今ではかなり廃れてしまった習慣に感じられますが、僕が子供の頃は親戚の間、職場の同僚や取引先とお中元、お歳暮のやりとりが盛んに行われておりました。
たぶんサザエさんのネタにもなってたんじゃないかな。
夏の盛りや年の瀬に物品を贈る風習は室町時代に一般化されたようで江戸時代には武家の間で目下の者が目上の者に贈ったようです。
贈る品物は食べ物が多いですが、元々は神様へのお供え物を共食(おすそ分け)するという考え方から始まったからともいわれていますね。
宅配業者に頼むのが一般化した今と違って昔は手で持ってお贈りするお宅を訪れ直接ご挨拶をしていました。
なんか風情があって良いなぁと思います。
年賀状を書く人が減ったのを嘆かれる向きもありますがそれを昔の人が見たら
「そもそも郵便屋にお年賀を任せるなんてものぐさにもほどがある。ちゃんと先様を訪ねて年始の挨拶をしてこねぇかい」
なんて叱られそうですね。
中元、歳暮に贈る品物は普段は口にすることのないちょっと高級な食料品が多いですが、中には中元、歳暮でしか見たことがない食べ物というのもありそうです。
化粧箱に詰められたお漬物各種、なかんずく奈良漬けなんて僕は他の季節に見た覚えがとんとありません。
【材料】(2~3人分)
-調理時間:25分-
- 茄子:1本
- 塩:茄子の重量の5%
- 酒粕:25g
- 粉辛子:10g
- 砂糖:9g(大匙1)
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 味醂:9g(大匙1/2)
【作り方】
- 茄子はがくを取って4つ割にし、さらに7mm厚の小口切りにします。これを10分水にさらしてしっかり水気を切ります。
- 1.をビニール袋に入れ塩を加えてよくまぶし10分置きます。待っている間に酒粕は小さくちぎります(包丁で切ってもOK)
- 1.のビニール袋に残りの材料を加えて堅く口を縛り冷蔵庫に入れて一晩漬けこめばできあがり。
【一口メモ】
- 濃厚だけど上品な味わいです。一口、二口食べると箸が止まらず一気食いしてしまいそう。けど、「なくなってしまうのはもったいない」という気持ちもあって、ジレンマにさいなまれること請け合いです。
- 茄子からたっぷり水が出ますので水気のものを追い足す必要はありません。
- 基本的には野菜を切って調味料をまぶして漬け込むだけ。時間はかかるけど手間いらずのらくちん料理です。できれば茄子を4、5本使って大量に作れば良い常備菜になりますよ。
- 茄子以外に蕪、人参、胡瓜などでも美味しく作れます。粕床は再利用可ですので残りが少なくなったら手持ちの野菜を切って追い足しましょう。