冬がやってくるとなんとなくホットミルクなどが恋しくなります。
砂糖を入れているわけでもないのにほんのり甘くて温かい冬のご馳走はカップを手に持って手のひらを温めながら湯気を見ているだけでなんだか幸せな気分になれます。
表面に浮いている薄い膜を舌で掬い取ってそっとすするのは僕のひそかな楽しみだったりもします(お行儀悪いなぁ)。
実は牛乳ではなく豆乳を温めてもあの薄い膜はできます。
専門用語ではラムスデン現象と呼びます。
で、牛乳のあの膜は売り物にはなりませんが、豆乳の場合は堂々とお店で売られています。
商品名は「湯葉(ゆば)」──結構、良いお値段がするのにあれがホットミルクの上に浮いてる膜と同じようなものと言われたらちょっと複雑な気分になりますよね^^;
湯葉は食糧事情が今よりずっと悪く、食べることと生きることがもっと強く結びついていた時代だからこそ生まれた食べ物だったのかもしれません。
大豆を豆腐に仕上げる工程で豆腐以外に豆乳、おから、湯葉、ただの一つも捨てることなく全て口に入れて命を繋いだ昔の人の知恵が透けて見える気がして頭が下がります。
日本では刺身にしてそのまま戴くことが多い気がしますが中華の世界ではこの料理のように揚げて春巻きのようにしたりするそうです。
【材料】(2人分)
-調理時間:15分-
- 板湯葉:2枚
- 剥き海老:数尾
- 野菜(ありあわせ):今回は椎茸、玉ねぎ、人参、きくらげ
- 薄力粉:適宜
- 水:適宜
- 揚げ油:適宜
[調味料パート]
- チリソース:適宜
- オイスターソース:適宜
- 豆板醤:少々
- ホワイトペッパー:少々
【作り方】
- 剥き海老は食感が残る程度の粗みじんに切ります。野菜類もみじん切りにします。これに[調味料パート]を合わせて和えます。これに薄力粉をまぶし水を少しずつ加えてかき揚げを作る要領で硬めにまとめます。
- 板湯葉を水で戻して4等分します(破れやすいので注意)。これに1.を加えて春巻きの要領で巻きます。
- 150度の低温に加熱した揚げ油に2.を入れて3分ほど揚げます。箸でつついてパリッとなっていたらできあがり。
- きつね色になって固まるまではいじらないように崩壊する場合があります。
【一口メモ】
- 春巻きの皮ほど硬くなく口の中でほろりと崩れて何だかお上品な食感です。湯葉自体、味はほとんどしませんので却ってクセがなくどんな味付けにも合いそうです。
- 板湯葉は大きめのスーパーや食料雑貨のお店で売っています。今回のは横浜駅の富澤商店で見つけました。
- 具材は春巻き同様にお好みで定番のミンチに春雨なんてのもありだと思います。あと、ネットでよく見かけるレシピでは豆腐やはんぺんと和えるというのも美味しそう。
- カロリーが気になる方はフライパンに5mmほど油を入れて揚げ焼きにするとさっぱりした仕上がりになります。