料理のアレンジの手法についてどんな要件があるか整理したことがあります。
まず、アレンジというからには元になる料理があります。
何を当たり前のことをと言われそうですが、これがきちんとしていないとアレンジなのかオリジナル料理なのかわからなくなります。
で、アレンジの方向性ですが、調理法はその料理の主軸なので原則変えないとした場合、2種類あると考えています。
1つは、主食材を変える方法。
もう1つは、料理の系統を変える方法です。
前者はある程度縛りがあって、魚料理を肉に変えたり肉料理を魚に変えてもうまくいかない場合が多いです。相性が悪いんですね。
逆に牛と豚は置換可能ですし、例外的にささみや鶏の胸肉は白身魚の料理と置換可能な場合が多いです。
もうひとつの料理の系統というのは和食、中華、洋食といった料理の国籍ですね。
例えば「この料理は和食」という先入観を取り払って洋食にしてみるといった感じです。
このアレンジ方法は食材のアレンジと違ってやってみないとわからないケースが多々あります。
ひどい料理になるかもしれないし、逆に大化けして歴史に残るかもしれません。
何を大げさなと言われそうですが、誰もが知っている料理の中にもそうやって生まれてきたものはいくらもありますよ。
たとえばにくじゃがは東郷提督がビーフシチューを所望して作られたものだという説があります。もはや原型をとどめていませんね。
ということで、誰もが知ってる中華料理を洋風にアレンジしてみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 木綿豆腐:半丁
- ベーコンスライス:1枚
- ドライバジル:適宜
- にんにく:ひとかけ
- 鷹の爪:2本
- オリーブ油:13g(大1)
- 水溶き片栗粉:6g分
[ソースパート]
- トマト缶:1/2缶
- ブラックペッパー:少々
- 中華スープ(インスタントで可):100ml(1/2カップ)
【作り方】
- 豆腐は1.5cm各のさいの目に切ります。ベーコンは5mm幅の小口切りにします。にんにくはみじん切りにします。鷹の爪は料理バサミで小口切りにします。
- フライパンにオリーブオイル、にんにく、鷹の爪を合わせて弱火にかけ香りが立つまで炒めます。香りが立ってきたらベーコンを加えて中火にしカリカリに炒めます。
- 3.に豆腐を加えて中火で1分煮込みます。これに水溶き片栗粉を加えてとろみを付ければできあがり。お皿に盛ってドライバジルを散らします。
【一口メモ】
- 辛さはわりとマイルドですが、あとからじんわりと体が熱くなってきます。豆腐はクセがないのでトマトソースとも違和感なく合いますね。
- この料理の主軸はスパゲィー・アラビアータという辛いトマトソースを使ったイタリアン料理です。麻婆豆腐を洋風にアレンジするとすればこのソースがお似合いかなと思いました。
- 娘は「これ、パスタにかけても良いかも」と言っておりました。ふつうに美味しいとは思うけど、それだとただの豆腐入りスパゲティ・アラビアータにならないか?
- これは洋食なので敢えてベーコンをチョイスしていますが、なければミンチでも問題ありません。豚ミンチは甘みがあるのでできれば合い挽きか牛ミンチがおすすめです。