数年前、長女が車の免許を取りたいというので「じゃ、お金は父ちゃんが出してあげよう」と伝えました。
僕自身、学生時代に親から教習所の代金を出してもらって免許を取ったのでこういうのは持ち回りみたいなもんだと思っていたのです。
「ただし、教習所を探したり手続きなんかは自分でしな」
と言っていたら
「合宿に行ってくる」
と言って1カ月ばかり出かけて行きました。
行き先は奄美大島。
なんかそこの教習所がそこそこ安かったのと観光も楽しめるからだとか。
ま、日本中どこで教習を受けてももらえる免許は同じなので「行ってら」と送り出しました。
およそ一か月後。
無事卒検まで済ませて帰宅した娘はほどなく普通免許を取得しました。
お土産話(キッチンなどで見かける黒い虫はあっちではめっちゃ巨大で恐怖だとかそんな話w)と一緒に奄美大島土産をもらったのですがそれがこの「鶏飯(けいはん)」でした。
寡聞にして訊いたことのない食べ物だったのですが知る人ぞ知る奄美大島名物らしい。
昭和天皇も絶賛されたとか。
解説によると『鶏飯は蒸した鶏肉のささみ、椎茸、錦糸卵、ネギ、パパイヤの漬物など、様々な具材をご飯の上に盛り付け、熱々の鶏ガラスープをかけて食べる、お茶漬けのような料理』だそうな。
ちょっと感心したのは鶏肉だの錦糸卵だの昔だったらとても「お土産だよ」なんて手軽に持ち運べるものじゃなかったと思うのですが今では小さな箱にパックで詰められて売られているのです。
レトルトなどの技術は進歩しましたねぇ。
ちなみにとっても美味しかったです>娘
で、それから数年後の話。
2023年の大晦日も間近な頃。
おせち料理作りの合間にランチを食べましょうと冷蔵庫を覗いたら鶏肉が中途半端に残っておりました。
忙しさにかまけてずっとおざなりなランチが続いていたのに辟易していたのでなんかちゃんとした特別感のあるものが食べたい!
そんな衝動に駆られて思い出の鶏飯を作ってみました。
お茶漬け的な料理なので消化には悪そうだけど……
とまれ美味しかった。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- ご飯:1膳分
- 鶏むね肉またはささみ:50g
- 椎茸:1本
- 卵:1個
- サラダ油:少々
[下味パート]
- 濃口?油:4g(小匙2/3)
- 酒:5g(小匙1)
[椎茸の煮汁パート]
- 水:80g
- 砂糖:6g(小匙2)
- 濃口?油:6g(小匙1)
[スープパート]
- 水:150g(カップ3/4)
- 鶏ガラスープの素:小匙1
- 酒:5g(小匙1)
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
[トッピングパート]
- 青ネギ小口切り:適宜
- 白いりごま:適宜
- 刻み海苔:適宜
【作り方】
- 椎茸は細切りにして軸もスライスして冷たい小鍋に入れ[椎茸の煮汁パート]を加えます。蓋をして中火で1分加熱し、蓋を取ってごく弱火にして10分煮ます。再度、蓋をして1分温めたら火を止めます。 ※椎茸は70度~80度の温度で旨味成分を最大限に引き出せるので70度付近まで一気に温めてあとはじわじわ温度を上げていきます。
- 1.と並行して鶏肉を茹でる湯(分量外)を沸かします。待っている間に鶏肉を5mm厚にスライスしておきます。湯が沸いたら鶏肉を加えて火を止め蓋をして10分放置し、火を通します。鶏肉を取り出して粗熱を取ったら粗く裂いておきます。 ※電子レンジを使うと鶏肉がぱさぱさになるのでおススメしません。
- 卵を割ってよく溶いておきます。フライパンにサラダ油少々を入れて強火にかけます。十分に温まったら濡れた布巾にフライパンを載せてジュっと言わせます。音が止んだらコンロに戻して中火にかけ卵を流し入れて錦糸卵を作ります。
- [スープパート]を小鍋に入れて中火にかけひと煮立ちさせます。待っている間に大き目の茶碗にご飯をよそい鶏肉、椎茸、錦糸卵、[トッピングパート]を盛り付けます。[スープパート]が煮立ったら茶碗の上から注いでできあがり。
【一口メモ】
- 出汁茶漬けとして美味なだけでなくトッピングの種類が多いのでどれを口に入れるかで味が変化していきます。鶏肉はもちろん、甘辛く煮た椎茸がとても美味。
- 本家はこのレシピのトッピング以外に青パパイヤ漬け(未成熟のパパイヤを味噌や醤油で漬けたもの)が入るのがお約束です。ちょっと手に入りにくいかもなので軽く茹でたブロッコリーの茎や大根を醤油(または味噌)で10分ほど漬け込んだものを刻んで入れると雰囲気が出ますよ。
- いきなり茶漬けにするのではなくまずはご飯とトッピングをそのまま食べて1/3くらい食べたところでスープを注ぐのもあり。[トッピングパート]を更にその後から加える手順にすればひつまぶしのように3段階の味が楽しめます。