「わたしこれ嫌いなのよね」驟雨の中、濡らすまいと必死にかばいながら運んできた料理「にしんとかぼちゃの包み焼き」に対する第一声はキキの心に刺さりました──劇場用アニメ「魔女の宅急便」の1シーンです。
僕も初見ではその一言はないだろうと憎まれ口を叩いた孫娘にイラっとしたものです。
けどそれは電気オーブンの故障で薪のオーブンを使って苦労して焼いたり、時間が圧して楽しみにしていたパーティーへの出席を諦めたり、夕立に降られたりとさんざんな目に遭いながら「料理を届ける」という仕事を全うしたヒロインを見て来たからこその感情なのかもしれないとも思いました。
そういった感情論を脇に置いて改めて「にしんとかぼちゃの包み焼き」を見ると……
若い子が喜びそうな料理に見えない。
かぼちゃ&魚ってなんか年より臭くね?
孫娘は料理が届けられるまでの経緯はもちろん知りませんから正直な感想を述べただけかも。
で、それを実証すべく(?)「にしんとかぼちゃの包み焼き」を実作してみました。
感想は……びみょー。
にしんってけっこうクセのある魚なのです。
これは好き嫌いが分かれる気がするな。
せめてクセのないタラだったら子供も食べやすいかも──なんて思いましたっけ。
いっそ魚を抜いてしまったら良くね?
かぼちゃ自体は子供が好きそうな甘い野菜だし半ばスイーツ感覚のお惣菜にしてみたらどうだろう。
ということでこんな料理を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:12分-
- かぼちゃ:150g
- マヨネーズ:6g(大匙1/2)
- 粉チーズ:大匙1
- パン粉:3g(大匙1)
- 塩、ブラックペッパー:少々
【作り方】
- かぼちゃは種とワタを取って皮ごと3mm厚にスライスします。これを耐熱皿に入れてラップをかけ串で2、3ヶ所、穴を開けます。これを電子レンジの500ワットで1分半チンします。
- 1.をグラタン皿に並べて軽く塩、ブラックペッパーを振ります。更に粉チーズとパン粉をまんべんなくかけてマヨネーズを格子模様に絞ります。オーブントースターの強(温度調節機能があれば250度)で5分焼けばできあがり。
【一口メモ】
- かぼちゃの甘味だけだとちょっとしつこい味の焼き物になりそうですがマヨネーズの酸味が程良いバランスを取ってくれています。パン粉のパリパリ感、チーズの濃厚な風味も良い感じ。
- 見た目は凝ったごちそう料理に見えなくもありませんが実はレンチンに限りなく近い楽ちん料理だったりします。しかも材料はかぼちゃのみ。めっちゃリーズナブルですよ。
- お好みでスパイス(シナモン、ナツメグ、クローブ(粉末)、粗挽きブラックペッパーなどがおススメ)を振ると風味が複雑になってまた楽しいのです。