どんな料理でも伝統的な食べ方がベストと考えるのは一種の思考停止だと思うのです。
もちろん、その食べ方には意味があり理由があって理にかなっている場合が多いのは事実です。
けど、これ以上の食べ方もあるかもしれないと考え続けるのはそれもまた意味のあることだと思うのです。
たとえば、うどんは醤油ベースのスープをかけて食べるのが伝統です。
それ自体は美味しいですし理にかなっていると思えます。
けどね、このスープの役割ってうどんにとってなんなんでしょう?
単にうどんに味をつけるためだけのものになっていませんでしょうか?
海外でうどん屋をやったらつゆだけ飲まれてうどんが残されるケースが多々あったとか。
「スープは美味しいのだけどあの変な具(=うどん)はいらないな」という感想が聞かれたとか。
日本の常識にとらわれない外国人からはそう見えたみたいです。
なら、うどんはまだまだ進化する余地があるんじゃないかな。
椀の中でまるっとひとつの料理になっているうどんを目指してこんなひと椀を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:12分-
- うどん:1玉
- ベーコン:20g
- オリーブオイル:少々
- 玉ねぎ:1/4個
- 薄力粉:10g
- バター:12g
- 牛乳:100g(0.5カップ)
- 水:100g(0.5カップ)
- コンソメの素(顆粒):4g
- 粗挽きブラックペッパー:少々
- クローブ(パウダー):少々
- ナツメグ:少々
【作り方】
- うどんを茹でる湯(分量外)を沸かしてパッケージに記載の時間、うどんを茹でます。
- 1.をやっている間にベーコンを小口切りにします。オリーブオイルとベーコンをフライパンに入れて中火でカリカリになるまで炒めます。
- 小鍋に細切りにした玉ねぎと薄力粉を入れて3分弱火で炒めます。これにバターを加えて粉っぽさがなくなるまで炒めます。
- 3.に牛乳、水、コンソメの素を加えてよく混ぜながら強火でひと煮立ちさせます。クローブ、ナツメグを加えて弱火でうどんが茹で上がるまで煮込みます。 ※吹きこぼれに注意しましょう。
- うどんが茹で上がったらザルに揚げて冷水で〆ます。これを丼に入れて4.をかけます。ベーコンをトッピングして粗挽きブラックペッパーを振ればできあがり。
【一口メモ】
- スープのとろみを強くしているので麺との絡みが素晴らしいです。うどんは淡白なので洋風のスープにもよく合いますね。
- この料理の段取りポイントはうどんが茹で上がるまでの時間でトッピングとスープを仕上げることそれが最短の調理時間になると思います。
- スープとうどんが一体化していて伝統的な「醤油ベースのスープに浸かっているうどん」というスタイルを脱却した料理になっていると感じます。
- 風味の要はクローブとナツメグ。ともすれば単調になる料理に起伏を与えてくれています。