今では想像もつかないかもしれませんが僕が物心ついた昭和40年代にはまだ豆腐の行商人がいました。
というか、わざわざお豆腐屋さんまで行かなくて済む豆腐の売り歩きはけっこう重宝されていた記憶があります。
さすがに江戸時代ではないので天秤棒に桶を下げてやってくるわけではなくライトバンのような車で町中を移動していた記憶はありますが、まだカセットテープは普及する前で本当に時々車を停めてラッパを吹いていた気がします。
売られている豆腐はもちろんパックに詰められたものではなく水桶の中に素で沈んでいるだけ。
なのでお母さんたちはボウルを持って走っていって豆腐と水をそのボウルに入れてもらってお代を払っていましたっけ。
あの頃の豆腐の味はまるで覚えていませんが売り歩きの風景はわりとはっきりと覚えています。
考えてみるとあれが僕にとって豆腐の原風景だったのかもしれませんね。
あれから50年、意外に豆腐は歴史の波に呑まれて消えることもなくしぶとく息づいています。
で、あの時の少年は今でも頻繁にパックの豆腐を買って帰ったりします。
ただ作る料理はそれなりに進化していて今ではこんな料理も作ったりするようになっているのですよ。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- 茄子:1本
- ロースハムまたはベーコン:30g
- 豆腐:1丁
- スライスチーズ:1枚
[調味料パート]
- 味噌:27g(大匙1.5)
- マヨネーズ:12g(大匙1)
- 味醂:9g(大匙1/2)
【作り方】
- 豆腐はキッチンペーパーにくるんで耐熱皿に置き電子レンジの600ワットでチンして軽く水切りします。
- 1.の豆腐と[調味料パート]をボウルに合わせてポテトマッシャーですりつぶしながらよく混ぜます。
- 1.をやっている間に茄子のヘタを取って一口大に切ります。ハムも食べやすい大きさに切ります。1.が終わったら茄子とハムを耐熱皿に入れて2.と並行作業で電子レンジの600ワットで2分チンします。
- オーブンを230度に予熱します。待っている間に茄子とハムが入った耐熱皿に2.を流し込んでざっくり和えます。その上に細く切ったスライスチーズを並べます。予熱が完了したらこれをオーブンに入れて15分焼けばできあがり。
【一口メモ】
- 和食とも洋食ともつかない不思議な料理ですがなんか懐かしい味がします。豆腐に味噌、マヨネーズってたぶん子供の頃から食べつけたものばかりだからかな。
- 豆腐をホワイトソース代わりに使った料理ですので豆腐にはある程度水分を残しておく必要があります。なので水切りはレンチン1分だけ。重しを載せると水を抜きすぎてしまうのでその工程は行いません。
- お好みでトマトを加えても美味しいですよ。ついでに色とりどりの夏野菜を小さく切って散りばめるとカラフルになって見た目も楽しい料理にグレードアップできます。