朝、遅刻しそうになった女子高生が食パンをくわえて走る。
彼女が角を曲がったところでイケメンの転校生とぶつかる──
ラブコメ系アニメのテンプレートとして揶揄を込めてよく挙げられるシーンですが、むちゃくちゃ有名なはずのこの描写をしているアニメを僕は観たことがありません(注:ポプテピピック等のギャグアニメではちょくちょくあります)。
逆に出会いのシーンの定番でよく見かけるのは着替え中のヒロインの部屋の戸を主人公がうっかり開けてしまって生着替えを目撃してしまう"ラッキー・スケベ"シーンかな。
ラブコメアニメの第一話ではホントよく出てくるありがちなシーンです。
最初にこのシーンを持ってくるのは明確な演出意図があって、物語がラブコメである以上、ふたりは回を追うごとに親密になっていくのですが、出会いが最悪である方が親密後とのギャップが大きくなって観客を惹きこみやすくできるからなんですよね。
それにしても、判で押したみたいに出てくるよなぁ。
不良に絡まれたヒロインを助ける主人公。
いつも強気なヒロインが見せる涙、そして繊細な一面。
垣間見えるお互いの弱点や事情。
ラブコメ系アニメは本当にテンプレートとお約束シーンのオンパレードな気がします。
その似たり寄ったりのシーンを「また、このパターンかよ」と思わせずに観客を引き込んで行くのが制作陣の腕の見せ処なのでしょう。
そして、夏の定番イベントがプール、海、夏祭りあたりだとすれば、冬の定番で僕が一番に思い浮かべるのは「主人公の風邪」イベントかな。
クリスマスやバレンタインもありがちなのですが、この風邪イベントではヒロインが一人暮らしの主人公の家までお見舞いに来て高確率で上がり込むことになるのでドキドキ度ではこっちの方が高い気がするのです。
殺風景な主人公の部屋を見回してそのまま帰るのが忍びなくなったヒロインが作ってくれるのは決まってお粥。
それ以外の料理を作ったアニメも観たことがない気がするな。
意外に高いヒロインの女子力。
そして甲斐甲斐しさ。
湯気の立つ温かそうなお粥のしずる感等々、観客の心をわしづかみにする演出の必然がお粥という料理に帰結したのだと思います。
ただ、それ以外にも、形状や質感、色味が単純なので作画が楽!なんていうメタな理由もあるみたいですね(笑)
何より、「病人に食べさせる料理と言えばお粥」という刷り込みが僕らの中にしっかり定着しているからわかりやすいのでしょう。
過日、次女と焼き鳥屋デートをしたのですが些か飲み過ぎて翌日は二日酔い気味。
胃の調子も良くなかったのでラブコメの冬の定番「お粥」を作りました。
甲斐甲斐しくもセルフで作っちゃうところがちょっとわびしいのですが(笑)
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 冷やご飯:1膳分
- 水:300g(カップ1.5)
- 生姜スライス:1枚
- 鶏ガラスープの素:小さじ1/2
- 塩:1g(小匙1/6)
- むき海老:30g
- 舞茸:30g
- 刻み葱:10cm分
- ごま油:6g(大さじ1/2)
- 辣油:適宜
【作り方】
- 小鍋に水を入れてひと煮立ちさせます。待っている間に生姜は千切りにします。お湯が沸いたらご飯と生姜を入れて弱火で10分煮込みます。
- 1.と並行してフライパンにごま油を入れ中火にかけます。これにむき海老、舞茸、刻み葱を加えて1分炒めます。
- 1.に鶏がらスープの素、塩を加えて味を調えます。これを丼によそい、2.を加えてざっくり混ぜます。ラー油をお好みの量振ればできあがり。
【一口メモ】
- ご飯をしっかり煮ているので柔らかい。胃が疲れているときにおすすめの一杯です。具材はごま油で炒めてあとから混ぜ込んでいるので風味が立って良い感じです。
- 塩の分量はあくまで目安で、少なめにしてあります。味を見ながら加減してください。
- 手持ちがあればザーサイなど中華料理の素材を仕上げに加えてください。賑やかな雑炊になりますよ。