西暦が2000年になった頃……
いやもしかしたらもっと前かもしれません。
新しいお客様を担当することになって毎日のようにそこの事務所に通っていた日々の出来事です。
最寄り駅が阪急梅田にあるその事務所はワクワクが止まらないランチタイムを過ごせるロケーションでした。
地元民ならご存じだと思いますが梅田は飲食店の宝庫、東京で言えば新橋、有楽町、銀座あたりといったところでしょうか。
「今日はどのお店に入ろうかな」
朝っぱらからそんなことを考えながら通勤電車に乗る日々。
なんだかランチを楽しむついでに仕事をしているような気分でした(をい)。
いろいろなお店を開拓しましたがその中の一軒、ブラジル料理のお店のランチの看板に目を惹かれました。
『シュラスコ食べ放題』
シュラスコってなんぞ?
と思ったのですがどうやら肉を焼いた料理らしいことはわかりました。
まだまだ胃が若かった当時の僕は躊躇いなく入店。
テーブルに案内されてシュラスコを待つこと暫し──って、何……これ。
剣(つるぎ)のような巨大な串に塊の肉がいくつも刺さっている。
その肉を小型のナイフでそぎ落として店員さんが手際よくお皿に盛りつけてくれて──
「おかわり自由ですのでお気軽にお申し付けください」なんて言って去って行った。
はい、自由に、フリーダムに、何度もおかわりしましたとも。
僕も若かったなぁ(特に胃が)。
シュラスコはブラジルだけでなく南米のあちこちで食べられている肉のあぶり焼き料理だと知ったのはそれからもう少し後のことだったと思います。
あのお店が今でもやっているかどうか知らないのですがもし同じランチサービスをやっていたとしてもあんなには食べられないだろうなとしみじみ思います。
最近とみに重い料理は苦手になっちゃった。
過日、阪神タイガースの優勝セールで特売だった焼き肉用の牛バラ肉を購入。
普通の焼き肉にするのもなんだか面白みがないなと思って懐かしのシュラスコを思い出しながらこんな料理を作ってみました。
使ったお肉は100グラム。
今の僕にはこれくらいが丁度良いようです。
【材料】(1人分)
-調理時間:18分-
- 牛バラ肉(焼き肉用):150g
- 玉ねぎ:1/4個
- エリンギ:1本
[マリネパート]
- オリーブオイル:12g(大匙1)
- ワインビネガー:12g(12ml)
- 塩:1g(小匙1/6)
- おろしにんにく:ひとかけ分
- ブラックペッパー:少々
[仕上げパート]
- レモン果汁:5g(小匙1)
【作り方】
- オーブンを230度に予熱します。
- 牛肉は食べやすい大きさに切ります。玉ねぎ、エリンギは細切りにします。
- 耐熱皿に2.と[マリネパート]を合わせてよく和えます。オーブンが予熱できたらこれを投入し15分焼いたらできあがり。食べる時に[仕上げパート]をかけて戴きます。
【一口メモ】
- マリネ液にふんだんにお酢を使っているので肉料理なのにさっぱりしていて重くないのが嬉しいです。仕上げのレモン果汁で清涼感マシマシ。
- ブラジルの炙り肉料理「シュラスコ」をヒントにレシピを組み立てました。シュラスコはモーリョと呼ばれるソースをかけるのがお約束。モーリョは洋風のドレッシングと油と酢の比率が逆で酢の量が多いのでさっぱり食べられるのです。
- モーリョは野菜のみじん切りをふんだんに使うのも特徴。手持ちがあればピーマンやパプリカなどのみじん切りも一緒に和えて焼いてみてください。見た目もカラフルな1品になりますよ。