初期の美味しんぼのエピソードに熊本出身の議員にお弁当をご馳走するというのがありました。
「新聞社の顔は社会部だ。文化部なんてただのお荷物、悔しかったら一度でもスクープ抜いてみろ」社会部の鼻息荒い部員に挑発されても山岡さんは今日もどこ吹く風。
そんな折、激務でお疲れの議員と知り合った山岡さんは熊本の郷土料理が入ったお弁当をご馳走してあげます。
時は総裁選の真っ最中。山岡さんが記者だと知ってお礼に次期総裁のスクープネタを提供してやろうと言いだす議員に山岡さんは激怒します。
「そんなさもしい気持ちでご馳走したわけじゃない。ああ、損した。こんな器の小さい男に旨いもんなど食わせるんじゃなかった」
と。呆気にとられる議員。
後刻、東西新聞社の社会部に正式に次期総裁の情報がリークされて、社会部記者に山岡さんが一矢報いたというベタなオチ。
あの頃の美味しんぼはベタベタなストーリーだったけど面白かったな。
で、そのお弁当に入っていた料理が辛子蓮根とこれ。「ひともじぐるぐる」と読みます。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- 青ネギ又はわけぎ:数本
- [辛子酢味噌パート] 味噌:18g(大匙1)
- 酢:8g(大匙1/2)
- 砂糖:6g(小匙2)
- 粉辛子:2g
【作り方】
- ネギは根の白いところを落としておきます。小鍋に湯を沸かし1分半~2分ほどネギを茹でます。これをやっている間に[辛子酢味噌パート]を合わせておきます。
- ネギの根元の方を5cmほど折り曲げます。これに対して残りの茎をぐるぐる巻きつけます(写真左)。辛子酢味噌をかければできあがり。
【一口メモ】
- 辛子はできれば粉がらしを使って下さい。鼻を突き抜けるような辛さがたまりません。ただのネギなのに、ネギを茹でてぐるぐる巻いただけの料理なのにこの美味しさはただ事ではありません。
- ぬたに近い料理だと思います。
- 「ひともじぐるぐる」と読むのが正しいのですが、僕は長いこと「いちもんじぐるぐる」だと思い込んでました。ちなみに一文字(ひともじ:人文字とも書きます)はネギの別称です。
- 天明2年(1782年)財政難であった熊本藩が倹約令を出した折りに生み出された料理と言われています。確かにシンプルで安上がりな気がします。