昨今、日本でハリウッド映画が振るわない──そんな風に肌で感じています。
僕が大学生だった1980年代はハリウッド映画全盛期で逆に邦画は地味というかパッとしないななんて生意気なことを考えていたのにな。

理由はいろいろあるのでしょうけどその一つは日本のアニメーション作品が強すぎることかなと考えます。
これはテレビではなく映画館で観たい──僕らにそう思わせる原動力は大画面の迫力。
ブレードランナー、スターウォーズ、ダイハード、バックトゥザフューチャー等々80年代のハリウッド映画には「でっかいスクリーンで観てみたい」と思わせてくれる作品が多数ありました。
今だって技術的にはそれを凌駕する絵を実写で作ることはできるはずなのです。
けど実写ではあり得ない動きや躍動感。
重力の法則を無視した飛翔感など今の日本のアニメの表現はその上をいっていると思うのです。

とはいえ何もかもがアニメ化の方が強いというわけではなく向き不向きがあるだけだと僕は思っています。
例えば最近ハマっている少年ジャンプ原作の「Dr.Stone」は全人類が一瞬で石化させられた3700年後の世界が舞台になります。
鬱蒼と茂った森、岩と石だらけの荒野──アニメではその風景が時にリアルに時に戯画的に迫力満点で描かれています。
もしこれを実写化したらどうなるでしょう。
作中の主人公の口癖を拝借すると「しょぼさ100億パーセントだわ」になるのは作る前から目に見えています。

日本中どこを探したって本作にふさわしいロケーションがあるとは思えません。
よしんば世界中ロケハンしまくってそれっぽい場所が見つかったとしてもそこにセットを組んで役者、スタッフともども大遠征する予算がおりるとは思えない。
結果、妥協に妥協を重ねたロケーションで撮影しても作り物感満載の絵面にしかなりません。
更にそこで生身の人間が演技をしてもアニメの登場人物たちの現実にはあり得ない躍動感ある動きにはかなわないと思うのです。
逆に古畑任三郎シリーズをアニメ化したらどうでしょう。

演出方法にもよるとは思うのですが追い詰められてあせりを隠せない犯人の表情や古畑警部補の不敵な笑みはアニメでやると漫画的になり過ぎる。
生身の人間の演技にかなう気がしかしません。
なんでもかんでも競い合うようにアニメ化&実写化する風潮はいかがなものか。
もっとアニメの得意分野、実写の得意分野を見極めて棲み分けていくのがお互いのためにも良いんじゃないかなというのが僕の意見です。
料理の世界にも同様に得意分野というのがあります。

洋食の得意分野、和食の得意分野、中華の得意分野。
もちろん洋食を和風にしたり和食を中華風にするという技法や演出はあります。
けど、例えば酢豚を和風にアレンジしたとしても「これ普通に酢豚で良いじゃん」と言われるのがオチな気がするんですよね。
けれど中には同じ材料を使った似た料理なのにどちらのフィールドで調理しても美味しい。
これはどっちもありと思わせてくれるものがあります。

アニメ、実写の両方で成功したと言われる「るろうに剣心」や「デスノート」のようなものでしょうか。
この料理もそのひとつ。
材料だけ見れば中華の回鍋肉的な料理です。
けれど味付けを和食に寄せても全然違和感がない、
これはこれでありだな──なんて夕飯を戴きながらひとりごちていました。
【材料】(1人分)
-調理時間:6分-
- 豚ローススライス:100g
- 片栗粉:3g(小匙1)
- キャベツ:数枚
- ごま油:6g(大匙1/2)
- 粉山椒:適宜
[調味料パート]
- 味噌:18g(大匙1)
- 料理酒:7.5g(大匙1/2)
- 味醂:6g(小匙1)
- 砂糖:6g(小匙2)
- おろしにんにく:ひとかけ分
【作り方】
- キャベツは小さめのざく切りにします。豚肉は食べやすい大きさに切って片栗粉を混ぜます。
- 中華鍋かフライパンにごま油を入れて強火で煙が立つまで熱します。これにキャベツを入れて20秒炒めます。火加減を中火にして豚肉を加え肉の色が変わるまで炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えて絡めながら水気がほぼなくなるまで炒めます。
- 3.を皿に盛り付け粉山椒を振ればできあがり。
【一口メモ】
- 見た目は中華の回鍋肉(ホイコーロー)っぽいですが味はしっかり和食。更に粉山椒のピリッとした辛さが和食らしさを演出してくれています。
- 味の要は甘さ加減。このレシピでは心持ち砂糖を多めにしています。できれば最初は砂糖を少なめにして味見をしながらお好みの味に仕上げてください。
- 基本の食材は豚肉とキャベツですが冷蔵庫のあり合わせの野菜を加えてできればいろいろな栄養素が摂れるようにしましょう。人参、玉ねぎ、ピーマン、もやし、茸など炒め物につかえそうな野菜ならなんでも合いますよ。

