わりと最近になって織田作之助の「夫婦善哉」を読みました。
陽気でしっかり者の芸者蝶子と妻子持ちの若旦那柳吉が良い仲になって駆け落ちする話。
この若旦那が絵に描いたようなダメ男でなんで見限らないんだよ──なんて小説のことながら蝶子にやきもきしたものです。
ま、ストーリーは置いておいて(置いておくなよ)、この小説にはたくさんの美味しそうな料理が登場します。
二人が自由軒で真ん中に卵を割り込んだライスカレーを頂くシーンなんかは本当に美味しそうだったな。
自由軒は今でも大阪で営業しているお店ですがその本店には執筆中の織田作之助の写真を飾った額があります。
その額に添えられた一文はけっこう有名で。
「トラは死んで皮をのこす、織田作死んでカレーライスをのこす」というもの。
自由軒のカレーを食べたのははるか昔なので記憶が朧なのですが辛さ一辺倒ではなくけっこうマイルドな味だった記憶があります。
その再現料理ではないのですが大阪人なら好みそうな味のカレーを作ってみたくて肉じゃがを下敷きにしてこんなカレーを作ってみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:25分-
- ご飯:2膳分
- 豚肉(部位はお好みで):150g
- 大根:5cm
- バター:5g
- ラード:3cm
- カレールウ(辛口がオススメ):1/4パッケージ
- 水:ルウ1/4パッケージ分(300mlくらいが多いです)
[調味料パート]
- 蕎麦の本返し:大匙2
- 砂糖:9g(大匙1)
[仕上げパート]
- 味噌:6g(小匙1)
- オイスターソース:6g(小匙1)
- 水:30g(大匙2)
【作り方】
- 小鍋に大根がひたひたになるくらいの湯(分量外)を沸かします。待っている間に大根をかつらに剥いて1cm厚のいちょう切りにします。湯が沸いたら大根を入れて5分下茹でし、ざるに揚げて水気を切ります。
- 鍋にバターとラードを入れて中火にかけバターが融けたら大根を加えて1分炒めます。これに食べ易い大きさに切った豚肉を加えて更に1分半炒めます。
- 水を加えてひと煮立ちさせカレールウを加えて弱火で10分煮込みます。待っている間に[仕上げパート]を合わせて味噌をよく溶かしておきます。
- 鍋に[仕上げパート]を加えてよく混ぜればできあがり。
【一口メモ】
- まさに甘辛! という味に仕上がりました。肉じゃがの味付けをベースにしたのですが、これ関西人の琴線に触れる味だと思います。
- 基調になる味がかなり甘めなので合わせるカレールウはできればスパイシーな辛口がおすすめです。
- 抵抗のある方もいらっしゃるかもですが大根って案外カレーによく合う根菜なのです。ぜひお試しあれ。もちろんじゃがいもを使っても美味しく作れますよ。