僕が入社した年の冬に会社が大阪の京橋に移転しまして、以来、横浜に転勤するまでの25年間毎日毎日、1時間かけて京橋まで通勤しておりました。
で、仕事が終わればさっさと帰れば良いものを酒飲みの性で寄り道せずにはおられないんですね。
何より京橋は誰もが知る飲み屋街。寄り道の種には事欠かなかったのです。
で、飲み屋は星の数ほどあるのですから日によって違う店に行っても良さそうなものなのに決まって同じ焼き鳥屋に行ってしまうあたり妙なところで律儀なんだよなぁ。
その店は居心地がよくて酒も料理も旨い本当に良い店でした。
自然、職場でも評判になって、いつ行っても誰か顔見知りが呑んでいるたまり場と化しておりました。
飲み屋の客も常連化してくるといろいろわがままを言います。
ある時、職場の先輩が「砂ずりの唐揚げ、ポン酢で頂戴」なんて店にないメニューを頼んだことがありました。
大将は気の良い人だったので「はいよ」と気軽に言って作ってしまうんですよね。
ところが、これがめっぽう美味かった。
「ずりからポン酢」と名付けられたその料理はたちまち評判になって店の裏メニューどころか看板メニューになっちゃった。
月日は流れてその店もとうにたたんでしまったので「ずりからポン酢」は記憶の中でしか味わえない料理になりました。
何度か再現を試みたのですがどうしてもあの味にならない。
忸怩たる思いを噛み締めつつそれでも時々、思い出したようにアプローチを変えながらチャレンジしているのです。
【材料】(2人分)
-調理時間:15分-
- 砂肝:150g
- 揚げ油:適宜
- ポン酢:適宜
[衣パート]
- 天ぷら粉:20g
- 水:天ぷら粉のパッケージに記載の通り
- おろしにんにく:ひとかけ分
- ホワイトペッパー:少々
【作り方】
- [衣パート]を器に合わせてよく混ぜ、冷蔵庫で冷やしておきます。
- 砂肝は1粒を4等分して3mm間隔でひだ状の包丁目を入れます。
- 揚げ油を180度に温めます。砂肝を1.に合わせて大ぶりのスプーンで混ぜながら衣をよくまぶします。
- 3.をスプーンで掬って揚げ油に投入して2分揚げます。ひっくり返して2分揚げればできあがり。ポン酢に浸けていただきます。
【一口メモ】
- にんにくの香りが刺激的、コリコリとした食感がクセになって箸が進みます。衣もさくさくで良い感じ。
- とはいえ、昔、焼き鳥屋で食べた砂ずりのからあげとは何かが違うんですよね。食感かなぁ。また、研究します。
- 天ぷらの衣は冷蔵庫で冷やして冷たい状態で油に投入するのがセオリーです。まぶす時も手を使うと体温が移るので菜箸か大ぶりのスプーンを使いましょう。
- 僕はポン酢が好みですが塩レモンで食べるのもイケますよ。