多くの人の心を揺さぶる名画に出逢うと「あの感動をもう1度」と思ってしまうのは人情です。
その熱に浮かされてリメイク作品渇望されるのもまあ人情でしょう。
往々にしてこういったリメイク作品は「作らなきゃよかった/観ない方がよかった」なんて後悔する出来になったりすることも多いのですが時には原作と肩を並べる名作が生まれることもあります。
黒澤明監督の傑作「七人の侍」のリメイク「荒野の七人」もそういった成功例のひとつだと僕は思っています。
舞台を戦国時代からならず者が跋扈する西部劇の世界に移し盗賊の略奪に苦しむ村を助ける腕利きのガンマン7人。
まんま七人の侍のストーリーなのですが物語をよりシンプルで軽快にしたことでオリジナルほど重厚ではなくなっていますがエンタメとしてぐっと観易くなった気がします。
同作が成功したもう一つの理由は本家のキャラをそのままコピーしなかったこと。
複数のキャラを合体させて一人に付与した代わりに本家にはいない新キャラを追加してより独自性を出そうとしたところじゃないかなと思っています。
善心はあまりない山師で
「リーダー(ユル・ブリンナー)が村人を助けるのが善意からなわけがない金鉱かダイヤモンドか何かでかいヤマを狙っているに違いない」
と勘違いして7人に加わってくる男(ブラッド・デクスター)。
南北戦争の脱走兵で村人を助ける体で追ってから身を隠そうと目論む男(ロバート・ヴォーン)といった如何にも西部劇的、アメリカ的な味付けを盛り込むことでこの映画は「時代劇」ではなく「西部劇」としてきちんと仕上がっています。
この舞台設定(日本の戦国時代→アメリカの西部)に合わせて味付けを変えるという演出はリメイクに挑戦する際の肝なのかもしれませんね。
チャプスイは伝統的な中華料理を元にアメリカに渡った華僑がアレンジしたアメリカン中華料理です。
オリジナルはほぼ八宝菜なのですがそこに如何にもアメリカ人が好みそうな味付けの工夫が加えられていてアメリカではテイクアウト中華の定番なのだそうです。
なんか荒野の七人のアレンジに通じるものを感じるなぁとか思いながら過日、ピクニックのお弁当用に作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 豚こま:50g
- 野菜類:白菜、人参、玉ねぎ、椎茸、ニラ、もやしなど
- サラダ油:6g(大匙1/2)
[調味料パート]
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 酒(できれば紹興酒):7.5g(大匙1/2)
- コンソメスープの素(顆粒):3g
- トマトケチャップ:5g(小匙1)
- おろし生姜:ひとかけ分
- おろしにんにく:ひとかけ分
- 塩、ホワイトペッパー:少々
- 水:80g(80ml)
[とろみパート]
- 水溶き片栗粉:4g分
【作り方】
- 豚肉、野菜類は食べやすい大きさに切ります。[調味料パート]は合わせてよく混ぜておきます。
- 中華鍋かフライパンにサラダ油を入れ中火にかけます。これに豚肉と火が通りにくい野菜(人参、白菜など)を加えて肉の色が変わるまで炒めます。
- 2.に玉ねぎ、椎茸を加えてさっと炒め[調味料パート]を加えて蓋をします。そのまま3分中火で煮込みます。
- 3.の蓋を取り、もやし、にらを加えて30秒煮ます。[とろみパート]を加えてとろみを付ければできあがり(とろみの硬さは水気を飛ばしながら調整しましょう)。
【一口メモ】
- 一見、八宝菜っぽく見えますがとろみを付けてあるスープのベースはコンソメなので明らかに洋食のテイストです。そこにトマトケチャップを加えて甘ずっぱい酸味が加わって如何にもアメリカ人が好きそうな味に仕上がっています。
- 野菜類は八宝菜に使いそうなものならなんでもありですので冷蔵庫の手持ちと相談しながら見繕ってください。海老やイカなどのシーフードを入れても美味しいですよ。
- アメリカではテイクアウト中華の定番らしいのですがとろみが付いているので持ち運びしやすいのも人気の秘訣かも。[とろみパート]の片栗粉の量を心持ち増やしてとろみを強くすればお弁当箱に詰めてランチに戴くこともできるんですよ。