1960年(昭和35年)の夏──落花生(ピーナッツですね)の市場価格が1俵(60kg)あたり6000円から10000円に跳ね上がったそうです。
この記事だけ読むと「何その珍事?」ってなりそうですが背景を知ると「そういうことね」と納得しちゃいます。
その年、それまでじわじわ伸びていたビールの需要が爆発的な売り上げを記録しました。
気象庁の記録を見ると連日30度超えの暑さが続いた夏だったみたいで無理からぬことかな。
で、ビールを飲むとツマミが欲しくなる。
当時の定番おつまみがピーナッツだったので時ならぬピーナッツ需要が発生したのだとか。
それから21年後の1981年。
20~40代のサラリーマンを対象に取られた「好きなビールのおつまみは?」というアンケートではトップ3が「枝豆、焼き鳥、フライドポテト」だったとか。
この20年の間におつまみの定番はピーナッツやするめから枝豆、フライドポテトと微妙に洋風にシフトしたようですね。
そのシフトの理由は飲むお酒が日本酒、焼酎からビール、ウィスキーにシフトしたことが大いに影響している気がします。
ちなみに明治32年に日本初として開業した恵比寿ビアホールが最初に出したおつまみは短冊状に切った大根だったとか。
本場ドイツでラディッシュをつまみにしているというのに倣ったのですが不評。
その後も蕗や海老の佃煮などが売られたそうですがビールに合う合わない以前に場の雰囲気に合わないと1カ月で販売中止。
以降はおつまみなしでビールだけを黙々と飲む店になったとか。
なんかそれはそれで寂しい。
かように酒と肴(さかな)=つまみは切っても切れない縁で酒を飲む時はつまみが欲しくなるのが人情。
ただその定番は時代とともに移り変わっていくもののようです。
さてさて20年後、2044年頃にはどんな料理がお酒の友になっていることやら。
けっこう興味津々だったりします。
もしかしたら今はまだ僕らが口にしたことがないような料理だったりしたら面白いだろうな。
反面、定番とは言えないけれど一口食べればお酒が欲しくなる料理というのもあります。
例えばこの料理なんかもそう。
ガツは豚の胃袋ですがコリコリした食感がクセになります。
これを茹でて醤油ダレで和えた料理は……ビールや日本酒が欲しくなるな。
【材料】(1人分)
-調理時間:9分-
- 豚ガツ:100g
- [煮汁パート] 水:500g(カップ2.5)
- 酒:10g(小匙2)
- 生姜スライス:2、3枚
- 白ネギの緑色の部分:10cm
[調味料パート]
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- ごま油:4g(小匙1)
- おろし生姜:ひとかけ分
- おろしにんにく:ひとかけ分
【作り方】
- [煮汁パート]を小鍋に入れて強火にかけ沸騰させます。待っている間にガツは食べやすい大きさに切ります。お湯が沸いたら[煮汁パート]の残りとガツを加えて再度沸騰させそのまま蓋をせずに中火で3分茹でます。 ※生姜、ネギは切らずにそのまま鍋に入れます。
- ガツを茹でている間に小ぶりのボウルに[調味料パート]を合わせてよく混ぜておきます。
- 1.をざるに揚げてガツの水気をキッチンペーパーでよくふき取ります。これをそぎ切りにします。一緒に茹でた葱、生姜は細切りにします。
- 3.を2.のボウルに加えてよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- コリコリした食感がなんともヤミツキになります。逆に言うと咀嚼するのにちょっと力が要るので子供ウケはしないかも。やはりお惣菜というよりはおつまみ、酒肴向けの1品ですね。
- お好みで七味唐辛子を振ってピリ辛にするのもありです。おでん風に和辛子を付けながら食べるのも乙なものかな。
- 醤油の代わりにポン酢を使ってみましたがちょっと味が弱かったです。醤油辛いのが苦手という方は醤油(18g(大匙1))、酢(10g(小匙2))、砂糖(6g(小匙2))で甘酢和えにする方が吉かなと思います。酢をレモン果汁に変えるのはありですよ。