伝統的なお節料理って、見た目華やかでおご馳走には違いないけど必ずしも美味しいものばかりではなかったりします。
その理由の一つには日持ちするように濃いめの味付けをしてあるので総じて味が重いこと。
すぐに飽きて少し食べたら箸を置きたくなっちゃいます。
別の理由としては、縁起をかつぐのを優先するあまり食材のチョイスが微妙なこと。
蓮根やら芋、人参、くわいなど特に子供にとっては食指の動きにくい食材が多く、僕も子供の頃はよけてお肉や海老ばかり狙ってた気がします。
その結果、正月が終わるころには蓮根やら芋、人参、くわいしか残っていないお節料理を食べさせられる羽目になってました^^;
何も、伝統的なおせちに拘る必要はないじゃないかというムーブメントが起きたのはいつ頃からでしょう。
うちの母は案外にハイカラな人でしたので、僕が小学校高学年になる頃には、洋風や中華風の料理がお重に詰められるようになっていた記憶があります。
ムーブメントの背景には冷蔵庫が普及して日持ちを意識した調理をする必要がなくなったこともあったと思います。
でもそれ以上に、毎年作る中でおかずの人気、不人気を認識して、何も伝統に拘って持て余す料理を作る必要はないじゃないか、と気付いた主婦の意識改革が推進力なった気がするのです。
これぞまさしくかのチャールズ・ダーウィンが提唱した進化論。
過酷な生存競争を経て生き残った料理だけがお重に並ぶことを許されるのは自然の摂理だと思うのです(力説)。
この料理も伝統的なお節料理の進化形。
昆布巻きの中に洋食の食材を巻き込むことでおしゃれな一品に変貌を遂げています。
【材料】(2人分)
-調理時間:40分-
- 昆布:10cm×20cmを1枚
- ベーコンスライス:適宜(昆布に敷き詰められる量)
- かんぴょう:適宜
- ブラックペッパー:少々
[スープパート]
- 水:300cc
- 顆粒コンソメ:4g
【作り方】
- 昆布は10分間水に浸けて戻し、横半分に切ります。
- 1.にベーコンを敷き詰め軽くブラックペッパーを振ります。これをくるくる巻いてかんぴょうで2か所縛ります。
- 2.と[スープパート]を鍋に入れてひと煮立ちさせ、弱火にして30分煮込めばできあがり。スープから引き上げて二等分し、器に盛ります。
【一口メモ】
- もともとは洋風おせちのレシピなのですが、普段のお惣菜に出してもOK。意外に昆布とベーコンって合いますよ。コンソメ風味も楽しいです。
- 昆布を戻した水は出汁が出ていますので汁物や煮物に転用して下さい。[スープパート]と合流させるのもありかな。
- 細切りにした人参、玉ねぎ、ピーマン、茸類など一緒に巻き込んでも楽しいと思います。