子供の頃、すりおろした山芋をご飯にかけて食べるのが大好きでした。
味付けは醤油のみ。
シンプルだけど美味しかったな。
すりおろすのはおろし金──などではなくでっかいすり鉢。
なんせうちは7人家族だったので小さなおろし金でちまちまおろしていたらヒマがかかってしょうがなかったのです。
祖母や母がでっかい山芋をすり鉢に突っ込んですりおろしているのを見るだけで味が想像できて口の中に唾がわいたものです。
長じて社会人になり外で食事をすることが多くなって麦飯でとろろご飯を作って牛タンと一緒に食べるとすっごく美味しいということも覚えました。
もうひとつ覚えたことは山芋ってすりおろす以外の食べ方もあるのだということ。
そう、僕は長いこと山芋はすりおろして食べるものだと思いこんでいたのですね。
なので呑み屋で短冊に切った山芋にわさび醤油を添えて出された時はカルチャーショックでした。
「へえ、山芋って生で食べられるんだ」……、って、すりおろした山芋をそのまま食べている時点で生食でしょうがということに気がつくまでに多少ヒマがかかりました。
更に当たり前ですが山芋は火を通しても食べられます。
過日、夕飯にこの料理を作って山芋の守備範囲の広さを再認識したところなのでした。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 豚もの肉または豚こま:150g
- 山芋:10cmくらい
- にんにく:ひとかけ
- 塩、ブラックペッパー:少々
- オリーブオイル:8g(小匙2)
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- バター:10g
- ドライパセリ:少々
【作り方】
- 豚肉は食べ易い大きさに切って塩、ブラックペッパーをまぶします。山芋は皮を剥いて短冊に切ります。にんにくはスライスまたはみじん切りにします。
- 冷たいフライパンに豚肉、山芋、にんにくを入れてオリーブオイルを回しがけよくまぶします。
- 2.を弱火にかけていじらずに5分焼き付けます。中火にしてざっくりと混ぜながら肉に焼き色が付くまで炒めます。
- 3.に醤油とバターを加えて絡めながら水気がほぼなくなるまで炒めればできあがり。お皿に盛ってドライパセリを散らして戴きます。
【一口メモ】
- バター醤油の香りとにんにくの香りの相乗効果でとんでもなく食欲の湧く一皿になりました。わりと少食な人でも「もっと欲しい」って言い出しそう^^
- 山芋のシャクシャクした食感を重視したい場合は炒めずに最後に火を止めてから混ぜ込むのもありですよ。
- バター醤油を使うので風味付けは洋食寄りに倒していますが例えばドライパセリの代わりに青のりと鰹節を使って和のテイストを加えるとまた雰囲気が変わって楽しいです。