かつて大阪は梅田、阪神百貨店のそばにお土産屋さんがありました。
といっても大阪名物を売っているのではなく日本全国、各都道府県のお土産屋さんが縁日の屋台のごとく並んでいる一角、ひ
とよんで「アリバイ横丁」と呼ばれておりました。
ここに行けば行ってもいない土地のお土産物が手に入るということから名付けられたありがたいようなありがたくないようなネーミングですが地方に出張に行ってうっかりお土産を買い忘れたお父さんにはありがたいお店でした。
アンテナショップのさきがけみたいな一面もあったかな。
残念ながら僕が横浜に転勤してわりとすぐ、2014年に閉鎖されたようなのですが未だに復活を望む声があるようです。
それでも売られていた品物はせんべいやまんじゅうなどが中心でさすがにアンテナショップばりに鮮度が求められるような商品はあまり置いていませんでした。
流通の発達した現代だからこそ実現できたお店たちだったわけですが、そんな現代でもその土地まで足を運ばないと手に入らないもの、口に入らないものはたくさんあります。
「海のパイナップル」と呼ばれるほやもそのひとつ。
宮城から岩手が主な産地なのですが売られているのはせいぜい関東圏まで。
関西でずっと暮らしていた僕が初体験したのは横浜に転勤したあと、50に手が届く年になった頃でした。
このほど、再び転勤で関西に戻ることになりましてお名残惜しみにちょっと思い出深いほやを頂きました。
【材料】(2人分)
-調理時間:5分-
- ほや:1体
- 乾燥わかめ:ひとつまみ
- 生姜:スライス1枚
- 酢:15g(大匙1)
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 味醂:18g(大匙1)
- だしの素:少々
【作り方】
- ほやは皮を剥いて1cm厚の小口切りにします。生姜は千切りにします。乾燥わかめは水に浸けて戻しておきます。
- 器に全ての材料を合わせてよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- 見た目のグロテスクさも相まって初めての人にとってはちょっとハードルが高い食べ物かも。けど、なまこなどがそうであるように一度食べればちょっと忘れがたい美味しさだとすぐにわかります。
- ほやはできるだけ新鮮なものを選んでください。劣化すると臭みが出てくるんですよね。これが関西で売られていない理由じゃないかな。ただ、今どきは冷凍技術が進んでいるので関東圏でも美味しいほやが食べられますよ。
- これは一番オーソドックスな食べ方ですが、ほやは天ぷらにしたり、蒸しても美味しくてオススメです。