僕は神戸生まれの神戸育ちです。
なので岡山の大学に進学することになった時、生まれて初めての一人暮らしというのを始めました。
引越荷物も落ち着いて日常生活が始まったら最初に直面する課題はやはり家事です。
ま、掃除や洗濯は週に1回まとめてやれば問題ないのですが問題は3度の食事。
外食ばかりでは不経済極まりない──なんて考える以前に僕はせっせと自炊を始めました。
元々、自炊がしたくてしたくてたまらなかったのですよね。
あの頃から料理には興味津々でした。
実家でよく登場していたおかずのレシピを母に訊く。
新聞の生活欄に載っているレシピを切り抜いてスクラップにする。
本屋に寄って料理本を漁る。
のっけから僕はわりと精力的に料理を習得しようとしておりました。
けど、そのうち気づいたのです。
結局、頻繁に作っているおかずは実家でよく出されていた子供の頃から食べていたお惣菜だって。
舌が馴染んでいるんでしょうね。
母から教わったレシピはけっこうたくさんあって、その頃書き留めたノートは今でも食器棚に片付けてあります(かなりぼろぼろになっているけど)。
過日、冷蔵庫に茄子が残っていたのでそんな母直伝のお惣菜──茄子の炒め煮を作ろうとして、ふと思ったのです。
「この料理、50年以上進化していない」そう、何も疑うことなく同じ調味料を同じ分量だけ使い、同じ手順で作っている。
たまには時計の針を進めてガラパゴスから脱出するのも良いんじゃないかと思い立ちこんな料理を作ってみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:15分-
- 茄子:2本
- トマト缶:1/2個(約200g)
- オリーブオイル:24g(大匙2)
- にんにく:ひとかけ
- 鷹の爪:半本
- 水:茄子がひたひたに浸かるくらい
[調味料パート]
- コンソメの素:3g
- 塩:1g(小匙1/6)
- ブラックペッパー:少々
- オレガノ:少々
【作り方】
- 茄子はがくを取り、縦4つに切って5mm幅のいちょう切りにします。にんにくはみじん切りにします。鷹の爪は小口切りにします。
- 小鍋にオリーブオイル、にんにく、鷹の爪を入れ中火にかけます。香りが立ってきたら茄子を加えて油を吸わせながら炒めます。油がほぼなくなったらトマトを加えて更に1分煮ます。
- 2.にひたひたの水を加えてひと煮立ちさせ[調味料パート]を加えます。蓋をして弱火にし、7分煮ればできあがり。
【一口メモ】
- ラタトゥイユのような風情のお惣菜に仕上がりました。ちょっと洋風のおかずがほしい時にオススメです。工程2.までこなせば後はほったらかしなのでお手軽ですよ。
- この料理のオリジナルは醤油で味付けする和惣菜なのですが、オリーブオイル、にんにく、コンソメ、スパイスに変えればきっちり洋食。当たり前なのだけどちょっと不思議な気持ちになるアレンジです。
- お肉は1gも使っていないけど満足感の高い一皿です。カロリーがちょっと気になる方にもオススメですよ。