歴史上、日本にパスタが初めて紹介されたのは恐らく明治時代。マカロニが最初だったようです。
1928年には兵庫県尼崎市塚口に「ボルカノ」と呼ばれるお店で国産第一号のスパゲティ(当時はスパゲッチと呼ばれた)が登場しています。
戦後、食の欧米化に伴ってスパゲティは日常の食卓に浸透していきますが、当時は米不足を補うためにおかずの付け合わせとして出されるというポジションで、調理法も茹で置きしたものをケチャップで和えながら炒め直すというやり方だったので今どきのパスタに比べるとかなり安っぽい料理だったと思われます。
今でも喫茶店によってはランチにそんな感じのスパゲティが付いてくることがあって、「そこが昭和っぽくて良いんじゃないか」と喜ばれる向きもあるみたいですね。
そんな中、和風スパゲティが本格的に台頭してきたのは80年代、「イタメシブーム」というのが起きまして、「こじゃれた料理」=「ナウくて洗練された料理」みたいな風潮に乗っかってのことだと思います。
これがグルメブームの先駆になったわけですが、当時の若者がそれほど鋭敏な舌を持っていたかどうかはいささか疑問が残るところです^^;
和風パスタの一番人気はタラコスパゲティでしたが、とにかくアレンジした料理がもてはやされましたので料理のネーミングもこのレシピの名前のようにやたら長いやつが多かった記憶があります。
とりあえず丼物のトッピングになるようなものであればなんてもありだった気がします。
ですので、こんなスパゲティがあの頃のお店のメニューにあってもちっとも驚きません。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- スパゲティ:100~120g
- いくらの醤油漬け:適宜
- スモークサーモン:適宜
- 刻み葱:少々
[ソースパート]
- 麺つゆ:大匙1
- 柚子胡椒:チューブ1cm程度分
【作り方】
- スパゲティをパッケージに記載の時間-1分茹でます。その間に[ソースパート]を合わせてよく混ぜておきます。
- スパゲティをきっちり湯切りして皿に盛り[ソースパート]をかけてトングを使ってよく和えます。
- 2.にいくらの醤油漬け、スモークサーモンを盛り付け、刻み葱を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- 麺つゆ+柚子胡椒というパスタソースは和風パスタのアレンジソースとしてかなり良くできていると思ってます。麺つゆオンリーより香りが良くて柚子の清涼感を出すことができます。
- このトッピングならパッケージに記載の時間茹でて氷水で〆て、冷製パスタにしても美味しいですよ。
- いくらの醤油漬けは秋に筋子が出回ると一回は作ってしまうのですが、手作りすればかなり原価を抑えられます。ということで、僕の中ではこのパスタは「秋のパスタ」に分類されています。
- もうちょっとコクを出したい場合は2.の工程で茹で上がったパスタをバターを溶かしたフライパンに入れて[ソースパート]を加えて炒めながら和えて下さい。サーモンにバターはよく合いますよ。