創作の世界ではテンプレート、略してテンプレという言葉がよくつかわれます。
別名、ステレオタイプ(ステロタイプ)、日本語で言うと典型といったほどの意味でしょうか。
どこかで見たストーリー展開、どこかで見たようなキャラクター設定、どこかで見たような演出、ドラマやアニメを観ているとそんな既視感を覚えるのは往々にしてあることです。
創作でテンプレを使うということはもろ刃の刃です。
敢えて王道の展開をチョイスすることで観客の期待に応えることもできますがやりすぎるとマンネリと揶揄されます。
「夏空といえば誰もが入道雲を描きたがるじゃないですか。
あれって思考停止だと思うんですよ」アニメーション制作の現場を描いた名作SHIROBAKOの中でも背景美術の担当者がそう熱く語る場面がありました。
創作の世界に携わる人間としては実に耳が痛いセリフです。
料理の世界でもテンプレというか定番と呼ばれる皿があります。
たとえば「洋食と聞いて思い浮かぶのは何?」と100人に聞いたら驚くほど答えが偏るような気がするのです。
ハンバーグ、オムライス、コロッケ……って、定番(テンプレ)にもほどがありますよね。
メンチカツもそんな洋食のテンプレのひとつじゃないかな。
これを一番に思い浮かべる人もけっこういると思います。
けど、定番のおかずはすなわちマンネリにつながって家族の不興を買う恐れがあります。
そこでひと捻り。
和食の定番アイテムを使ってちょっと変わったメンチカツなどいかがでしょう。
【材料】(4~5個分)
-調理時間:25分-
- 豚ミンチ:200g
- キャベツ:3枚
- 玉ねぎ:1/4個
- 大葉:5枚
- 薄力粉:少々
- パン粉:適宜
- 揚げ油:適宜
[つなぎパート]
- 卵:1/2個(卵液約25g)
- パン粉:9g(大匙3)
- マヨネーズ:12g(大匙1)
- 塩:2g(小匙1/3)
- ブラックペッパー:少々
- 塩、ブラックペッパー:少々
【作り方】
- キャベツは小さめの座繰りにします。玉ねぎはみじん切りにします。大葉は千切りにします。
- ボウルに豚ミンチと1.の野菜類、[つなぎパート]を合わせて練るようにこねます。これを1個70gずつくらいに小分けにして小判型に成型し、バットに並べます。冷蔵庫に入れて10分休ませます。
- 揚げ油を170度に温めます。待っている間に2.に薄く薄力粉をまぶし卵液の残りにくぐらせてパン粉を付けます。
- 揚げ油が温まったら3.を1個ずつ木杓子に載せて油面に近づけそっと滑らせるように落とし込んで2分揚げます。揚げ種をひっくり返して更に1分揚げればできあがり。ポン酢で頂きます。 ※揚げ種をたくさん投入すると油の温度が下がってしまうので1度に揚げる数は2、3個ずつにしましょう。
【一口メモ】
- 清涼感のある風味が楽しいです。つなぎに仕込んだマヨネーズとポン酢の酸味も良い感じ。揚げ物なのに重たくないのが面白いです。
- メンチカツといえばハンバーグ種にたっぷりのキャベツを混ぜ込んだ揚げものという固定観念がありますが、もっと自由に作れるんじゃないかなと思ってこれを試作してみました。スパイシーなカレーメンチカツなんてのもそのうち作ってみたいな。パンなしカレーパンみたいな感じになって面白いんじゃないかしらん。
- 大葉の風味を活かしたくてポン酢をチョイスしましたが定番のウスターソースももちろんありです。サラダ感覚で酸味の強いドレッシングをかけても美味しいですよ。