「○○と聞くと△△を思い出す」という連想ゲーム的な記憶は誰しも持っているものだと思います。
たとえば「目玉焼きと聞くとラピュタを思い出す」とか。
確かにあのトーストに載った目玉焼きはチープなくせに美味しそうでインパクトがありました。
僕の知人の老教授(イギリス人なんだけどもう数十年日本で教鞭を執っている人)は「ケネディー暗殺と聞くとアイロンを思い出す」のだとか。
かなりハイレベルな連想ゲームに聞こえますが話は至極単純でロバート・ケネディが暗殺されたパレードの中継放送を観ていた時にちょうど洋服にアイロンをかけていたのだとか(まんまやん)。
けど、彼曰く「僕と同年代の人ならケネディー暗殺の時に自分が何をしていたか覚えている人は多いハズ」なのだそうです。
あのパレードの放送は日本初の衛星中継でテレビに釘付けになっていた人が少なからずいたようなのです。
で、「伊勢海老」と聞くと僕が何を思い出すかというと「エビフライ」だったりします。
なんじゃそらと言われそうですが、南極越冬隊の日常生活を描いた「南極料理人」という映画の中で在庫の伊勢海老をどうやって食べたいか隊員たちに訊いたら「エビフライ」というリクエストがあったので本当に作ってしまったというエピソードがあるのです。
「なんか遠近感がおかしくなるな」その仰々しいビジュアルを前にひとりの隊員がそんなことを言ってましたっけ。
とまれ、伊勢海老の調理法としてエビフライはあまり適した料理だとは思えません(笑)。
洋風のテルミドールにしたり、中華、和食、いろいろなジャンルの料理に使えそうですが一番シンプルなのはやはりこれ。
「塩ゆで」じゃないでしょうか。
【材料】(2人分)
-調理時間:18分(粗熱を取る時間は含めていません)-
- 伊勢海老(冷凍):1尾
- 水:伊勢海老がひたひたに浸かるくらい
- 塩:水に対して3%の重量
【作り方】
- 伊勢海老が入る鍋に水と塩を入れて強火にかけひと煮立ちさせます。
- 1.の火を一旦止めて伊勢海老を入れアルミホイルで落し蓋をして中火で15分茹でればできあがり。海老をザルに揚げてそのまま粗熱を取ります。
- 伊勢海老は姿のまま大皿に盛り付けると食卓が一気に豪華で華やかになります。食べる時はキッチンばさみで殻を解体しながらカニスプーン(なければバターナイフなどで代用可)で身と味噌をこそげ取ってください。
【一口メモ】
- 何も付けなくても良い塩梅の塩加減でダイレクトに海老の旨味が楽しめます。凝った料理も美味しいけどこれはこれで良いなぁ。
- 活きの良い海老を扱う場合は暴れるので(当たり前ですが)いくつか注意が必要です。まず、調理の前に真水に5分ほど浸けてください。これでだいぶ大人しくなります。あと、茹でる時は水から茹でること。沸騰した湯に投入したら大暴れして大惨事を引き起こしかねません。
- ネットのレシピで「水から茹でる」と書いているものを見かけますが理由は↑の通りなので冷凍の伊勢海老を使う場合は沸騰したお湯に投入しても問題ありません。一般に冷凍伊勢海老は暴れませんので。
- お好みでポン酢やマヨネーズを付けても美味しいですよ。