辛子明太子が全国的に知られるようになったのは案外古い話ではなく戦後のことのようです。
その背景には山陽新幹線が1975年に博多駅まで伸びたということと関係があったようです。
それを機に車内販売や駅の売店で大々的に売り出して大儲けしようと考えた明太子屋さんがいたみたいですね。
なので辛子明太子はまず博多土産として知られるようになり、その後東京進出を果たし、やがて日本全国どこででも売られるようになりました。
そして、この辺が日本人らしいなと思うのですが、実にバリエーション豊かなアレンジがなされていくのですね。
おにぎりの具なんかは容易に思いつきますが、パスタソースにするは、マヨネーズにブレンドするは、果てはポテトチップスの風味づけまで、今や辛子明太子は食べ物なのか調味料の一種なのかわからなくなっている感があります。
この料理のようにオーソドックスな和惣菜にプラスしても料理の雰囲気が変わって楽しいですよ。
【材料】(2人分)
-調理時間:30分-
- 冬瓜(ワタを取った正味の分量):300g
- 生姜:スライス2枚
- 辛子明太子:1/2腹
- 水溶き片栗粉:6g(小匙2)分
[だし汁パート]
- 鰹出汁:300ml(1.5カップ)
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 酒:15g(大匙1)
【作り方】
- 鍋に水1.5カップを入れてひと煮立ちさせます。火を弱めて鰹節をたっぷり入れて3分煮出して濃いめの出汁を挽きます。これをザルで濾してだし汁を鍋に戻します。 ※煮立たせないのがコツです。煮立ちそうになったら火を一旦止めましょう。
- 1.をやっている間に、冬瓜は皮を厚めに剥いてワタを大きめのスプーンでそぎ取り、食べ易い大きさに切ります。生姜は細切りにします。辛子明太子は包丁で叩いてばらしておきます。
- 2.の鍋に[だし汁パート]残りを加えてひと煮立ちさせ冬瓜、生姜を加えて弱火で15分煮ます。冬瓜、生姜は深めの器に取ります。
- 3.を蓋をせずに強火にかけて2/3程度の分量になるまで煮詰めてから水溶き片栗粉を加えてとろみを付け火を止めます。
- 4.に辛子明太子を加えてざっと混ぜて3.の器にたっぷりかければできあがり。冷蔵庫でよく冷やしていただきましょう。
【一口メモ】
- 濃いめに挽いた鰹出汁と明太子が嘘みたいによく合っています。冷蔵庫でよく冷やして頂くと口いっぱいに幸福な旨みが広がります。
- 茹でた枝豆を加えると見た目も鮮やかになって夏の煮物らしさが増しますよ。
- 茄子や瓜などの煮物でも合いそうです。要はそぼろを合わせる料理なら代わりに明太子を合わせられる感じ。
- 白身魚の煮物や焼き物にこの餡を合わせても面白そう。和風のソースと捉えれば良いと思います。