提案では選択肢を3つ以上用意すること──
三十数年SEをやってきて数えきれないくらい「提案」という場に立ってきた僕の経験則です。
お客様に新しいシステムなどを提案する際のプレゼンシナリオはある程度テンプレ化することができます。
まずお客様の現状を提示し、内包する課題を整理し、その課題に対する対案を立案する。
そして最終的に「故に新しいシステムはこうあるべき」という姿をプレゼンするのですがその際は必ず複数の案(プラン)を提示してその中から「お客様に」選んでもらうことが重要になります。
提案するプランが一択だとお客様に選択の余地がなくどうしても僕がお客様に押し付けたという構図になってしまいます。
これではお客様の納得感を得るのは難しい。
ヘタをすると「なんか巧いこと言いくるめられた」みたいな感情が尾を引いてしまいます。
ならば二択ならどうか。
結論から言うとこれもまずいです。
どちらかを選ぶということはもう一方を捨てるのと同義。
「もしもあの時、もう一方を選んでいれば……」
という心理がその後ずっと後を引くのです。
ところが三択以上になると不思議なくらい「他の案を選んでいたら」という心理が希薄になるんですよね。
その上で自分の意志でこの案を選んだという納得感が残せます。
ということで「提案では選択肢を3つ以上用意すること」というのは提案業務の金科玉条として留意してきました。
余談ですが一択、選択肢がない状態でも人は迷います。
それはもう数多選択肢がある時以上に迷うことがあります。
それをやるしかないとわかっていても「やりたくないな」、「なんとかやらずにすませられないかな」なんて思っちゃうことが往々にしてあるからですね。
って、それが仕事なんだからやるっきゃないだろがと思うのですがw
話は変わって、僕が子供の頃、昭和40年台に夕ご飯のサラダの味付けを提案せよと言われればマヨネーズ一択しかありませんでした。
野菜を洗って、切って、皿に盛ってマヨネーズをかける──以上。
なので母がサラダを作っているのを見ると味が想像できてしまってなんとなく押し付けられてる感を覚えたものです。
時には「なんとか今夜はサラダなしですませられないかな」──
なんて思うこともあったかな。
なのでドレッシングの登場は僕にとって革命的でした。
同じ野菜を使っても味の選択肢が無限に広がるのです。
そのドレッシングも最初は2、3種類だった気がするのですが進化し続けて令和の今、スーパーのドレッシング売り場は何段もの棚を占めるほど多種多様になっています。
今日のサラダはどんな味付けにしようかなと迷う楽しみ。
数多あるドレッシングから今日の気分に合わせた1本を自分の意志で選べる幸福。
僕らのサラダライフは間違いなく進化している──なんてことを改めて考えながらこんなサラダを作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:13分-
- 生鮭または塩鮭:ひと切れ
- 玉ねぎ(できれば新玉ねぎ):1/4個
- ミニトマト:数個
[ドレッシングパート]
- 酢(できれば白ワインビネガー):15g(大匙1)
- オリーブオイル:4g(小匙1)
- 塩、ブラックペッパー:少々
【作り方】
- 玉ねぎは薄切りにして重ならないように広げ空気に晒します。
- 生鮭に塩、ブラックペッパーをまぶします(塩鮭の場合は不要です)。これを魚焼きのグリルで皮を上にして7分、ひっくり返して3分焼きます。
- 2.をやっている間にトマトはヘタを取って縦に4等分します。[ドレッシングパート]を合わせてよく混ぜておきます。
- 2.の鮭の皮を取って粗くほぐして器に入れます。これに玉ねぎ、トマトを合わせ[ドレッシングパート]をかけてよく和えます。
- 4.の皮を耐熱皿に入れて電子レンジの500ワットでチンしてカリカリに焼きます。これをキッチンバサミで粗く切って3.の器に振りかければできあがり。
【一口メモ】
- ドレッシングはブラジルの万能ソース「モーリョ・デ・ビナグレッチ」をベースにしています。洋食のドレッシングとは油:酢の比率が逆で酢をたっぷり使うのでさっぱりした風味。脂の乗った鮭にも良く合います。
- 玉ねぎの辛味抜きのために水にさらすレシピをよく見かけますがあれをやってしまうと玉ねぎの持つ栄養素も抜けてしまいます。少しヒマはかかりますが空気に晒すことで辛味抜きできますのでお試しください。鮭を焼いている時間を活用すれば良いので先に玉ねぎを切りましょう。多少辛味が残ってもそれも味わいの一部として楽しむのもありですよ。
- お好みで酢を減らしてその分、レモン果汁や柚子果汁を加えると柑橘系の風味が楽しめるドレッシングになります。柑橘系の果汁がない場合は酢の量はそのままでポン酢醤油を小匙1/2ほど加えると柚子の香りが付きます。その場合は塩を控えましょう。