ケチャップというとあの赤くてどろっとしたチープだけどなぜかノスタルジーをかきたてるようなほんのり甘い調味料をイメージしますよね。
でも、本来のケチャップ(ketchup)は魚や野菜から作られるソースの総称なのだそうです。
僕ら日本人がケチャップと聞いてすぐに思い浮かべるのはその一種『トマトケチャップ』なのです。
現存するケチャップの記録は17世紀末の記録だそうですが、「魚を原料として作られる奥インドの調味料」と記され、どうも今で言う魚醤(ニョクマム)の原型のようです。
ヨーロッパの植民地政策の影響でそれらの調味料がイギリスなどにも伝搬しウスターソースなどが誕生するのですがこれもケチャップの一種と呼べるようです。
日本には明治期、日清戦争のちょっとあとくらいにアメリカからトマトケチャップが伝わり洋食文化の一翼を担うようになった関係で今でも日本人にとっては、ケチャップ=トマトケチャップ という認識が根付いたようです。
その後、『オムライス』、『ナポリタン』など日本独自の和製洋食が誕生し我々の中でトマトケチャップは洋食の原風景みたいになっているのかもしれません。
とはいえ、ケチャップを使った独自洋食を作り出したのは日本だけではありません。
世界三大料理、四千年の歴史を持つといわれる^^;お隣の国にだって『海老チリ』や『酢豚』のように独自のケチャップ料理があります。
チープだけど多くの人に愛される味。
ケチャップにはそんな底力が潜んでいるのかもしれませんね。
【材料】(2人分)
-調理時間:20分-
- 牛こま:150g
- オリーブオイル:少々
- トマトケチャップ:適宜
- ドライパセリ:少々
[下味パート]
- 塩麹:3g
- ブラックペッパー:少々
- オレガノ:少々
- ドライバジル:少々
【作り方】
- 牛こまは細切りにして[下味パート]と合わせ15分漬け込みます。
- フライパンにオリーブオイルを入れて強火で熱し煙が立ったら1.を加えて手早く炒めます。お肉の色が変わったら中火にしてケチャップを加え絡ませたら火を止めます。お皿に盛って上から更にケチャップを絞りドライパセリを散らせばできあがり。
【一口メモ】
- ううう、昭和の洋食って感じです。なんか懐かしい味。今、レストランでこれを出したら叱られそうですが、昔なら充分ごちそうだった気もする。
- 胡椒、ハーブと塩麹で漬け込むことで単調なケチャップの味にアクセントが付いてちょっと小洒落た風味になってます。
- レーガン大統領の頃、学校給食の原価低減策が連邦議会で議論され、『ケチャップは野菜の一種ということにする』という珍妙な案が提出されたそうです(提案した人は真剣だったのかな^^;)結果は......却下でした^^;