
イタリア語で「アッラッビアータ(arrabbiata)」は「怒り」という意味の単語。
スパゲティ・アラビアータを日本語に訳すとすれば「怒りんぼ風スパゲティ」といったところです。
唐辛子が入っているので食べて顔が真っ赤になる様がまるで怒っているみたいという見立てらしい。
あるいは「スパゲティ・カルボナーラ」。
生クリームを使うかどうかとか、卵白を捨てて卵黄だけを使用して濃厚な味を出すということがよく議論されていますがカルボナーラの本質はそこにはありません。
名前の由来は諸説ありますがイタリア語で「カルボーネ(=炭)」の派生語で「炭焼き職人風」から来ているという説が有力です。
ではどの辺が炭焼き職人風なのかというと仕上げに散らした粗挽き胡椒が炭の粒に見えてまるで炭焼き職人が賄いに作ったパスタみたいだという見立てなのだそう。
カルボナーラをカルボナーラたらしめているのは実は胡椒なんですね。
で、この料理「ペペロンチーノ」の話です。
比較的、日本でもメジャーなパスタですが「どんな料理?」って聞かれたらこんな答えが返ってきそう。
オリーブオイルににんにくと鷹の爪を入れて味付けは塩のみのシンプルなパスタ……
けどね、料理名が指す食材は一点だけ。
ペペロンチーノ(peperoncino)はイタリア語で「唐辛子」を指す言葉なのだ。
そこがクローズアップされるのかよという感じ。
ちなみに、日本では単にペペロンチーノと呼ぶことが多いあの料理の正式名称は「アーリオ(=にんにく)・オーリオ(=油)・ペペロンチーノ(=唐辛子)」だったりします。
僕らが勝手な先入観で「〇〇はこういうもの」と思い込んでいるものの中には実際は全然違って「え? そうなの」とびっくりする物や事がまだまだあるような気がします。
【材料】(1人分)
-調理時間:6分-
- ししとう:8本
- にんにく:ひとかけ
- オリーブオイル:12g(大匙1)
- 鷹の爪:半本
- 塩、ブラックペッパー:少々
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
【作り方】
- ししとうはヘタを取って横半分に斜め切りにします。にんにくは厚めのスライスにします。鷹の爪は小口切りにします。
- フライパンにオリーブオイル、にんにく、鷹の爪を入れて弱火にかけ焦がさないように炒めます。
- 2.の香りが立ってきたらししとうを加えて塩、ブラックペッパーを振り、ししとうがしんなりするまで炒めます。
- 3.に濃口?油を回しがけさっと炒めればできあがり。
【一口メモ】
- おかずにするには量が物足りない感じですがおつまみとしてはなかなか優秀。にんにくの風味と鷹の爪のホットな辛さにビールが進みます。
- ししとうはできれば辛いやつを使ってください。そっちのがお酒に合うと思います。
- ししとうの代わりに茄子やきゅうりなどの夏野菜を使っても美味しいですよ。変わったところではトウモロコシがおススメ。生を調理するのが面倒なら缶詰でも十分美味しいです。