昭和の頃、東京と大阪では笑いの文化が違うと言われました。
大阪の人は東京の漫才を観ても「なにがおもろいのかわからん」とぼやきましたし、東京の人が上方漫才を観てもまた然り。
もう長いこと僕はお笑いの世界に触れていないのですが近頃はどうなのでしょうね。
なんとなくですけれど、東京漫才とか上方漫才というくくり自体が希薄になっている気がします。
大阪の笑いの骨頂は自虐。
「自分のアホなところを見せて笑ってもらう」ことだと僕は思っています。
以前、なんでも鑑定団で大阪のおばちゃんが自信満々に出した品が二束三文だと鑑定された時、司会の紳助が「おばちゃん、今めっちゃおいしいと思てるでしょ」といじっていましたがまさにこれなのですよね。
吉本新喜劇の花紀京さんが舞台の合間にうどん屋に来店。お腹は空いているけど二日酔いでイマイチな体調。
で、注文したのが、「肉うどん、うどん抜きで」こういうシャレも大阪ならではな気がします。
とまれ、こうして肉うどんのうどん抜き、「肉吸い」という吸い物は生まれました。
【材料】(2人分)
-調理時間:15分-
- 牛バラ肉:50g
- だし汁:300g(1.5カップ)
- 刻みネギ:適宜
[調味料パートA]
- 酒:15g(大匙1)
- 砂糖:4g(小匙1強)
[調味料パートB]
- 濃口醤油:27g(大匙1.5)
- 味醂:9g(大匙1/2)
【作り方】
- たっぷり目の水(分量外)を沸かします。並行してだし汁を挽きます。
- 1.をやっている間に牛肉は食べ易い大きさに切ります。青ネギはみじん切りにします。
- 牛肉を1.に入れ、色が変わるまで30秒ほど茹でます。これをざるに揚げ、肉の表面に付いたアクを洗い落とします。
- 牛肉とだし汁、[調味料パートA]を鍋に合わせてひと煮立ちさせ弱火で10分煮込みます。 ※煮立たせないくらいの火加減にしてください。
- 4.に[調味料パートB]を加えて味を整えればできあがり。
【一口メモ】
- 吉本新喜劇の花紀京さんがシャレで注文した「肉うどんのうどん抜き」という面白すぎるスープです。けど、味は折り紙付き。しっかり甘辛が利いていて上方の味が楽しめます。
- このレシピの段取りポイントは最初に牛肉を下茹でする湯を沸かし始めることと平行作業でだし汁を挽くこと。湯が湧くまでの時間を使って材料を切ると段取りが良くなります。
- 関西で単に肉といえば牛肉を指します。ここはできれば奮発して安くても良いので牛肉を使って下さい。ただ、豚肉でも美味しく作れると思います。
- 元がうどんの料理なのでだし汁を使っていますが実は牛肉から出汁が挽けるのでいりこ出汁やカツオ出汁はじゃまになるかもしれません。お好みで水を使うのもありです。