うちの長女は1998年、21世紀の足音がそこまで聞こえてきた頃の生まれ。
僕はその頃、コンピュータの2000年問題対応で残業の日々でしたが彼女の生まれた日だけは同僚たちに後を任せて定時に帰りましたっけ。
実際に彼女が産声をあげたのは21時過ぎ。
浦沢直樹風に言うと「20世紀少女」の爆誕でした。
かたや次女は2001年の生まれ。
つまり「21世紀少女」ですね。
生まれた世紀も性格もまるで違うふたりですが、異口同音に口にするセリフがあります。
「スマホがないと生きていけない!」
いやいやいや、君たちが生まれたのはガラ携全盛期の頃。
スマホが流行り始めたのは君たちが中学生になった頃じゃないですか。
つまり、君たちは幼稚園も小学校時代もスマホなしで立派に生き抜いていましたよ──
なんて、つい言いたくなるのですが聞く耳を持ってくれないだろうなぁ。
似たようなセリフは巷間でもよく耳にします。
曰く。
「コンビニがないと生きていけない」、「SNSがないと生きていけない」 などはわりと普遍的な意見だと思うのですが、
中には「カーナビがないと生きていけない」、「ウォシュレットがないといけない」なんて一部の人にとって切実なものもあるようです。
ひとつ屁理屈を言わせてもらえば「江戸時代はそれらのどれもなかったけど皆さん生きていましたよ」──なんて思わずにはいられません。
けど、そういう話をしているのではなく要は「〇〇がない生活には戻れない」と言いたいんでしょうね。
食べ物関係で言うとお肉のおかずがないと家族からブーイングが出るなんて話をよく聞きます。
これも「江戸時代の人は肉料理なんか食べずに暮らしていたかもしれないけど、今となってはそんな生活考えられない」という想いが根底にあるのでしょう。
けど、江戸時代の人たちもお肉なしの暮らしの中で高カロリーを摂取する工夫を凝らしていたのです。
例えば茄子は油ととても相性の良い野菜です。
なので浅漬けのような食べ方をする一方で揚げびたしのようにたっぷりの油を含んだお惣菜を夏に食べていました。
このレシピも揚げびたしの応用。
お肉は使っていないけどその満足感はお肉に負けていません。
夏バテ気味の体に優しい1品ですのでぜひお試しあれ。
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- 茄子(中サイズ):1本
- 山芋:50g
- 揚げ油:適宜
- かつお節:ひとつまみ
[調味料パート]
- 濃口醤油:9g(大さじ1/2)
- 味醂:9g(大さじ1/2)
- 砂糖:3g(小さじ1)
- 梅干し:1粒
【作り方】
- 揚げ油を180度に温めます。待っている間に茄子はがくを取り、横半分に切ります。さらに1.5cm角の拍子木に切ります。揚げ油が温まったら茄子を加えて1分半、素揚げして引き上げます。
- 1.と並行して山芋の断面に大きめのフォークを刺します。フォークを持ってコンロの直火で山芋の皮を炙ります。山芋が冷めたら1cm角の拍子木に切ります。 ※炙り焼きの直後は山芋が熱くなっているので火傷に注意しましょう。
- [調味料パート]の梅干しの実を種からそぎ落として包丁で細かくたたきます。これに[調味料パート]の残りを加えてよく混ぜます。
- 盛り付ける器に茄子、山芋を入れて[調味料パート]を加えてよく和えます。これにかつお節をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- 素揚げして油を含んだ茄子はお肉に負けないごちそうです。淡白な山芋にさっぱり梅風味のタレとの相性も抜群。夏バテ気味の体におすすめなお惣菜です。
- オリジナルのレシピは『きゅうりと山芋の』だったのですがきゅうりの手持ちがなく、代わりに茄子の手持ちがあったのでこうなりました。茄子の代わりにきゅうりを使えば夏らしいヘルシーな冷菜になりますよ。
- 茄子を調理する時はとりあえず素揚げにすればあとは自由自在。こんなサラダ仕立ての料理にだって使えるのです。