時代時代で結婚式の形態というのも変わってきたと思うのですが僕が育ってきた高度成長期のしっぽからバブル期にかけての結婚式というのは今思えば滑稽なほどお金のかかったものだった気がします。
数度のお色直しも珍しくなく、新郎新婦の登場もゴンドラに乗って上から下りてくるとか無意味に意表を突いた演出になっていたりして。
ただ「滑稽なほど」と書いたのは実際の原価に比べて会場に支払う経費は明らかに御祝儀価格のカラーが強い高額だったと思えることです。
ホテルにとっては大事なドル箱ビジネスだったのでしょうね。
もちろん、滑稽なほどの高額だからといって一概に「無駄」とは言い切れず、式に対する本人たちや両親の想いが満たされていたのであればそれはそれで意味あることだったのでしょう。
ただ、どうも戴けなかったのは料理です。
不遜を承知で申せばどこの披露宴に出席しても料理に感動したことがほとんどありませんでした。
あれだけのお金をはたいてこのおざなりな料理は如何なものかという経験を何度もしました。
そんなおざなり料理の象徴の一つが僕にとっては「生ハムにメロン」です。
最初こそ意表を突かれましたが毎度出てくると「またか」という気分になりました。
何より「生ハムとメロンという高級食材を使ってやってるんだぞ」という会場側の上から目線が透けて見えるようで自分はあまり好きになれませんでした。
で、発想を変えて似たような食材で原価をお惣菜的なグレードにおろしてきたらどうだろうと思ってこんな料理を作ってみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:3分-
- 生ハム:4枚
- 胡瓜:半本
- 塩:適宜
【作り方】
- 胡瓜はまな板の上に置き塩を振ってまな板に胡瓜を押しつけるように転がして塩揉みします。
- 胡瓜を3mmの拍子木に切り生ハムで巻けばできあがり。
【一口メモ】
- 瓜科繋がりということで胡瓜をチョイスしてみました。
- しゃくしゃくした食感が楽しくてさっぱりした一品です。ま、お祝い事には使いづらいけど、ちょっとしたオードブルにはなりますね。
- 生ハムメロンは元々イタリア料理です。日本では甘みと香りの強いマスクメロンが主流で生ハムとはいささか風味が噛み合わない感があります。それに対してイタリアで使われるカンタロープメロンは甘み、香りが弱く野菜に近い品種なので塩気の強い生ハムと合わせてもおかずとしてしっくり来るんですよね。そういう意味ではこの料理は本場ものにより近いと言えます。
- セロリ、人参などスティックサラダになる野菜類をいろいろ混ぜて生ハムで巻くとなお楽しそうです。