イタメシ、韓流、マネケンのワッフルからタピオカドリンクまでたかだか平成約30年の間に実に様々な料理や食べ物が大流行してまた消えていったものです。
まさに祇園精舎の鐘の声と言ったところでしょうか。
平家物語風に言えば今挙げた平成の食のブームは「近く本朝をうかがふに」にあたります。
つまり最近の本朝(日本)のブームを振り返って見るとといったほどの意味。
では、遠く異朝をとぶらへば(昔々の外国のブームを見てみると)……平家物語の最終幕、壇ノ浦の合戦が終焉を迎えて30年ほど後の頃、スペインに後にアルフォンソ10世という王様になる方が生まれました。
この人こそがスペインバルの定番料理、タパスの普及に大いに影響を与えた方でした。
体が弱かった彼は医者の勧めでワインと一緒に軽い食事を摂るようにしたところ健康になったとか。
で、酒場で酒を出す時にはかならず軽食を付けるようにというお触れを出したのだとかそれまで街のバルでは酒だけを出してろくなつまみがなかったようですね。
タパスは「蓋をする(=タパル)」という言葉から派生した言葉なのですが、語源となった料理は一片のパンでした。
グラスのワインにたかってくる蝿が酒に飛び込まないようパンで蓋をして時々そのパンを齧りながらワインを飲んだのがタパスの始まりだったとか。
王様のお墨付きを頂いて国中のバルが料理を出すようになりましたが名物料理を目当てに店に通う客が多いことに店主たちはすぐに気づきました。
旨い料理を出せば店が繁盛する──そんな商魂に後押しされてタパスは急速に進化していきます。
そして諸行無常とはならずに今も脈々と受け継がれているのです。
もしかしたら、こんな料理がメニューに載っているバルもあるかもしれませんね。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 茄子:1本
- 塩:1g
- ローズマリー:少々
- オリーブオイル(炒め用):18g(大匙1.5)
[マリネ液パート]
- バルサミコ酢:10g(小匙2)
- オリーブオイル:8g(小匙2)
- はちみつ:10g
【作り方】
- 茄子はがくを取って5mm厚の輪切りにします。フライパンにオリーブオイル、塩を入れ茄子を重ならないように並べてローズマリーを振ります。これを中火にかけて2分焼きます。茄子をひっくり返して更に1分半焼きます。
- 1.をやっている間に[マリネ液パート]を盛り付ける器に合わせてよく混ぜます。焼き上がった茄子を熱いうちに加えてよく和え、10分漬け込めばできあがり。
【一口メモ】
- はちみつとバルサミコ酢のほんのりとした甘みが優しい小皿料理です。オリーブオイルとローズマリーの香りが気持ちをリラックスさせてくれるので1日の終りにはぴったり。
- お好みでブラックペッパー少々を振ると風味が変わって楽しいです。[マリネ液パート]
- におろしにんにくを入れるのもありですよ。
- この[マリネ液パート]
- は夏野菜全般に応用が利きます。トマトやオクラを使っても美味しいです。