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常備菜・漬物

中華ピクルス

誰にでも何にでも初めての日というのはあります。

初めて自転車に乗れた日。

初めてアイスクリームを食べた日。

覚えてはいないけれど間違いなく人生の中のいつかにあったに違いない日というのがあるものです。

それは僕とピクルスにとっても同じこと。

生まれて初めて僕がピクルスと出会ってピクルスを口にした日というのがあったはずです──それがいつだったかは覚えてはいないのですが。

覚えてはいないとはいえ推測することはできます。

恐らくは初めてマクドナルドでハンバーガーを食べた日じゃないなかな。

当時、中高生だったと思われる僕の日常でそれ以外にピクルスなんてシャレたものを口にする機会はなかったはずですから。

母がピクルスを買って来ただの瓶にきゅうりを詰めて作っていただのという記憶はありませんし、その年頃の学生が外で買い食いすると言ったら他には餃子の王将、ラーメン屋、立ち食い蕎麦屋、駄菓子屋……

考えるだにピクルスと出会う可能性は皆無ですから。

とまれ僕は今でもあの甘酸っぱい洋風の漬物が大好きですがたぶん初めて食べた時からすぐに大好きになった気がします。

それが高じて結婚してキッチンに立つようになってからは定番のきゅうりを皮切りにいろいろなピクルスを作りましたっけ。

反面、甘酸っぱくなければピクルスではない!

なんて思いが強くて浦沢直樹のマスターキートンで沢庵か何かをイギリス人に「ジャパニーズ・ピクルス」と紹介する件がありましたが「違う、断じて沢庵はピクルスじゃない」なんて思っちゃいましたっけ。

その定義でいうとこの中華ピクルスは微妙な立ち位置にある食べ物だと思います。

使っている調味料やスパイスはいかにも中華的なもの。

けれど酢と砂糖を使って甘酸っぱい味にしてあるので僕的にはあり。

さしずめ「チャイニーズ・ピクルス」と呼んでも差しさわりはないんじゃないかなとひとりごちています。

【材料】(2~3人分) 

調理時間:16分(余熱を取る時間は含めていません)-

  • 大根:1cmの輪切り
  • 人参:3cm
  • セロリの茎:3cm
  • 塩:3g(小匙1/2)

[ピクルス液パート]

  • 花椒(ホール、パウダーどちらでもOK):少々
  • おろしにんにく:ひとかけ分
  • 生姜スライス:1枚
  • 鷹の爪:半本
  • 水:50g(カップ1/4)
  • 酢:15g(大匙1)
  • 砂糖:3g(小匙1)
  • 塩:1g(小匙1/6)

【作り方】

  1. 大根、人参、セロリは細切りにして塩3gを振って10分置きます。
  2. 1.をやっている間に[ピクルス液パート]の生姜を千切りにします。鷹の爪を小口切りにします。小鍋に[ピクルス液パート]を合わせてひと煮立ちさせ火を止めておきます。
  3. 1.の水気を絞り2.の小鍋に入れて中火にかけひと煮立ちさせます。蓋をして弱火で3分煮たら火を止めて粗熱を取ればできあがり。

【一口メモ】

  • 一口食べると「あ、中華」ってわかる風味です。にんにく、生姜のクセの強い香りに唐辛子、花椒のシビ辛。好みが分かれるかもだけど後を引く味には違いありません。
  • 粗熱を取ってすぐに食べても良いのですができれば一晩置くと味が深くなります。冷蔵庫で保存すれば1週間以上は保ちますので常備菜としても重宝しますよ。
  • 辛いのが苦手な方は鷹の爪、花椒を抜いてください。あとハチミツを7g(小匙1)ほど加えて甘酸っぱさを強調しても楽しいです。

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