近年、僕らの日常生活が欧米化した大きな契機は少なくとも2回あったと思います。
1回目は開国とそれに続く明治維新による武家社会の終焉。
2回目は占領下で進められた戦後復興期。
2回とも流入してくる西洋文明に対して最初のうちは懐疑的であったり、嫌悪されたり、酷い噂が流れたりしたくせに、ある時期から猫も尺ももてはやすようになって、怒涛のように流行りまくったという点がよく似ています。
結局、日本人って順応性が高いんでしょうね^^;
服装や髪形、住む家から日常雑貨、様々なものが我々の生活に浸透していきましたが、その最たるものは食生活だったかもしれません。
レタス、セロリ、アスパラガス、オクラ、クレソン、玉ねぎ……、凄く興味があるのですが、初めて見る西洋の野菜を前に、当時の料理人はどんな感想を持ち、どう調理しようとしたんでしょうね。
「ビーフシチューを作れ」と東郷平八郎に指示されて見よう見まねで作ったのが肉じゃがの発端なんて逸話もありますから(但し、この話が実話かどうかは結構怪しいらしいです)、とんちんかんな試行錯誤を繰り返しながら日常の食卓に溶け込んでいったような気がします。
かくいう僕がもし当時生きていて、いきなり目の前に見たことも聞いたこともないような野菜を出されて料理を作れと言われたらどうしたでしょう?
マヨネーズもケチャップもない明治初期の話です。
きっと、炒めるか煮るかして醤油か味噌で味つけしたんだろうなぁ^^
キュウリのような見た目と裏腹に実はカボチャの仲間のズッキーニ。
当時ならこんな風に調理したかもと思いながら和風に仕立ててみました。
あ、ベーコンは明治風じゃないって?
冷蔵庫の中に残っていてそろそろヤバかったのです。気にしない気にしない。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- ズッキーニ:半本
- ベーコンスライス:1枚
- ごま油:少々
- 酒:5g(小匙1)
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 味醂:6g(小匙1)
【作り方】
- ズッキーニは5mmの輪切りにします。ベーコンは5mmの小口切りにします。
- フライパンにごま油とズッキーニ、酒を入れて中火にかけ1分ほど炒めます。
- 2.にベーコンを加えて色よくなるまで炒め、醤油、味醂を加えてさっと炒めればできあがり。
【一口メモ】
- 見た目は洋風ですが味はしっかり和風。食卓に出すとそのギャップが家族を楽しませる一品になりそうです。
- 胡麻を振り入れたり、上からカツ節を散らしても美味しそう。完全にズッキーニが和食の中に没入していくようです。
- 夕飯のお惣菜だけでなく、お弁当のちょこっとしたおかずとしてもお薦め。あと、鷹の爪の小口切りを加えてピリ辛にするのもあり、格好の肴になると思います。