お最初にお断りしておきますが、このレシピは「簡単すぎるレシピ」の趣旨に反しています。
ぜんっぜん簡単じゃないしむしろめっちゃ手間ひまかかります。
それでも一度きちんと「おでん」の作り方をまとめておきたかったのです──ということを踏まえた上でお付き合いください。
おでんは冬の鍋料理のマラソンランナーです。
食べても食べてもおでん種を追加すれば永遠になくならないタフなやつです。
あんな鍋、ちょっと他にはない。
とはいえ、家で作るおでんは専門店の味には遠く及びません。
近頃は専門店の味を再現したダシも市販されているのでかなり美味しいおでんが作れるようになったのですがやっぱりお店の方が美味しい気がします。
ま、そうでないとありがたみがないのですが^^;
このレシピではおでんを作っていく流れに沿っておでんを自作するポイントを解説したいと思います。
特に気をつけるべきポイントは3つあります。
- ダシの合わせ方
- おでん種の下ごしらえ
- おでん種の煮込む順番に特に
留意しましょう。
【材料】(4人分)
-調理時間:半日-
[出汁パート]
- 昆布とカツオの合わせ出汁:420g(420ml)
- 鶏ガラスープ:180g(180ml)
- 薄口醤油:72g(大匙4)
- 味醂:72g(大匙4)
- 砂糖:9g(大匙1)
- 塩:6g(小匙1)
[おでん種パートA](最初から煮る)
- 大根、里芋、ゆで卵:適宜
[おでん種パートB](食べる2時間前に鍋に入れる)
- 練り物、こんにゃく、木綿豆腐または焼き豆腐:適宜
[おでん種パートC](食べる直前に鍋に入れる)
- はんぺん、しらたき:適宜
【作り方】
- [出汁パート]の昆布とカツオの合わせ出汁分の水(蒸発するので450mlくらい)にだし昆布を入れて1時間おきます。これを強火にかけて沸騰寸前に昆布を抜き、鰹節をひとつかみ入れて煮立たせないように3分煮出します。これを濾します。
- 1.に鶏ガラスープと[出汁パート]の調味料を加えてひと煮立ちさせます。
- 時間に余裕があればインスタントではなく鶏ガラから出汁を挽くと本格的になります(約3時間強かかります)。
- 1.~2.をやっている間におでん種の下ごしらえをします。
- 大根は皮を厚く剥いて輪切りにし×の字に包丁目を入れて10分下茹でします。
- 里芋は皮を剥いて面取りをし、大根と一緒に下茹でします。
- 豆腐は水切りします。
- こんにゃくは格子模様(かのこ)に包丁目を入れます。下茹で不要と書いていなければ5分下茹でします。
- 練り物の油抜きは粗悪な油で作られていた時代の名残なので今日日は特にしなくてもOK。むしろ良い練り物なら油も旨味にできます。但し、油抜きをすると出汁が濁らないというメリットはあります。
- 出汁を温めて[おでん種パートA]を入れて半日以上煮込みます。[おでん種パートB]は食べる2時間前に投入。[おでん種パートC]はた食べる直前に入れます。
【一口メモ】
- カツオと昆布の合わせ出汁と鶏ガラスープを4.5:2の割合で合わせるとかなり本格的な出汁になります。醤油は関西風なら薄口醤油、関東風なら濃口醤油を使います。
- 大根や卵など[おでん種パートA]は煮込むほど味が染みて美味しくなります。
- 練り物など[おでん種パートB]は煮込みすぎると練り物の旨味が出汁に溶け出して出がらしを食べさせられることになります。せいぜい2時間程度。
- 薬味は辛子が一般的ですが、九州風なら柚子胡椒、兵庫県姫路風ならおろし生姜、名古屋風なら味噌を付けます。
- 鶏ガラスープは材料は安いのでお財布的にはあまり問題ではありませんが煮込みに時間がかかります。ひと煮立ちさせた後、アクを取って3時間弱火で煮込む必要があります。けど、鍋が煮立ったところですぐにバスタオル3枚にくるんで放置すると火にかけなくてもほぼ同じ効果が得られるのでだいぶハードルが下がるかな。たくさん作ってラーメンのスープなどに転用するのもありですね。