「あれはなんか特殊な機械で圧搾して作ってるねんでたぶん。知らんけど」
今ならそんな言い回しで言っていたかもしれませんね。知らんけどw
僕が大学生だった頃なので1980年半ば頃。
マクドナルドの知名度もずいぶん上がってファストフードという言葉もすっかり定着していた時代の話です。
あの頃はファーストフードって呼んでいたかな。
友人との間でマクドナルドのパン(まだバンズとは言われていなかった)に挟んだハンバーグはなぜあんなに薄いのかというのが話題になりました。
元々は「薄い=原価がかからない」ゆえにマクドナルドのハンバーガーは実はむちゃくちゃチープという揶揄やディスリから始まった話だったと記憶しています。
「だって普通にハンバーグを焼いたら必ず膨らむからあんな風に薄くはならんで」
だから焼けたハンバーグを特殊な機械で圧搾してぺしゃんこにしてパンに挟んでいるのだろうという結論でその話題は完結しました。
ちょっと考えればその発想は大間違いだとすぐにわかるのですがそこに思い至らないあたりが若気の至りというかなんというか>自分
だってマクドナルドのパティは店で焼いていることは知られていましたがそんな圧搾機械が場所を塞いでる様子は見たことがないじゃないですかw
てか、焼いてから圧搾機にかける手間を入れていたらあんなに早く商品を渡してもらえませんて。
マクドナルドのパンに挟んだハンバーグはなぜあんなに薄いのか──その答えはあれがハンバーグではなくパティだからです。
当時の僕らはハンバーガーはパンにハンバーグを挟んだ食べ物だと思い込んでいましたが挟んでいるものは正しくはパティ。
ハンバーグとは別物なのです。
ハンバーガーはひき肉に卵やパン粉などのつなぎを加えて捏ねて焼きます。
このつなぎが膨張して焼き上がったハンバーグはふっくらと膨らんでいます。
これに対してパティはひき肉に塩と香辛料を加えただけのもの。
つまりひき肉を使った焼き肉だと思えば分かり易いです。
バーベキューや焼き肉をやったことがある人はわかると思いますが網の上で焼けているお肉が膨らんでいる様子を見たという人はいませんよね。
パティが膨らまない理由は「ただの焼肉だから」──そういうことです。
過日、ピクニック用にハンバーグをバンズとパティから自作しながら作っていてふとそんな懐かしい会話を思い出しました。
あのハンバーグ談義をした友人たちは元気にしているかな。
【材料】(2枚分)
-調理時間:5分-
- 牛ミンチ:100g
- 牛脂:4g
- サラダ油:4g(小匙1)
[シーズニングパート]
- 塩:2g(小匙1/3)
- 味の素:小匙1/2
- ブラックペッパー:少々
- ガーリックパウダー:少々
- ナツメグ:少々
- (あれば)オニオンパウダー:少々
【作り方】
- 牛脂は薄くそぎ切りにします。牛ミンチ、牛脂、[シーズニングパート]を合わせてよく捏ね2等分します。製菓用の打ち台にラップを敷いて種を置き種を薄く伸ばして上にラップをもう1枚重ねます。ラップの上から麺棒を使って直径20cmくらいに伸ばしてそのままラップに挟んで冷凍庫に入れて凍らせます。
- 大き目のフライパンにサラダ油を入れ強火で煙が立つ程度に加熱します。1.のラップを剥がしてこのフライパンに入れ片面1分ずつ焼けばできあがり。 ※パティは焼く前はめっちゃ巨大に見えていますが焼いている間にみるみる縮んで半分くらいの直径になります。
【一口メモ】
- ハンバーガーのパティは一種の焼き肉ですが風味は塩とスパイスで付けているので僕らがイメージする焼き肉とは別物。単体で食べると多少違和感があるかもですがバンズに挟めばお馴染みの味になりますよ。
- コツは思い切りよく薄く延ばすこと。焼くとびっくりするくらい縮みますのでそれで丁度良い大きさになるのです。
- [シーズニングパート]のオニオンパウダーを入れるのと入れないのでは風味が大きく変わります。ちょっと大きめのスーパーや輸入雑貨の食料品店で売っているのでできれば使ってください。
- ハンバーガーに使うのが王道ですがサンドイッチの具材にしたり一口大に切ってサラダに加えるなんてのもありです。ちょっとボリューミーなおかずサラダとして楽しめますよ。