スーパーマーケットが登場する前まで食材や調味料、惣菜などの料理は全て専門店で売られていました。
八百屋、魚屋、肉屋、米屋。
醤油などは酒屋で売られたりしていましたが味噌は味噌屋という専門店があったりしましたっけ。
漬物も漬物屋という専門店で店の職人が漬け込んだ漬物が量り売りで売られていました。
ただ、「店で買ってくるのは贅沢だ。漬物など家で漬ければ良い」という考えのおうちも多くて当時は家々に先祖代々伝わるレシ
ピで漬けられた漬物が常備されていました。
漬物は一軒、一軒、家ごとに味が違ういわゆる家庭の味の代表選手でした。
今ではスーパーでパック包装された漬物を買うのが当たり前になっていて定食屋などでも箸休めに添えられる漬物は既製品。
なんだかちょっと寂しい感じがします。
過日、横浜を去る前に一度行ってみたかった鰻の名店の暖簾をくぐったのですが出されたたくあんが明らかに自家製で実に良い味だったのでちょっと感動しました。
昔は街の小さな定食屋でもこんな風に自家製の漬物を出していたりしたのかな──なんてちょっと感傷的な気分に浸っちゃいま
したね。
我が家では市販品の漬物を買うこともありますができるだけ家でも漬物を作って常備するようにしています。
この浅漬けもそんな1品。ちょっと目先を変えて洋風に仕立てています。
【材料】(2人分)
-調理時間:15分-
- 大根:5cm(約250g)
- 大根の葉:あるだけ
[漬け汁パート]
- レモン果汁:15g(大匙1)
- オリーブオイル:4g(小匙1)
- 塩:3g(小匙1/2)
- お好みのスパイス:ブラックペッパー、クミンなど
【作り方】
- 大根は桂剥きにして縦半分に切り3mm厚の半月切りにします。剥いた大根の皮は千切りにします。大根の葉はあらみじん切りにします。
- ビニール袋に1.と[漬け汁パート]を合わせて空気を吹き込んで膨らませます。そのままビニール袋を振り回して調味料を均等に馴染ませます。空気を抜いて10分置けばできあがり。タッパなどに入れて冷蔵庫で保存すれば1周間以上保ちます。
【一口メモ】
- [漬け汁パート]は洋風のドレッシング風の味付けにしていますので和風の漬物が苦手な子供さんでもとっつきやすい味だと思います。
- 大根自体と大根の葉、皮はそれぞれ食感が異なりますので合わせることで口の中で同時にさまざまな食感を楽しむことができます。また皮は甘みがありますので漬物全体の風味をマイルドにする効果もありますよ。
- 影の主役は[漬け汁パート]のスパイス。何を使うかによって漬物の風味ががらりと変わります。できれば香りに特徴のあるものを使ってください。ブラックペッパーは定番ですがカレーの風味を彷彿とさせるクミンを加えるとエキゾチックな雰囲気を演出することもできます。独特の風味を持つカルダモンも楽しそう。
- 洋風浅漬けということでレモン果汁を使いましたが柑橘系ならなんでもOK。柚子やすだちなど和風の柑橘類を使うのも楽しいですよ。