シチューというと日本では汁物のイメージが強いですが元々は煮込み料理を指す言葉です。
イギリスで食べたビーフシチューをえらく気に入った東郷平八郎がコックに作るように指示したことから生まれたといわれる肉じゃがは「どこがシチューやねん」とツッコみたくなる変貌ぶりではありましたが煮込み料理という点では正しく再現されていたと言えるかもしれません。
シチューが日本にいつごろ伝わったかは定かではないらしいのですが、少なくとも明治4年には東京の洋食屋のチラシにその名前があったそう。
昭和初期にはモダンな家庭ではわりと一般的に供される洋食だったらしいので思いの外、その浸透は早かったのかもしれません。
ちなみに、クリームシチューやコーンクリームシチューは日本生まれの洋食だそうです。
いかにも西洋料理って感じがするのでちょっと意外だな。
シチューミックスやシチューの素の普及でお手軽に作れるシチューですがバターと小麦粉があれば自作することもできます。
では、小麦粉がなかったらどうするか?その答えの一端がこの料理だったりします。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- 豚こま:70~80g
- れんこん:3cm
- 玉ねぎ:1/4個
- しめじ:1/4株
- バター:10g
- 塩:3g
- 牛乳:200g(カップ1)
- 水:50g(カップ1/4)
[スパイスパート]
- ブラックペッパー:少々
- クローブ(粉末):少々
- シナモン(粉末):少々
- ナツメグ:少々
【作り方】
- 豚肉は食べやすい大きさに切ります。玉ねぎは細切りにします。しめじは小房に分けます。れんこんはすりおろします。
- 小鍋にバターを入れて中火にかけます。バターが大方融けたら玉ねぎを加えてしんなりするまで炒めます。更に豚肉、しめじを加えて肉の色が変わるまで炒めます。
- 2.に牛乳、水、れんこんを加えて中火にかけよく混ぜながらひと煮立ちさせます。
- 3.に塩、[スパイスパート]を加えて蓋をし、弱火で5分煮込めばできあがり。
【一口メモ】
- ほんのりれんこんの甘みを帯びた程よいとろみのスープです。れんこんはどこへ行ったと言いたくなりますが口に入れれば納得の美味しさかな。
- 一般にシチューは小麦粉のタンパク質が熱を加えられると硬化する性質を利用します。が、この料理ではれんこんに含まれるでんぷんの熱硬化性を利用しています。和食のすり流しで使われる技法の応用ですね。
- シチューなどの煮込み料理は冷蔵庫の在庫処分にもってこいです。半端に残っている野菜などを全部投入して野菜室をすっきりさせちゃいましょう。